白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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フリュネさんが正体を明かした直後の、アイズさん回です!
ルゥさんと戦闘中で、フリュネさんの名前を聞いて唖然としているところです。


第193話 剣姫、動揺。

 

え…?あの人が、【イシュタル・ファミリア】のフリュネ・ジャミール?

嘘……。

『速報です!【……‥・ファミリア】の【爛花】、脱落!』

 

「隙ありです!【剣姫】!」

!しまった!

仕方がない!

 

【目覚めよ】

【エアリエル】

 

ゴォォォォ!

「くっ!あの時の風ですか!」

「貴女は強い…けど、もうこれで終わり。」

「なら、私も奥の手を出しましょう。」

え?…奥の手?

 

『速報です!【フレイヤ・ファミリア】の【炎金の四戦士】グレール脱落!』

な!?

『【フレイヤ・ファミリア】の【炎金の四戦士】アルフリッグ脱落!』

そんな!こんなに早く!?

 

【今は遠き森の空。無窮の夜天に鏤む無限の星々。愚かな我が声に応じ、今一度星火の加護を。】

 

長文詠唱!?

いけない!止めないと…。

ダメ!速くなって止められない!

『【フレイヤ・ファミリア】の【炎金の四戦士】ドヴァリン、ベーリング、脱落!』

 

【汝を見捨てし者に光の慈悲を。来れ、さすらう風、流浪の旅人。】

 

それに…歌や毒、そしてフリュネ・ジャミール、立て続けの速報で集中できない!

ステータスがかなり低下している…!

『速報です!【フレイヤ・ファミリア】の【白妖の魔杖】、脱落!』

うるさい!

 

【空を渡り荒野を駆け、何物よりも疾く走れ——星屑の光を宿し敵を討て】

【ルミノス・ウィンド】!

 

「ぐっ!」

 

【目覚めよ】

【エアリエル】

ゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォ!

 

「はぁ…はぁ…防げた…。!?あの人はどこに!?あ…。」

空中にいくつかの風の球が……。

その上にあの人が乗っている。

 

「【剣姫】…この魔法で貴女を倒すことはできない。それはわかってました。風なら貴女の方が有利。ですが、私が欲しかったのはこの状態です。」

何をする気…?

 

ゴッ!ドガッ!ドゴッ!

!?

 

「ぐがあああああっ!ちょこまかと動きやがって!こいつは、絶対にヒキガエルじゃねええええ!ガハァッ!ゲホッ!グハッ!」

え…?何、あれ…。

フリュネ・ジャミールの戦闘スタイルじゃない!

ベートさんが…蹂躙されている。

 

ヒュッ!

!?

「ぐっ!」

「余所見とは余裕ですね。ですが、それがいつまで保ちますか?」

何…風の球の間を飛び交って…。

飛び交う程…速く…鋭くなっている!

止めないと…ダメ!

レベル6の速さを…超えている!

 

「そろそろ、脱落させてもらいます。」

ヒュッ!シュバッ!ヒュッ!

 

ぐっ!空中の風の球の間を飛び交って…。

あ……私を中心に複数の球が囲んでいる…。

しまった!

 

「これで貴女は籠の中の鳥です。ご覚悟を。」

シュバッ!シュバッ!シュバッ!シュバッ!

「うあああああああっ!」

強い…。何でそこまで強くなったの…。

ベル…のおかげなの…?

……認めない!

 

【エアリエル】!

 

「ぐっ…風の守りですか。ですが、それも食い破ります。」

ガリッ!ガリッ!ガリリリッ!

 

ダメ…時間の問題。

もっと早くエアリエルを発動するべきだった!

 

『速報です!【ロキ・ファミリア】の【凶狼】脱落!』

な…ベートさんまでも。

残るのは…リヴェリアとガレスだけ!?

あれだけいた【フレイヤ・ファミリア】も【女神の戦車】だけ!?

そんな……あり得ない!

 

ガレスは…【絶†影】重力の檻で、死んだはずの【紅正の花】と【大和竜胆】と戦っている…。

リヴェリアは…何で棒立ちに…?あ…【不冷】の魔法…。

くっ…!

無理…助けられない!

 

「…貴女には失望しました。ベルへの想いがその程度だったとは。」

!?

「それでは、彼の横に並ぶことができない。彼は…もっと先を見据えている。」

な…。

シュバッ!

「【剣姫】…。貴女はまだ復讐に囚われているのですか?」

何で…わかるの!?

シュバッ!シュバッ!シュバッ!シュバッ!

ぐっ!

「7年前…ここ18階層で、神エレボスによって召喚された【神獣の触手】を縫い止めた貴女の目の意味…その2年後にわかりました。」

「な…。」

「5年前…私はここダンジョンの下層で…私以外の仲間を失った。そして…復讐の炎に堕ちた。その時の私の目は7年前の貴女の目…いえ今の貴女の目に瓜二つだった。」

「!?」

「復讐を捨てろとは言いません。私もかつて復讐に堕ちたのだから。」

 

シュバッ!シュバッ!シュバッ!シュバッ!

ああああっ!

「貴女は何のために復讐をするのかは聞きません。ですが…復讐を果たした後に、貴女の求めていた方は戻ってくるのですか?」

「…戻ってくるはず!」

「では…、その血塗られた手でその方を抱きしめられるのですか?その方はそれを喜びますか?」

「な!?あ、あ、あ……。」

「………これで終わりです!」

 

『速報です!【ロキ・ファミリア】の【超凡夫】、【貴猫】、【……】、【……】脱落!』

『【ロキ・ファミリア】旗、焼失!【ロキ・ファミリア】敗北!』

 

ピタッ。

彼女の剣が私の喉前で止められた…。

負けた…。

レベル6の私が…レベル5に…。

 

「……貴女の負けです。【剣姫】。」

「……。」

「先程の問い、よく考えたほうがいい。私は…その問いに答えるのに5年かかったのだから。」

「…どうやって…克服したのですか…?」

「全て打ち明けなさい、ベルに。」

「……な…。で、できない…。」

「彼が拒絶するからですか?貴女の知っている彼はそのような人物ですか?」

「!?ち、違う…。」

「時間はまだあります…。私が言えるのはそれだけです。」

 

『アイズ・ヴァレンシュタイン様に告げて下さい。ベル様を応援しにいくか、その場で座り込むかを。』

『わかりました。』

 

「【剣姫】…私たちは【フレイヤ・ファミリア】の旗を目指します。貴女たち…【ロキ・ファミリア】は負けたのです。ここに座り込むか…彼の勇姿を見に行くかを選びなさい。」

「……行く。ベルのとこへ行く。」

「なら、そうしなさい。彼の戦いは…貴女に何かを教えてくれるかもしれません。では。」

そういって【薫風】は、他の者と共に【フレイヤ・ファミリア】の旗へ向かった…。

 

「ベル……。私は…どうしたらいいの?」

行こう…、ベルと【猛者】が戦っている場所へ…。

 

■■■■■■■■■■■

タタタタタッ!

「随分とキツいことを言ったものだな…。」

「………。」

「悪いことをしたと思っているかもしれないけど、あれでいいのよ!リオン!」

「………。」

「私が言えることではありませんが、あれでいいのです。あれで立ち上がれなければ、ベル様の横に並び立てることはできないでしょう。」

「そ、そうね(未だに慣れないわ…あの【男殺し】とわかっていても…全部変わっちゃっているもの!)」

「だが、あの娘に真正面から言えるのは、お前だけだ。…私達が生き返ったのも何だがな。」

「……ベルは【剣姫】を救えるのでしょうか?」

「リオン!ダメよ!貴女の愛する人を信じなさい!」

「なっ!……そ、そうですね。」

「はぁ…早く慣れろ。このポンコツエルフが。」

「か、輝夜!私はポンコツエルフではない!」

 




ルゥさん、7年前と数ヶ月前の雪辱を果たしました!

メイさんから教えてもらった、ジャガーノート戦の戦法をアイズへぶつけました。
風の籠でアイズを蹂躙しました!
エアリエルでも、360度からガリガリと削られてはさすがに無理ですからね。

復讐者は復讐者しかわかりません…。
その先にあるものも。

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