白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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初の椿回、そして続けてヘファイストス様回です!

死んだはずの彼女たちにあって唖然としています。
そりゃそうですね!


第180話 単眼師、我儘 /鍛冶神、我儘。

む、ヘスティア様か。

「ヘファイストス!この夜中にどうしたんだい?」

「ねえ…ヘスティア。いえ、その前に、うちの椿が【白兎の脚】と【疾風】が討ち取ったモンスターのドロップアイテムを掠め取ったことについて謝罪します。」

そうじゃった。

こいつらのせいで、すっかり忘れておったわ。

「申し訳ございませんでした。神ヘスティア。」

 

「ふぇ?あー、そのことかぁ。うん、謝罪は受け取ったよ。」

「あら!椿、駄目じゃない!」

「戦闘狂だけでなく泥棒もやるようになったのですか?同郷の者としてなんと嘆かわしいことを…。」

「掠め取るなんてなあ…。どんなものを盗ったんだよ?」

こやつらのこの憎まれ口は…間違いないようじゃな。

だが、やはり夢だと信じたい。

こやつらは5年前に死んだはずなのだからな。

ほっぺをつねってもう一度確認しようか。

 

「……やはり夢じゃな。…いてて!夢ではない…。どうなっておるのだ?」

「……椿がごめんなさい、ヘスティア。その代わり椿がそちらの要望の通り武器をうってくれるわ。」

「あら!それなら丁度よかったわね!」

「なら遠慮なくお願いいたしましょうか。」

「あたしの分も頼むぜえ。」

この厚かましさは、間違いないようじゃな。

本当に5年前から来て生き返ったのじゃな。

くそっ!不意打ちはあんまりじゃぞ。

 

「……その前に、彼女たちのことを説明してくれるかしら?………一言言ってもいいかしら?こんなの絶対にありえないわよ!」

「では、説明いたします。」

誰じゃ!こんなのあり得ないのを引き起こした規格外は……あ。

いたわ…。

 

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やはり【白兎の脚】…いやベル・クラネルか。

ヴェル吉が羨ましいのう。

奴と直接契約を結んだからな。

こんなことを仕出かすとは思わんかったわ!

 

「……ヘスティア。」

「なんだい?ヘファイストス。」

「ベル・クラネルがヒューマンに扮した神ということは……、ないよね?」

「当たり前じゃないか!…と言いたいけど、ここんとこボクも自信がないよ…。」

そう言われても信じるな。

手前でも未だにこやつらを目の前にしても、信じられん…。

 

「時を遡って連れてくるなんて…私達でも神力を全開まで使ってもできないわよ!大神クロノスでもできるかわからないくらいよ!」

「……本物じゃな?」

「もちろんでございますよ。」

「この大戯け共が…勝手に死によって…。」

「それで、武器を打ってくれるかしら?」

ああ、打ってやるとも!

ただし!これは主神様でも譲れん。

手前の…我儘だ!

 

「…もちろんじゃ。ただし条件が2つある。」

「椿?何を…。」

「1つ、先程のお詫びではない。お主らの復活祝いじゃ!」

「おおー!太っ腹だぜ!」

「2つ、そこのセシルに相槌させろ。お主らの末妹じゃろ?」

「そうですね。セシル、お願いしていいですか?」

「は、はい!こ、光栄です!」

そやつに相槌させれば、こやつらも気合入るじゃろうな。

ヴェル吉の弟子とやらになったなら、多少は技術あるじゃろう。

ついでにヴェル吉も鍛えさせてやる!

 

「主神様よ。この2つは譲れん。」

「はぁ……、椿。わかったわ。まあ、あり得ないことを目にしたら仕方がないわ…。」

『彼女たちだけじゃないんだけど、まだいるんだよね…。』

よし…っ!

くっ…右目よ、耐えろ!

まだだ!まだ、溢れるには早すぎる!

鍛冶を打ちながら汗と共に流さねばならん!

 

「よし!なら善は急げじゃ。おい、ヴェル吉。鍛冶場へ行くぞ!」

「な、何で俺が…。」

「ほう、手前らがお主の鍛冶場を好き勝手にしてもいいのじゃな?」

「くそっ!………ベルの防具も新調しないとな。いいぜ。」

「セシル!今日から戦争遊戯まで、鍛冶場へこもるぞ。覚悟せい!」

「は、はい!」

最高の武器を打ってやる!

奴らの復活祝いだけではない!

ベル・クラネルへの礼も含めてだ!

 

……ガレスよ。この戦争遊戯はお主らの負けだ。

ベル・クラネルという規格外を敵にした時点でな!

手前は、こやつらに付く!悪く思うな。

 

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「はぁ…。椿ったら我慢しなくてもいいのに(あの子、泣く寸前だったわ…)。」

「あのー、ヘファイストス…。」

「ああ、ヘスティア。椿がごめんなさいね。はぁ、彼女たちを5年前から連れてきた上に復活させるなんてね…。天界にいる神々は知っているのかしら…?」

「えーと…。」

「?ヘスティア、どうしたの?」

「そのー…、彼女たちだけじゃないんだ…。」

「……他に誰を連れてきたのかしら?すごく嫌な予感がするわ…。」

【ガネーシャ・ファミリア】の【象神の歌】アーディ・ヴァルマを連れてきたこと、そして、7年前の大抗争で【ヘラ・ファミリア】の【静寂】アルフィアを連れてきた上、彼女がベル・クラネルの血の繋がった肉親であり、伯母であることを知った。

 

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呆れたわ…。

ベル・クラネルが故意ではないことはわかっている。

「…………椿のセリフじゃないけど、夢ではないよね?」

「残念だけど、現実だよ………。」

【静寂】を連れてくるのはやりすぎじゃない?

【静寂】と【暴食】がああいうことを何故したかはわかっているわ。

けど、その被害は大きかった。

 

「アストレア…、【静寂】のやってきたことはわかっているはずよね?たとえ、ベル・クラネルの伯母でもその罪は重いわよ。」

「わかっているわ。でもそのままでは、ベルは苦しみ続けるわ。私はそれを放っておけない。どうする?ヘファイストス。貴女はそれをベルに糾弾し、ベルの前でアルフィアを裁く?」

正義を司る貴女がそれを言うの?

いや、貴女だからこそそれを言うのね…。

 

でもね、アストレア。

「私をバカにしないでくれる?私はベル・クラネルがレベル1のときから見ている。彼の人柄はよく知っているわ。…【静寂】のやったことは確かに許されることではないけど、ベル・クラネルの側に居続けるなら、私は何も言わないわ。特に、ヘスティアの裁きの後にはね。」

アストレアの言う通り、何故7年前にベル・クラネルのところへ行かなかったの!?

けど、ヘスティアの裁きを受けた彼女を責められないわ。

彼女は彼女なりの理由があったのだから。

 

「…ごめんよ。ヘファイストス。」

「……謝らないでよ。はぁ、ベル・クラネルはそうなのね。あの子が下界の、救界の"要"なのね。」

「ええ、私達はそう確信している。……皮肉なことにね。」

ここ半年の彼の活躍を見ればね。

ヘルメスはもっと前から彼に注目してたようだけど、そういうことだったのね。

なら、私も腹を決めましょう。

椿がああいう我儘を通すなら、私も我儘を言わせてもらうわ。

 

「なら、【ヘファイストス・ファミリア】は【アストレア・ファミリア】と同じく、【ヘスティア・ファミリア】の傘下に入ります。……いいわね?ヘスティア。」

「へ、ヘファイストス!いいのかい?」

「私も毒されてしまったわ。貴女たちだけでなくベル・クラネルからもね。はぁ……時を越えるなんて冗談じゃないわよ…。」

「そうだよね…。下界の子供たちの力を改めて知ったよ…。」

(ゼウスはそれを知って、わざと育児放棄したのかしら?だとしても、許さないわ…。)

 

『ヘスティア…。アストレアが何か怖いんだけど?』

『ん?あー…多分。ゼウスに対して許さないと思ってんだろうなあ。』

『確かに、ゼウスのやったことは許されないわね…。ああヘスティア、女神連合は知っている?』

『んあ?あー、今日会ってきたよ。』

『そう、もう準備はできているということね。後は…ギルドね。』

『あー、それね…。』

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ロイマン…自業自得ね。

彼等の逆鱗に触れるなんて、愚かなことをしたわね。

まあ、マシになるなら問題ないわ。

 

……でも、やりすぎじゃない?

『はぁ……ベル・クラネルも規格外だけど、彼等も規格外ね。いい主従関係ね、ヘスティア。』

『嫌味かい…?ヘファイストス。』

『誉めてるのよ。ロキとフレイヤが哀れに思ってきたわ…。』

『ボクのことも気遣ってくれないかな!?』

知らないわよ。

ベル・クラネルを眷属にしたのは貴女でしょうに。

 

女神連合…ギルド…ファンクラブを掌中に収めているなんて。

とんでもない魔導人形たちを作ったわね、彼等は。

 

さて、椿はどんな武器を打つでしょうね。

あの様子じゃ、かなり気合の入った武器になりそうね。




これで、彼女たちの武器は確保できそうです。
そして、【ヘファイストス・ファミリア】も傘下に入りました。

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