白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

162 / 433
少し時間を遡ります。
フィンが囮部隊として出発した直後です。


-----------------------
"家無しじゃない無銘だ"さん、誤字報告をいただきありがとうございます!


第161話 九魔姫、接触。

時はしばらく遡り…。

----------

 

フィンは行ったか…。

なら、こちらも【フレイヤ・ファミリア】の奴らと当たらんとな。

 

「リヴェリア…。」

「どうした?アイズ。」

「予想通り、【フレイヤ・ファミリア】の大半がこちらへ向かっている。」

「そうか。聞いたな?皆。用意しろ。手筈の通りに当たれ。」

「「「承知しました!」」」

オッタルは【ヘスティア・ファミリア】の旗をもぎとりに行ったか。

レフィーヤが間に合えばいいが…。

 

いかんな。こっちに集中せねば。

「私は…【黒妖の魔剣】とやる。」

「わかった。私は同胞の【白妖の魔杖】とやる。…ガレス。」

「わかっとるわい。あの生意気な四つ子【炎金の四戦士】じゃろう?」

「けっ!あの糞猫がぁ…。今日こそ殺してやる…。」

「ベート、殺すことはできないぞ。脱落するだけだぞ。」

「揚げ足とるんじゃねえよ!ババア!」

「間もなく見えてきました!大軍勢です!」

「では私の魔法で牽制する。敵が怯んだ隙に攻めろ!」

「「「承知しました!」」」

配置は問題ないな…。

始めるか。

決着をつけよう、【フレイヤ・ファミリア】!

 

【間もなく、焔は放たれる。忍び寄る戦火、免れえぬ破滅。開戦の角笛は高らかに鳴り響き、暴虐なる争乱が全てを包み込む。至れ、紅蓮の炎、無慈悲の猛火。汝は業火の化身なり。ことごとくを一掃し、大いなる戦乱に幕引きを。焼きつくせ、スルトの剣--我が名はアールヴ】

【レア・ラーヴァティン!】

 

「「「ぐぅぅぅぅ!」」」

「今だ!攻めろ!」

ウオォォォォォォ!

 

アイズは…、同胞ヘグニと接触したか。

「ここで会うか…。我が仇敵よ。」

「そんなの知らない。貴方はベルをいじめた。許さない。」

「我が真なる友は今頃、オッタルによって蹂躙しているころだ。諦めろ。」

「!?…なら貴方を倒して追いかけて助ける!」

「無駄だ。さあ、始めよう。我らの聖戦を!」

『【剣姫】と【黒妖の魔剣】、激突!』

 

ベートは…言うまでもないな。

「この糞猫ガァァァァl!よくもヤッてくれたなァァァ!」

「五月蝿え!クソ狼ガァァァァ!さっさと死ねやァァァl」

「ひぃぃぃぃ!割り込めないぃぃぃ!」

『【凶狼】と【女神の戦車】、激突!』

 

ガレスは奴らか。

「またこいつか。」

「しつこいぞ。」

「飽きたから、どっかへ行け。」

「老いぼれのドワーフめ。」

「飽きたのはこっちじゃ!この生意気な小人族共め!」

『【重傑】と【炎金の四戦士】、激突!』

 

そして、私は…同胞ヘディン…。

いや、フィン曰く【フレイヤ・ファミリア】の影の団長。

「…貴女が私の相手ですか。」

「そうだ。」

「…なるほど。私を完封ですか。」

「掛かってきても別にかまわないのだぞ?」

「ご冗談を。と言いたいところですが、今は胸を借りさせていただきます。」

「いいだろう、来い!」

『【九魔姫】と【白妖の魔杖】、激突!』

 

-------------------

 

『速報です!』

「「「!?」」」

もう、か。

【ヘスティア・ファミリア】あたりだろうな。

 

『【ロキ・ファミリア】の【勇者】【怒蛇】、脱落!』

「何だと!?フィンが!ティオネもだと!?」

「詰みですな。リヴェリア様(【勇者】が?早すぎる。あの愚兎の仕業か?)」

ありえない!あのフィンが…。

真っ先に落ちるとは。

 

『【カーリー・ファミリア】の【女神の分身】、脱落!』

「何だと!?続けざまにだと!」

「…ありえねえ。あちらにそんな戦力ねえぞ!」

同感だ。レベル6がこうも立て続けに落ちるとは。

【ヘスティア・ファミリア】にそんな戦力はないはずだ!

 

『【アストレア・ファミリア】の【狡鼠】、脱落!』

「な!何じゃと!ありえん!」

「間違いじゃないのか?」「あの女は死んだはずだ。」

「だが、事実だ。」「誤報じゃないか?」

馬鹿な…。ありえない!

彼女は5年前に死んだはずだ!

潜伏していたのか?いや、ありえない。

【疾風】…いや【薫風】が暴走しているのに出てこないはずがない。

何故、今になって…。

 

!いかんな。私がしっかりしなくては。

…不味いな。双方とも、かなり動揺している。

「静まれ!速報に耳を貸すな!目の前の敵に集中しろ!」

「「「!」」」

 

思い返してもありえない!

あのフィンが真っ先に脱落だと!?

それに一気にティオネと、アルガナ・カリフもだと。

だが…問題はその後だ。

 

何故!【アストレア・ファミリア】の【狡鼠】ライラがいるのだ!?

5年前に死んだはずだ!

ありえない!

 

「リヴェリア様。考え事とは余裕ですな。」

「…お前は先程の速報で、疑問持たなかったのか?」

「私達の役目は戦争遊戯に勝つことです。それ以外は興味ありません(リヴェリア様の考えている事もわかる。ありえない!)」

「…そうだな(レフィーヤの別働隊がうまくいってくれればいいが…)。」

 

--------------------------

 

『速報です!』

(来たか!)

『【ロキ・ファミリア】の【千の妖精】脱落!』

「な……。」

「なるほど、別働隊ですか(早くないか?【ヘスティア・ファミリア】の戦力を甘く見すぎたか…)。」

レフィーヤが…。

あのファミリアのやり方を真似たのが不味かったのか?

いや、すぐにはわからないはずだ!

それに彼ら…特に神ヘスティアは、この『旗争奪戦』は初見のはずだ!

 

『【ヘルメス・ファミリア】の【泥犬】、脱落!』

「ルルネさんも…。」

「【ロキ・ファミリア】も終わりだな、【剣姫】よ。」

「まだ!私たちがいる限り!」

ああ、そうだな!アイズの言う通りだ!

まだ、巻き返しはできる!

 

「糞がァァァl!フィンもバカ女共も、何やってんだァァァl!」

「てめえらの負けだ(早すぎる!何が起こってやがんだ!)。」

ベート!冷静にならないと目の前の敵でさえ、勝てないぞ!

…【女神の戦車】が相手じゃ、簡単に勝てないのはわかるが。

 

『速報です!【ロキ・ファミリア】の【大切断】、脱落!』

「何…じゃと?フィン、ティオネだけでなくティオナまでじゃと…。」

「終わったな。」「ざまぁ。」

「我らの勝ちだ。」「…【ヘスティア・ファミリア】がそこまで強いということなのか?」

「「「空気読めよ!アルフリッグ!」」」

 

くっ!作戦失敗か!

だが、こいつらだけでも倒さなければ!

 

…?何だあの土煙は…。

!?【ヘスティア・ファミリア】だと!

こんな短時間に…、何故ここが的確にわかるのだ!?

 

一体、【ヘスティア・ファミリア】に何が起こっているのだ!?




めっちゃ、ロキとフレイヤの部隊混乱していますね。
まあ、ここまで立て続けにレベル6が脱落していたらそうなりますね。
切り札のレフィーヤまでも…ね。

何故、ここまで迅速に向かえるのか?
何かあるかもしれませんね。

感想・評価をいただけますと、嬉しいです!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。