白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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久々のアルフィアさん回です!

ベルの様子を見て、項垂れた後のアルフィアさんですがすぐに持ち直しました。
さすが、未知をすぐに既知へ変えましたね!


第175話 静寂、後悔。

仕方がない…。

こいつらはベルに対して絶対の忠誠を誓っている。

ベルが望むよう強くさせているのは間違ってないが…。

念のため、確認してやる。

「……わかった。確認するが、お前たちがベルを真の主と認めている。そうだな?」

「もちろんでございます。」

「当たり前でしょう。」

「ベルを死なせることはないと思うが…、もし死なせたら私が貴様らをこの命に代えても鉄くずにしてやる。覚えとけ。」

「ご心配なく、真の主と認めた以上坊ちゃまに尽くすだけです。」

「坊ちゃまの存在そのものが我々の生きがいです。坊ちゃまが死なれるようなことあれば、オラリオ全てを含めて自爆しましょう。」

「「「え?じ、自爆?オラリオを?」」」

「……それはいらん。」

やはりこいつらは解放すべきではなかったな。

エレボスの誘いに乗るべきではなく、ザルドの意見に従うべきだった。

 

---------------------------------

 

「さて、坊ちゃま。こちらをお飲みくださいませ。いつもの数十倍は濃くしております。」

「あ…?う……ん、わかっ…た。」

!?

 

「そ、それは!?メ、メイ!貴様、なんてものをベルに渡しているのだ!?」

「?特製ドリンクですが何か?」

あのドリンクは…あいつら【ゼウス・ファミリア】がそれを見て非常に怖がっていた。

私達【ヘラ・ファミリア】は飲んだことないが…、気になっていた。

 

7年前にザルドへあのドリンクのことを聞くと、真っ青な表情をしていた。

「聞くな、あれは危険なものだ。思い出したくもねえ。」

顔をしかめて項垂れてつぶやいていたな…。

 

「んしょ…と。ゴクゴクゴク……。」

「何かではない!あ…、そ、そんなに一気飲みするな!」

せめて、少し…少しずつ飲め!

メイを信用しすぎだ!

 

…いや、仕方がない。

魔導人形だが、物心のついたベルにとって狒々爺の次に会った家族だからやむを得まい。

 

「ぷはぁ…ん~効くね!これ。メイ、いつもありがとうね!」

「いえいえ。…エイナさん、どうです?」

…?おかしいな。何ともないようだな?

むしろ、先程より元気になっているな。

 

「は、はい!えーと…はい!ベヒーモスの毒(弱)が消えています!」

何だと!?あのドリンクにそんな効能があったのか!?

いや、それ以前にこの女はそれさえ調べられるのか…?

じゃあ、私の今の状態もわかるということか。

 

「それはよかったです。ひとまずは成功ですね。」

「…あのドリンクが効いたのか?じゃあ、何故奴らはあんなに怯えていたのだ?」

「お嬢様、それは坊ちゃまを見たらわかります。」

…?どういう意味だ?

「おい、ベル。大丈夫か?」

 

「……んあ?おかあしゃん?どうちたの?」

「ガハァッ!」

何…だと。

 

「ア、アルフィア!?」

「死の病が再発したのか!?」

「いえ…アルフィアさんに死の病(やや弱)とありますので、それではないと思います。恐らく…」

(やや弱ですか。半分はお嬢様と同じ血ですから馴染むのが早いでしょうね。となると、明日あたりに完治しますでしょうな。)

 

「あうー?おかあしゃん?うう…ひっく…。」

む、いかん!

ベルが泣きそうだ!

 

「だ、大丈夫だ。ベル。」

全然大丈夫じゃないがな。

かなり効いたぞ…。

 

「わーい、おかあしゃん!」

「…なるほどな。奴らが怯え、飲みたがらない理由がようやくわかった。」

「おわかりになられましたか。」

「やつらー?」

「ああ何でもないんだ、ベル。よしよし。」

「えへへへー。」

……何故、私はこの子のところへ行かなかったのだ…。

非常に悔やむ。

いや、メーテリアがこの子をゼウスに預ける時に止めるべきだったのだ!

 

「……エレボスの誘いより前に、ゼウスと争ってこの子を引き取るべきだったな。」

「今更でございますな。」

五月蝿いぞ、セバス。

 

「え、えーと?ベル?」

「んー?どうちたの?ありーねしゃん?」

「グハァッ!」

「だ、団長!?」

「あれー?かぎゅやしゃん?」

「うぐぅっ!」

「…そうなるだろうな。はぁ…赤子の時からこの子の面倒を見るべきだった。」

しかし、この状態のベルは無敵じゃないか?

【ヘラ・ファミリア】が健在だったら、団長を含めて皆がベルを甘やかすだろうな。

うむ、間違いない。

 

あ…いや、あのヘラがそれを許すわけがない。

メーテリアからベルを取り上げて、自分の神室で目一杯愛でるのは間違いない。

当然そんなことはさせんがな、団長含む皆がそれを許さないだろう。

特にメーテリアが。

そして、あの狒々爺も口出ししてくるだろうな。

 

……ベルを巡って、オラリオ全体が戦争になっていたかもしれん。

 

「うわぁ…あんな顔であの口調で言われたら、そりゃダメージ受けるわ。」

「私の時もそうでした…(るーしゃんと言われた時、自制しなかったらかなりやばかった。攫って自室へこもって愛でたいと思ったくらいです)。」

「では、皆様。いつものどおり坊ちゃまをお風呂に入れてください。」

「「「はい!」」」

は?

 

「何だと?この状態のベルを風呂にだと?何故、女性の貴様らが?」

「ううー…。ねむいー…。」

「坊ちゃまが完全な眠りに落ちるまでに、キレイにしなければなりません。アルフィアさんが嫌なら彼女たちがやってくれます。」

…更にスキル強化を図るためか。

だからって、そこまでするのか…。

 

それにこいつら、妙に手慣れて…ああ、なるほど。

私が来るまでそうしていたということか。

仕方がない……。

 

「嫌とは言ってない。賑やかなのは好きではないが…、わかった。私も入ろう。」

「はい、皆さん。アルフィアさんと一緒に大浴場へ案内して下さい。」

「では、こちらでございます。」

「うむ。ベル、行こう。さあ、おいで。」

「あい、おかーしゃん!」

 

……やはり何度も思う。

私はこの子のところへ行くべきだった!




メイの特製ドリンクによって、ベルは幼児退行しました。
さすがのアルフィアさんでも大ダメージを受けました。
(女性限定ですが)

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