白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

175 / 439
ベルくんはまだバタンキューです。
他のメンバーは先にホームへ帰還しているところです。

しかし、ベルの様子を知ったらアルフィアさんはどう思うでしょうか…?


第174話 狐姫、決心。

日が暮れます…。

ベル様はご無事でしょうか…?

 

ガチャ……。

「あ!お帰りなさいませ、皆様方。」

「ああ…ただいま。」

「疲れたわ…。」

「これを毎日だって?キツいぜ、これは。」

「ふん、軟弱な小娘共が。……ベルはどこだ?セバス。」

「カサンドラ嬢と間もなく来られます。」

「そうか……。」

(((めっちゃガッカリしている……。)))

先程までうろうろとされていて、窓の外を見たり玄関のドアをじっと見つめていましたね。

ベル様を実の息子のように、非常に気にかけていることはわかります。

 

「そうだわ!アルフィアに質問があるわ!」

「何だ?下らんことなら魔法をぶつけるぞ。」

「ち、違うわよ!えーと、アルフィアのいた【ヘラ・ファミリア】って耐異常を上げるために毒飲んでたの?」

「…よく知っているな。いや、セバスから聞いたんだな。そうだ、毒妖蛆の毒を数倍に薄めて飲んでたな。あれはキツかった。」

「「「え?う、薄めて?」」」

「何だ?当たり前だろうが、そのまま飲んだら死ぬに決まっているだろう(そんなことができたのはザルドだけだったな)。」

「「「………。」」」

「何を言っているのだ…貴様らは?」

アミッドさんやカサンドラさんから聞いた話では、バーチェさんの毒をそのまま飲んでいたとの話ですが…。

バーチェさんの毒は毒妖蛆を遥かに超える毒と聞き及んでいます。

お義母様のファミリア…【ヘラ・ファミリア】も同様のことをされていたとのことでしたが、薄めていたのですね…。

じゃあ、ベル様は【ヘラ・ファミリア】より更に過酷な特訓をしているということに…?

 

ガチャ。

あ!戻られました!

…え?ベ、ベル様…?

「ただいま、戻りました!」

「あ…う…。」

「ベ、ベル!?何でそんなにボロボロに…どうしたのだ!この状態は!」

「す、すみません、アルフィアさん。セバスさん、メイさん、思ったよりひどいです!私の魔法ではもう効きません!アミッドさん、魔法をお願いします。」

「そこまでですか…。わかりました。」

【癒しの滴、光の涙、永久の聖域。薬奏をここに。三百と六十と五の調べ。癒しの暦は万物を救う。そして至れ、破邪となれ。傷の埋葬、病の操斂。呪いは彼方に、光の枢機へ。聖想の名をもって——私が癒す】

【ディア・フラーテル】

(…駄目ですね。一時的に回復できましたが解毒できてません!)

 

「う…あ。お、お義母さん、ただいま……。」

「ああ、おかえり。ベル。……セバス、貴様らは何をやったのだ!?」

『やばいわ!お義母様の怒りに触れたわ!』

『ホームが消し飛ぶかもしれませんねえ。』

『復活したばかりなのに、再び死ぬのは嫌だぜ。』

ひぃぃぃぃぃぃ!

怖いです!

 

「特訓ですが、何か?」

「特訓だと!?何をやったのだ!言え!いや…おい、小娘共。」

「「「はい!」」」

「こいつらに聞く前に…、特訓内容を全て言え。ベルのだ。」

「「「わかりました!」」」

お義母様を倒したのは【アストレア・ファミリア】の方々ですよね…?

従順になっています…。

いえ、あのお義母様の怒りを目にしたら仕方がありません。

 

----------------------------

 

「何だと…もうセバスたちの連携攻撃の段階まで行ったのか…。ついていけたのは、あの傲慢女とあの精強な男しかいなかったのに…。」

「…あれはもうレベル7上位と思います。」

すごいです!ベル様!

この短期間でレベル6を完全に超えてしまいました!

 

「だろうな。私が全盛期を取り戻したとしても、こいつらの連携についていけるか微妙だな。だが、ベルのこの様子はそれではない。他にもあるな?」

「ええ、そうです。それは…」

一体、何をしたのでしょうか…?

聞くのが怖いです…。

 

ガチャ。

あ、エイナ様と命ちゃんです!

「ただいまです。な、何の騒ぎですか!?」

「あ、エイナ様!ちょうどいいところに!あの魔法をベル様へ試して下さい!」

「え?リリさん…?ベ、ベルくん!?わかりました!試してみます!」

 

【開け、秘密の扉】

【鑑定】

 

「…生命力と精神力が非常に低くなっています!危険です!え?……毒?」

「な、何だと!?毒だと!?」

「…ベヒーモスの毒(弱)?」

ベヒーモス…?

 

「な……貴様ら!ベルに何をしたのだ!もはや許せん!」

「「「全員退避!」」」

ひぃぃぃぃぃぃっ!

 

【福…ガッ!

 

「「「え?」」」

え…?お義母様が魔法を唱えようとしたところに、セバスさんが踏み込みお義母様の喉を掴みました…。

速いです!

 

「お嬢様、落ち着いてくださいませ。」

「…!……!(セバス!放せ!)」

ジタバタ、ゲジゲジ!

「エイナさんの魔法がそこまで見抜けるとは予想外でした。思いの外使えますね。」

「あ……、はい。ありがとうございます(何で!そんなに冷静なんですか!傍にアルフィアさんがすごく怒っているというのに…)。」

「皆様方、お嬢様の魔法を封じるのは簡単でございます。詠唱を唱える前に、すぐに懐へ入り込み喉を押さえるだけです。」

『『『そんなのできるか!』』』

無理です無理です!

そんなのできません!

 

「アルフィアさん、貴女もわかっているはずです。黒竜を倒すにはこの程度では不可能だと。」

「…………!………!(ふざけるな!鉄くずにしてやる!)」

「メイ、無駄です。かなり激昂しておられます。」

『『『うわぁ…。あのアルフィアを子ども扱いに……。』』』

「7年前に坊ちゃまを捨てたくせに「……!(なっ…!)」何を今更……。坊ちゃまの生命力については知っていますね?それに賭けただけです。」

うわぁ…お義母様が非常に気にされていることを…。

セバス様と違い、メイ様はお義母様に容赦ありません…。

 

「…………!………!(それとこれと!何の関係があるのだ!)」

「だからこそ、ベヒーモスの毒ごときに屈されては困ります。むしろ乗り越えて克服するこそが、打倒黒竜への道です。貴女の言っていた『黒き終末』を確実に止めるためです。」

「………。」

「落ち着かれたようですね。」

「カハッ…ケホッ…。だからと言ってここまでするのか…?この子は冒険者になってまだ半年なのだぞ…?」

同感でございます…。

ベル様は私達と違い、半年前にオラリオへやってきて冒険者になったばかりです。

それが、何故第一級冒険者より過酷な特訓をしなければならないのですか!

 

「我々は坊ちゃまの願いを叶えようとしているだけです。」

「坊ちゃまのなりたい『英雄』への道を導いているだけです。黒竜を倒すのはそのついでにすぎません。」

「……ベル、許せ。黒竜さえ倒すことができなかった私たちが、お前に想像もできないくらいの重荷を背負わせてしまったことを。」

「……う、あ?…お、義母さん、僕は…『英雄』にな…りたい。「ああ。」だ…から、ザルド…さんを苦し…ませた毒を…倒したかった…だけ。「ベル…。」その程度…では…僕の、目指す…『英雄』に、なれ…ない。」

「すまない、ベル。本当にすまない…っ。」

ベル様……。

貴方はあの時…【イシュタル・ファミリア】から私を救った時からでも変わらないのですね…。

 

「けど…、お義母さん。ずっと…そばにいて…ほしい。もう…僕を、置いて…いかないで。」

「…!ああ、ずっといるとも!」

『アルフィアのあの表情、初めて見るわ…。』

『(ギリ…)神エレボスを天界から引きずり下ろして、めった刺しにして再び送還したいですねえ。』

『同感です。』

『はぁ…、フィンたちは何やってんだよ…。』

 

ベル様…。

ベル様、春姫は二度とベル様を1人にしたりはしません。

もしフレイヤ様の魅了に屈することあれば、春姫はもうベル様に顔向けできません。

 

お義母様の言うように、私は覚悟がまだ足りませんでした。

ベル様の助けになるのも当然ですが、ベル様を1人にしてはいけません!

出遅れても駄目、負けても駄目、死んでも駄目です!

春姫はもっと強くなりとうございます!




春姫が改めて決意を示しました。

セバスはアルフィアを教え、鍛えただけあってアルフィアの扱いには慣れています。
メイはアルフィアをセバスほど気にかけてはいません。
元敵対したファミリア幹部であり、ベルを一旦見捨てましたからね。
なので、グサグサと遠慮なく刺します。

感想・評価をいただけますと、嬉しいです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。