白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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本日1回目です!

今回は苦労人の愚者回です。
アルフィアを説得でき、クノッソスから帰還中です。

ベルはアルフィアが大事そうに姫様抱っこしています。

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戦人さん、誤字報告をいただきありがとうございます!


第147話 愚者、驚愕。

800年も生きてきたが、今日ほど驚いた日はなかった。

だって、そうだろう?

目の前に、死んだはずの【紅正の花】【大和竜胆】【狡鼠】そして【静寂】がいるのだから。

 

5年前に、厄災ジャガーノートの手にかかって死んだはずの【紅正の花】【大和竜胆】【狡鼠】がベル・クラネルのスキル【時越白兎】によって、5年前から現代へ遺体を持って帰った…。

 

それだけでない。

私のこの蘇生魔法で、ベル・クラネルの『幸運』によって確率を引き上げて彼女たちを復活させた…。

一人ならともかく三人で一度だと?

それだけでももういっぱいなのだが、また彼のスキルが発動した。

 

そして、彼は7年前に飛び、炎の海に飛び込む寸前の【静寂】を救い、現代へ連れてきたのだ。

彼は…何なのだ。

【静寂】がベル・クラネルを置いて去ろうとし、神アストレアが激昂した。

すったもんだで、結局【静寂】は彼のところにいることになった。

 

……え?戦争遊戯での戦力、もう揃ってないか?

 

「ジャガーノート?」

「はい、お嬢様。我々が遠征で70階層以降に出たあのモンスターです。」

「ああ、確か魔法を反射したり何でも切り裂くアレか。」

「え?70階層?ダンジョンは57階層まで踏破したんじゃなかったの?」

「何だ、あの戯言を信じていたのか。そんなわけがないだろう。」

そうだな、ギルドが隠していたからな。

深層でもとんでもないのに、更なる地獄があるとは思わないだろう。

 

「70階層以降に…あのモンスターがいるのですか?」

「はい。ルゥ嬢。ただ、貴女と坊ちゃまが戦ったモンスターはイレギュラーです。最初に戦った時点のジャガーノートは我らが戦ったジャガーノートよりかなり劣ります。恐らく、階層が深くなればなるほど強くなるかもしれませんね。」

「ふん、20秒耐えれば後はどうってこともない。脆かったぞ。」

「に、20秒…。」

「化け物共め…。」

同感だ。

しかし、そんな彼らでも黒竜を倒すことができなかった…。

 

「でも、あのジャガーノートはあれっきりでもう出ないでしょう?」

「……出ました、つい最近に。」

「あんだと?また出たのかよ!」

「はい、ライラ嬢、【ルドラ・ファミリア】のジュラ・バルマーによって人為的にジャガーノートが召喚されました。ですが、ご安心を。坊ちゃまとルゥ嬢が、変異したジャガーノートを撃破いたしました。」

「すごいじゃない!リオン、さすがね!」

「私は、ジュラがまだ生きていたことに驚きましたねえ。」

「最近と言ったな?それまでおめえは何してたんだよ?」

「!そ、それは…。」

言い難いだろうな。

彼女が復讐に染まり、たった一人で闇派閥を壊滅させたことを。

 

「……みんな、それについては帰ってから話しましょう。」

「……そうね!7年も経っているんだもの!オラリオがどうなっているのか見たいわ!」

「私はそれより、そちらの兎さんとの関係を知りたいでございますねえ。」

「あ、それは私も知りたいわ!」

「あたしも興味あるな。」

「!そ、それはその……。」

「言え。全部すべて吐け。」

……【静寂】ってああいうキャラだったか?

聞いていたのと違うのだが。

あれでは、まるで子供を過剰に愛する親のようだ。

 

「お嬢様方、それについてはホームへ帰ってからにしてください。さて、ここから全員フードを被って下さい。アミッド嬢は私がお送りします。」

「ホッ……(いずれは言わなければならないのでしょうね)。」

「よろしくお願いします(疲れました…【静寂】いいえアルフィアさんが現代にいることをディアンケヒト様へ伝えた方がいいでしょうか?)」

「アミッド嬢、それを含めて私から伝えますので不要でございます。」

「そうですか(心を読まないでほしいのですが)。」

「失礼しました。」

セバス、気遣えよ。

 

「愚者、大丈夫ですか?」

「ああ、何とかな。精神疲弊寸前だが、彼女たちの存在が衝撃すぎてな。」

「まあ、無理もありません。しかし、蘇生魔法がうまくいってよかったですね。一人ぐらいはと思いましたが、まさか三人とは予想以上でした。」

「メイ、お前たちの仮説が正しかったな。スロットを埋める無駄な魔法でなくてよかったよ。」

「愚者、貴女のそれは切り札ですが、坊ちゃまがいなければ無用の長物ということをお忘れなきように。」

「わかっているさ。というか、ベル・クラネルが規格外すぎて敵にはしたくないね。」

お前らがいるなら、ますますしたくないよ!

 

「坊ちゃまがここまでとは思いませんでした。先程の【静寂】いえ、アルフィアさんに手をかけなくてよかったです。」

「そ、そうか…。」

マジでやるな、コレは…。

 

「重くはありませんか?お嬢様?」

「薬が効いたせいか、体が軽い。しばらくこの子を抱いていたい。」

アルフィアはベル・クラネルをお姫様だっこして歩いている。

「アルフィア、変わってくれるかしら?」

「いらん。不要だ。この子に近寄るな。」

「ひどい!」

……死の病の特効薬か。

その抗体がベル・クラネルにあるとはな。

はぁ…、君は本当に何なのだ?

 

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やっと着いたか。

人目を避けたのはいいが、【紅正の花】があちこち行こうとし【薫風】に止められるなど時間を大きくロスしたな。

【静寂】がキレるかと思ったが、ベル・クラネルを大事そうに抱えずっと見ていたな。

 

……大丈夫なのか?

ベル・クラネルの現状を知ったらどうなるのだろうか?

ホームが消し飛ばされない事を祈ろう。

 

「ただいま、戻りました。」

「おっかえりー!……って、ベルくん!?…君は誰だい!?というか、出かけた時より人数が増えてないかい!?」

「いろいろあったのよ…、ヘスティア。疲れたわ…。」

「申し訳ありませんが、全員集合願えませんかな?」

「あ、はい!わかりました。」

驚くだろうな…。

 

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「すみません…。ヴェルフ殿とセシル殿は鍛冶のため、手が離せないので後でとのことです。」

「いえ、結構です。」

「メイ様、セバス様、そちらの方々はどなたでしょうか?(どこかで見たことがありますが、気のせいでしょう。ええ、気のせいに決まってます!)」

「今から説明いたします。バーチェさん、坊ちゃまは部屋で寝かせていますね?」

「はい、メイド長。精神疲弊したのか安心したのかぐっすりと寝ています。」

「重畳です。まず皆様に坊ちゃまの新たなスキルが発現したのを報告します。」

「ええっ!」

「…またですか。今度は何ですか?もうリリは動じませんよ。」

これはいくらなんでも動じるだろうな。

「それは…」

 

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「何ですか!そのスキルは!あり得ないです!」

「リリさんの気持ちはわかります。ですが、事実です。本日、そのスキルが発動しました。」

「発動したのかい…。検証に成功できたのはいいけど、その結果が彼女たちかい?」

「はい、ヘスティア様。2回も発動しました。」

「に、2回!?」

「1回目は、彼女たちです。そちらが【アストレア・ファミリア】団長の【紅正の花】アリーゼ・ローヴェルさんです。」

「ハーイ!よろしくね!」

「…そんな、いえ、でも…確かに5年前に見たことがあります…。」

「その横が副団長の【大和竜胆】ゴジョウノ・輝夜さんです。」

「よろしくお願い致しますね。」

「ゴジョウノ…?」『春姫殿のサンジョウノと似ていますね。』

「そして、団員の【狡鼠】ライラさんです。」

「あー、よろしくな。」

「……間違いありません。確かに【狡鼠】です…。」

 

「え?なんで?彼女たちは死んだはずじゃなかったのかい?」

「私の蘇生魔法で、ベル・クラネルの運によって引き上げられ復活した。」

「あ、ウィーネ様を復活させたのと同じ魔法ですか?」

「その通りだよ。サンジョウノ・春姫。」

(!サンジョウノ…だと!?同郷だけでなく、サンジョウノ…。…確かにあの家は狐人系だった。何故、サンジョウノがここにいる?もしや、追手か?)

 

「はぁぁぁぁぁ…、アストレア。事実かい?」

「ええ…、事実よ。私も今でも信じられないくらいよ。」

「そうか…もう今さらだね。それで、2回目はこちらの娘かい?」

「はい、ヘスティア様。こちらは、私が元所属していた【ヘラ・ファミリア】幹部の一人、【静寂】のアルフィアお嬢様です。」

「…………。」

「「「!!!」」」

「へー、ヘラの眷属かあ。あの子の眷属らしいね。よろしくね!ボクはヘスティアさ。」

「アルフィアだ。…ヘラを知っているのか?」

「まーね。あの子はゼウスが絡むだけで厄介な子だけど、普段はいい子さ。そうだろ?」

「いい子…だと!?あのヘラを……!?」

「な、何も怯えなくても…。単にうるさいけど、お節介焼きの子じゃないか?」

「………あの子の主神が貴女で本当によかった。あの子を眷属にしてくれて深く感謝する。」

「………君は、ベルくんの何なんだい?」

そうだな、私もそれを知りたい。

あの過剰な接し方を見て、単に同じファミリアの系譜の子だけとは思えない。

 

「アルフィアお嬢様は坊ちゃまと深い関係があります。明かすつもりはありませんでしたが、本人が生きてここにいる以上、知らなければなりません。」

「深い関係だって?」

「はい、ヘスティア様。アルフィアお嬢様は、坊ちゃまのお母様のお姉様にあたります。」

「「「な、何だってー!」」」

何と…。ならあの態度も納得できる。

 

はっ!ベル・クラネルに起こったことを知れば…。

………オラリオを滅ぼさないでくれよ、頼むから。




とうとう、アルフィアとベルの関係が知らされてしまいました。
まあ、本人が生きて目の前にいますからね。

ルゥさんの罪悪感もベルの葛藤もなかったことになりました。
こういう形にしたかったです!

アルフィア救出の答え合わせです!
・アルフィア、炎の海へ飛び込む
 ・誰かに見られていない→ベルのファイアボルトで視界を遮ったため
 ・当時、周囲に誰がいたか→神アストレア、アリーゼ、輝夜、ライラ、リュー
 ・深手を負わせたのは誰?→アリーゼ、リュー
 ・重傷等の応急処置で何か必要か?→アミッドの治療魔法、死の病の特効薬
 ・本人と深く関わりのあるものは?→ベル、セバス
※該当者や該当物が多ければ多いほど発動率、成功率UP
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