ベルのステータスを写して、それをアルフィアへ見せています。
「どれ…………。おい、セバス。コレは事実か?」
「はい。真でございます。」
「ありえん…。私でも、限界はSまでのはずだ。あの子は上限がないというのか?」
「わかりません。ですが、【憧憬一途】が坊ちゃまを強く導いているのは確かでございます。そしてその副次作用は、美の女神である神フレイヤや神イシュタルの魅了を無効化します。」
「とんでもないスキルだな…。待て、このスキルは…。あの子は誰を対象にしているのだ?」
「対象は様々ですが、発現したきっかけは【ロキ・ファミリア】の【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインでございます。」
「…あのダンジョンの子か。ヘラが欲しがっていた子だったな?」
「はい。」
あの時の娘が、坊ちゃまの憧憬の対象となるとは思いませんでしたな。
そして坊ちゃまを強く鍛えて、道を示してくれたことに感謝します。
しかし、あの娘は気づいているのでしょうか?
初対面で既に坊ちゃまへ惹かれていることに。
「…それは置いておこう。その他も異常だな…。【幸運】だと?」
「そのアビリティは坊ちゃまをギリギリまで生き残らせ、あらゆる現象から坊ちゃまを守ったものでございます。ヘスティア様は【加護】のようなものと言っておりました。【アストレア・ファミリア】の娘たちを復活させたのも、そのアビリティが深く関係しております。」
「……運か。運があの子を守ってくれたのだな。運も実力のうちというが、本当にそうだな。」
「発現したきっかけはわかりませんが、元々あったものではないかと思います。」
「そうか。……【耐異常】のランクが妙に高いな?【逃走】…あの雑魚にもあったものと聞く。だが、問題はコレだ。何だこの【魅了】は。」
「私とメイの見解では、【幸運】と同じく坊ちゃまに元々あったものであり、神イシュタルや神フレイヤの魅了を受け続けてそれによって鍛えられ、発展アビリティとして発現したのではないかと思います。」
「……余計なことをしてくれたな、あのビッチ神共め。」
そうでしょうか?いつかは発現されてたかと思います。
例のスキルと組み合わせれば、より力を発揮できるでしょう。
今回の記者会見で成功できましたので、どのくらいまで上がっているか楽しみですな。
「スキルも異常だな。【憧憬一途】はともかく【英雄願望】…【猛牛殺し】…【兎囲女達】…【時越白兎】…。見るだけで頭が痛くなってきた。それらは後にしよう。魔法は、…無詠唱か?」
「はい、お嬢様。無詠唱の魔法でございます。威力は無詠唱の分弱いですが、連発できます。」
「ふむ…威力が弱いなら使い物にはならんが、牽制程度にはなるか。」
「いいえ、お嬢様。それは先程の【英雄願望】によって徐々に強化されます。」
「ほう、それは凄いな。何故、この魔法が出たのだ?」
「神フレイヤが戯れで、坊ちゃまに魔導書を渡したのがきっかけです。」
「……あのビッチ神は何を考えているのだ?まあ、いい。おかげで、あの子が強くなれるならいいとしょう。」
恐らく神フレイヤも坊ちゃまを強くさせたいために、魔導書を差し出したのでしょうね。
坊ちゃまの想いの強さがこの魔法を引き出しましたな。
使いようによっては、隙がなく恐ろしい魔法になることをお嬢様はお気づきでしょうか?
「この【英雄願望】とは何だ?」
「チャージ行動です。坊ちゃまがレベル5になったことから5分間までは溜めることができます。溜めれば溜めるほど威力が高くなります。それは魔法だけでなく武器も素手も適用します。」
「なるほどな…。チャージ間は動けるのか?」
「レベル2はなかなか動けませんでしたが、レベル3になってからは移動できるようになりました。また、足に溜めることによって、一時的に加速することが可能になりました。」
「応用が効くスキルだな。どうせお前たちのことだ。このスキルの有効的な使い方を、あの子にも指導しているのだろう?」
「ご明察でございます。私達が教え、自分で考えそれを反復して習得しております。…本当にあのクソ雑魚サポーターの子かと疑う時があります。メイもです。」
「……そうか。素直ないい子に育ったのだな。…いや待て。あの狒々爺に14年間も育てられたと言ってたな?何故、そこまで純粋で素直な子に育ったのだ?」
「それは私共も不思議に思っております。ただ、クソエロ爺が下界から見たままを絵本や小説にしたものを坊ちゃまに見せたのが、よかったかもしれません。」
「どういうことだ?」
「坊ちゃまは、クソエロ爺が見た下界の真実の英雄譚にのめり込んでいました。いわば、古代の英雄たちが坊ちゃまを教え、戒め、善き道へ導いたのではないかと、私とメイはそう思っています。」
「…なるほどな。先人の教えを学びそれを習得したわけか。いや、あの子の純粋な想いがそれを受け止め、自らの血肉や知恵に変え、現在に至ったわけか。」
「その通りでございます。坊ちゃまは私達から見て才能が全くないと思いましたが、想いの強さそのものが坊ちゃまの恐るべき才能でございます。」
「……そうか。せめて私、いや私達【ヘラ・ファミリア】がこの手で育て上げたかったのだがな。」
「ご心中察します。」
しかし、坊ちゃまが【ヘラ・ファミリア】がいた時に生まれたとしても、元主神ヘラが溺愛し絶対に人前に出さなかったでしょう。
例え、アルフィアお嬢様やメーテリアお嬢様が相手だとしてもです。
今が、坊ちゃまにとって幸せな時かもしれません。
皮肉なことですが。
「【猛牛殺し】…それは『異端児』の黒いミノタウロス、アステリオスという奴がきっかけか?」
「はい。猛牛系とありますが相手が猛牛系でなくても、イメージに浮かぶだけで適用されます。それはモス・ヒュージ強化種戦で発動いたしました。」
「…想いの強さがここまで適用されるとはな。ある意味、いつでも超強化されるわけだ。」
「はい。その通りでございます。」
「ここまでもう十分なのだが…。これは見たくもないが、見るしかないだろうな。何だこのスキルは。」
「レベル5になって発現したものでございます。きっかけはクソエロ爺でございます。…お嬢様。このスキルと【魅了】の発展アビリティの組み合わせは極めて凶悪でございます。」
「あの狒々爺め。あの子を育児放棄しただけでなく、碌なことを教えんとは。会ったら、全力の魔法で吹き飛ばしてやる。…それはさておき、これはどこまで強化されるのだ?」
「昨日までの段階では、レベル5やレベル6の人に対してはもう相手にならないくらいです。」
「何だと?そこまで強化されるのか?」
「お嬢様、信じられないかもしれませんが、今の坊ちゃまは私またはメイと5分間戦えるほどでございます。」
「…何だと?嘘を言っているのではあるまいな?」
「事実でございます。坊ちゃまを愛する人が増えれば増えるほど、そして坊ちゃまを慕う人憧れる人が多ければ多いほど、坊ちゃまは強化されます。そこへ先程の【猛牛殺し】のイメージが加われば更に跳ね上がります。時たまに私やメイが手こずる時があります。」
「お前たちでもか…。」
「これは先日までですが、今は更に跳ね上がっているでしょう。」
「どういう意味だ?」
「はい、実は…」
昨日の記者会見について話しました。
ベルのステータスについて、呆れているアルフィアです。
憧憬一途の対象はアイズですが、正直に言うと絶対にアイズへ何かをするのは間違いありません。
なので、アイズ含む多くの人を対象にしてると誤魔化しています。
次回も続きます。
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