白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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久々のバーチェさん視点です。

今のバーチェさんは、メイによって鍛えられています。
同時に、ヘスティアの慈愛やベルの純粋さによって変わっています。




第159話 蠱毒王、余裕。

「ティオネー!アルガナー!二人のバカー!」

計画以上の収穫を得るとはな。

計画では、【勇者】とライラが道連れ自爆で脱落する予定だった。

その後は、アルガナには私が、ティオネはアリーゼと輝夜、ティオナはルゥとシャクティが相手するはずだったが…。

まさか、ティオネとアルガナがライラの自爆に自ら飛び込むとは、驚いた。

【勇者】への想いが災いしたな。

まあいい、アルガナとやりあう手間が省けた。

残るのはティオナだけだ。

 

「うう……。いけない!あたしだけでも頑張らないと!」

「残念ですが、ティオナ。貴女も脱落させていただきます。」

「………誰?(バーチェの声だけど、口調がかなり違う!別人だよね?)」

む…?ああ、仮面とフードか。

『…………!』

『承知した。』

仮面とフードを外した。

 

「久しぶりですね、ティオナ。数カ月ぶりでしょうか。」

「………えーと。いくつか質問していい?」

「?どうぞ。」

「バーチェ、だよね?」

見てわからんのか?

 

「そうです。」

「その格好は何?」

「メイドです。」

「何で?」

「【ヘスティア・ファミリア】団長ベル・クラネル直属メイド親衛隊だからです。」

「え!?何それ!?アルゴノゥトくんの!?どういうこと!?それにその口調何!?あたしの知っているバーチェはどこへ行ったの!?」

「質問が多いですが、一言で言うなら【ヘスティア・ファミリア】へ改宗したからです。」

「それ!何で改宗してるの!?」

『…………!』

「(時間がないか)後で説明します。降参するならよし、しないならここで脱落させていただきます。」

「何でよ!どうして!アルゴノゥトくんの直属メイド!?ずるい!あたしもなりたい!あたしの方が先に好きだったのに!」

ドン!ドン!ドン!

 

何も泣きながら、地面に両手を叩くことはないだろうに…。

みんなもドン引きしているな。

そうか、ティオナも団長のことが好きだったのか。

「改宗するなら話は通しておきますが「本当!?」…脱落するか降参するかにしてください。」

「…あたしは一応【ロキ・ファミリア】の幹部の一人だよ…。なので降参はしない。」

「では、かかってきなさい。」

(バーチェだけど、あたしの知っているバーチェじゃない!スタイルが全然変わっている!ううー…、やりにくい!)

 

「いっくよー!」

「……。」

ヒュッ!ヒュッ!

 

「くっ!当たらない!」

「無駄が多いです。」

「ううー!調子が狂うー!なら!これはどう!」

大双牙か。確かに厄介だが…。

 

「うりゃりゃりゃー!」

「………。」

当たらなければどうってことはない。

 

「ぜーぜー…。あれ?他のみんなは?」

「計画通りに行動しただけです。後は貴女を倒し、追いつくだけです。」

「な!?」

こんなに隙が多かったのか、ティオナは。

いや、私が強くなっただけか。メイド長には感謝しかないな。

隙を突かせてもらう!

 

「ガッ!?」

「その程度だったのですか?ティオナ。」

「ゲホッ……。うう…(今の一撃…重い!しかも的確に急所を…)。」

「アルガナとティオネの後を追って下さい。」

「な…んでヴェルグスを使わないの…?」

「…わかりませんか?」

「え…?あ!(指先にほんの…ヴェルグスが!こ、こんな微細なコントロールまでも使えるようになったの!?)」

「今の一撃で、貴女はもう死に体です。では、しばしのお別れです。」

「さ、させるかぁぁぁ!」

「『狂化招乱』を使っても無駄です。いくらステータスが上がろうと…」

「はぁぁぁぁぁl」

「技が追いつかなければ、意味がありません。」

「あ…がはぁ……。」

先程の攻防で、ティオナの大双牙を振るう両腕にヴェルグスを少し流し込んでいた。

それが効いて鈍くなっていた。

なので攻撃をかいぐくって、鳩尾に肘打ちと共にヴェルグスを打ち込んだ。

 

「終いです。」

「つよ…すぎるよ、バーチェ…。後で…教えてよ……。」

「いいですよ。改宗できたら(教えるのはあのメイド長ですが)。」

「約…束だよ……。」

バシュッ!

 

『【ロキ・ファミリア】の【大切断】、脱落!』

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

「「「褐色巨乳美人メイド、キターーーー!」」」

 

「よっしゃー!バーチェくん!偉いぞー!」

「あー、ティオナが負けおったかー(あのメイド服からしてあの性悪メイドに指導してもろうたんだろうな。こりゃ、負けるわ)。」

「……見事じゃ、バーチェ。」

「何や、ドチビ2号。さっきみたいに喚かんのか?」

「お主ん娘も負けたじゃろうが。…バーチェのあの身のこなし、今までのバーチェと一転して全然違う。アルガナがいたとしても、秒殺じゃろうな。」

 

「【大切断】が秒殺ですか!すごいですね!【蠱毒の王】は!」

「うむ。【蠱毒の王】の身のこなしは見事に尽きる。あれは独学では不可能だ。恐らく優秀な指導者がついてるだろうな(恐らく旗の守り手のうち一人だろうな)。」

「(あー、メイくんか。けどメイくんの指導についていけるだけでもすごいよなー)そうですか!これで【ロキ・ファミリア】連合はレベル6が4枚落ちました!【勇者】の脱落は痛いですね!」

「ああ、これで【ロキ・ファミリア】の敗退は濃くなったな。残る三首領のうち【重傑】、【九魔姫】で勝てるかどうかだな(ほぼゼロだろうな)。」

 

「ほらな、武の神であるタケミカヅチが太鼓判じゃぞ。どんな気持ちじゃ、ロキ?ん?」

「うっさいわ!そっちこそ、バーチェたんを生かせなかったやろが!」

「…しょうがなかろう。恐らくあのメイドによって躾けられたんじゃろうな。あそこまで強くなるとは思わんかったわ。」

「やはりかー。…聞こうと思うたんだけど、何でバーチェたんの改宗を認めたんや?」

「それはな…」

 

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「何や…それは。」

「デタラメじゃろう?あのメイドめ!」

「(性格が悪いのは変わらんやっちゃなー)そんな手で来たらどうしようもないわな。」

「じゃろう?」

「はぁー、フィンの言う通り戦争遊戯を仕掛けるんやなかったな…。フィンは今頃、あの子によって目覚ましとるんやろうな(頼むでー、ライラたん。フィンの調子を戻したってな)。」




メレルの街ではティオナの辛勝でしたが、今回はバーチェの完勝です。
メイの特訓が功を成し、洗練されています。

次回は脱落組です!

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