他のメンバーは先にホームへ帰還しているところです。
しかし、ベルの様子を知ったらアルフィアさんはどう思うでしょうか…?
日が暮れます…。
ベル様はご無事でしょうか…?
ガチャ……。
「あ!お帰りなさいませ、皆様方。」
「ああ…ただいま。」
「疲れたわ…。」
「これを毎日だって?キツいぜ、これは。」
「ふん、軟弱な小娘共が。……ベルはどこだ?セバス。」
「カサンドラ嬢と間もなく来られます。」
「そうか……。」
(((めっちゃガッカリしている……。)))
先程までうろうろとされていて、窓の外を見たり玄関のドアをじっと見つめていましたね。
ベル様を実の息子のように、非常に気にかけていることはわかります。
「そうだわ!アルフィアに質問があるわ!」
「何だ?下らんことなら魔法をぶつけるぞ。」
「ち、違うわよ!えーと、アルフィアのいた【ヘラ・ファミリア】って耐異常を上げるために毒飲んでたの?」
「…よく知っているな。いや、セバスから聞いたんだな。そうだ、毒妖蛆の毒を数倍に薄めて飲んでたな。あれはキツかった。」
「「「え?う、薄めて?」」」
「何だ?当たり前だろうが、そのまま飲んだら死ぬに決まっているだろう(そんなことができたのはザルドだけだったな)。」
「「「………。」」」
「何を言っているのだ…貴様らは?」
アミッドさんやカサンドラさんから聞いた話では、バーチェさんの毒をそのまま飲んでいたとの話ですが…。
バーチェさんの毒は毒妖蛆を遥かに超える毒と聞き及んでいます。
お義母様のファミリア…【ヘラ・ファミリア】も同様のことをされていたとのことでしたが、薄めていたのですね…。
じゃあ、ベル様は【ヘラ・ファミリア】より更に過酷な特訓をしているということに…?
ガチャ。
あ!戻られました!
…え?ベ、ベル様…?
「ただいま、戻りました!」
「あ…う…。」
「ベ、ベル!?何でそんなにボロボロに…どうしたのだ!この状態は!」
「す、すみません、アルフィアさん。セバスさん、メイさん、思ったよりひどいです!私の魔法ではもう効きません!アミッドさん、魔法をお願いします。」
「そこまでですか…。わかりました。」
【癒しの滴、光の涙、永久の聖域。薬奏をここに。三百と六十と五の調べ。癒しの暦は万物を救う。そして至れ、破邪となれ。傷の埋葬、病の操斂。呪いは彼方に、光の枢機へ。聖想の名をもって——私が癒す】
【ディア・フラーテル】
(…駄目ですね。一時的に回復できましたが解毒できてません!)
「う…あ。お、お義母さん、ただいま……。」
「ああ、おかえり。ベル。……セバス、貴様らは何をやったのだ!?」
『やばいわ!お義母様の怒りに触れたわ!』
『ホームが消し飛ぶかもしれませんねえ。』
『復活したばかりなのに、再び死ぬのは嫌だぜ。』
ひぃぃぃぃぃぃ!
怖いです!
「特訓ですが、何か?」
「特訓だと!?何をやったのだ!言え!いや…おい、小娘共。」
「「「はい!」」」
「こいつらに聞く前に…、特訓内容を全て言え。ベルのだ。」
「「「わかりました!」」」
お義母様を倒したのは【アストレア・ファミリア】の方々ですよね…?
従順になっています…。
いえ、あのお義母様の怒りを目にしたら仕方がありません。
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「何だと…もうセバスたちの連携攻撃の段階まで行ったのか…。ついていけたのは、あの傲慢女とあの精強な男しかいなかったのに…。」
「…あれはもうレベル7上位と思います。」
すごいです!ベル様!
この短期間でレベル6を完全に超えてしまいました!
「だろうな。私が全盛期を取り戻したとしても、こいつらの連携についていけるか微妙だな。だが、ベルのこの様子はそれではない。他にもあるな?」
「ええ、そうです。それは…」
一体、何をしたのでしょうか…?
聞くのが怖いです…。
ガチャ。
あ、エイナ様と命ちゃんです!
「ただいまです。な、何の騒ぎですか!?」
「あ、エイナ様!ちょうどいいところに!あの魔法をベル様へ試して下さい!」
「え?リリさん…?ベ、ベルくん!?わかりました!試してみます!」
【開け、秘密の扉】
【鑑定】
「…生命力と精神力が非常に低くなっています!危険です!え?……毒?」
「な、何だと!?毒だと!?」
「…ベヒーモスの毒(弱)?」
ベヒーモス…?
「な……貴様ら!ベルに何をしたのだ!もはや許せん!」
「「「全員退避!」」」
ひぃぃぃぃぃぃっ!
【福…ガッ!
「「「え?」」」
え…?お義母様が魔法を唱えようとしたところに、セバスさんが踏み込みお義母様の喉を掴みました…。
速いです!
「お嬢様、落ち着いてくださいませ。」
「…!……!(セバス!放せ!)」
ジタバタ、ゲジゲジ!
「エイナさんの魔法がそこまで見抜けるとは予想外でした。思いの外使えますね。」
「あ……、はい。ありがとうございます(何で!そんなに冷静なんですか!傍にアルフィアさんがすごく怒っているというのに…)。」
「皆様方、お嬢様の魔法を封じるのは簡単でございます。詠唱を唱える前に、すぐに懐へ入り込み喉を押さえるだけです。」
『『『そんなのできるか!』』』
無理です無理です!
そんなのできません!
「アルフィアさん、貴女もわかっているはずです。黒竜を倒すにはこの程度では不可能だと。」
「…………!………!(ふざけるな!鉄くずにしてやる!)」
「メイ、無駄です。かなり激昂しておられます。」
『『『うわぁ…。あのアルフィアを子ども扱いに……。』』』
「7年前に坊ちゃまを捨てたくせに「……!(なっ…!)」何を今更……。坊ちゃまの生命力については知っていますね?それに賭けただけです。」
うわぁ…お義母様が非常に気にされていることを…。
セバス様と違い、メイ様はお義母様に容赦ありません…。
「…………!………!(それとこれと!何の関係があるのだ!)」
「だからこそ、ベヒーモスの毒ごときに屈されては困ります。むしろ乗り越えて克服するこそが、打倒黒竜への道です。貴女の言っていた『黒き終末』を確実に止めるためです。」
「………。」
「落ち着かれたようですね。」
「カハッ…ケホッ…。だからと言ってここまでするのか…?この子は冒険者になってまだ半年なのだぞ…?」
同感でございます…。
ベル様は私達と違い、半年前にオラリオへやってきて冒険者になったばかりです。
それが、何故第一級冒険者より過酷な特訓をしなければならないのですか!
「我々は坊ちゃまの願いを叶えようとしているだけです。」
「坊ちゃまのなりたい『英雄』への道を導いているだけです。黒竜を倒すのはそのついでにすぎません。」
「……ベル、許せ。黒竜さえ倒すことができなかった私たちが、お前に想像もできないくらいの重荷を背負わせてしまったことを。」
「……う、あ?…お、義母さん、僕は…『英雄』にな…りたい。「ああ。」だ…から、ザルド…さんを苦し…ませた毒を…倒したかった…だけ。「ベル…。」その程度…では…僕の、目指す…『英雄』に、なれ…ない。」
「すまない、ベル。本当にすまない…っ。」
ベル様……。
貴方はあの時…【イシュタル・ファミリア】から私を救った時からでも変わらないのですね…。
「けど…、お義母さん。ずっと…そばにいて…ほしい。もう…僕を、置いて…いかないで。」
「…!ああ、ずっといるとも!」
『アルフィアのあの表情、初めて見るわ…。』
『(ギリ…)神エレボスを天界から引きずり下ろして、めった刺しにして再び送還したいですねえ。』
『同感です。』
『はぁ…、フィンたちは何やってんだよ…。』
ベル様…。
ベル様、春姫は二度とベル様を1人にしたりはしません。
もしフレイヤ様の魅了に屈することあれば、春姫はもうベル様に顔向けできません。
お義母様の言うように、私は覚悟がまだ足りませんでした。
ベル様の助けになるのも当然ですが、ベル様を1人にしてはいけません!
出遅れても駄目、負けても駄目、死んでも駄目です!
春姫はもっと強くなりとうございます!
春姫が改めて決意を示しました。
セバスはアルフィアを教え、鍛えただけあってアルフィアの扱いには慣れています。
メイはアルフィアをセバスほど気にかけてはいません。
元敵対したファミリア幹部であり、ベルを一旦見捨てましたからね。
なので、グサグサと遠慮なく刺します。
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