ルゥさんと戦闘中で、フリュネさんの名前を聞いて唖然としているところです。
え…?あの人が、【イシュタル・ファミリア】のフリュネ・ジャミール?
嘘……。
『速報です!【……‥・ファミリア】の【爛花】、脱落!』
「隙ありです!【剣姫】!」
!しまった!
仕方がない!
【目覚めよ】
【エアリエル】
ゴォォォォ!
「くっ!あの時の風ですか!」
「貴女は強い…けど、もうこれで終わり。」
「なら、私も奥の手を出しましょう。」
え?…奥の手?
『速報です!【フレイヤ・ファミリア】の【炎金の四戦士】グレール脱落!』
な!?
『【フレイヤ・ファミリア】の【炎金の四戦士】アルフリッグ脱落!』
そんな!こんなに早く!?
【今は遠き森の空。無窮の夜天に鏤む無限の星々。愚かな我が声に応じ、今一度星火の加護を。】
長文詠唱!?
いけない!止めないと…。
ダメ!速くなって止められない!
『【フレイヤ・ファミリア】の【炎金の四戦士】ドヴァリン、ベーリング、脱落!』
【汝を見捨てし者に光の慈悲を。来れ、さすらう風、流浪の旅人。】
それに…歌や毒、そしてフリュネ・ジャミール、立て続けの速報で集中できない!
ステータスがかなり低下している…!
『速報です!【フレイヤ・ファミリア】の【白妖の魔杖】、脱落!』
うるさい!
【空を渡り荒野を駆け、何物よりも疾く走れ——星屑の光を宿し敵を討て】
【ルミノス・ウィンド】!
「ぐっ!」
【目覚めよ】
【エアリエル】
ゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォ!
「はぁ…はぁ…防げた…。!?あの人はどこに!?あ…。」
空中にいくつかの風の球が……。
その上にあの人が乗っている。
「【剣姫】…この魔法で貴女を倒すことはできない。それはわかってました。風なら貴女の方が有利。ですが、私が欲しかったのはこの状態です。」
何をする気…?
ゴッ!ドガッ!ドゴッ!
!?
「ぐがあああああっ!ちょこまかと動きやがって!こいつは、絶対にヒキガエルじゃねええええ!ガハァッ!ゲホッ!グハッ!」
え…?何、あれ…。
フリュネ・ジャミールの戦闘スタイルじゃない!
ベートさんが…蹂躙されている。
ヒュッ!
!?
「ぐっ!」
「余所見とは余裕ですね。ですが、それがいつまで保ちますか?」
何…風の球の間を飛び交って…。
飛び交う程…速く…鋭くなっている!
止めないと…ダメ!
レベル6の速さを…超えている!
「そろそろ、脱落させてもらいます。」
ヒュッ!シュバッ!ヒュッ!
ぐっ!空中の風の球の間を飛び交って…。
あ……私を中心に複数の球が囲んでいる…。
しまった!
「これで貴女は籠の中の鳥です。ご覚悟を。」
シュバッ!シュバッ!シュバッ!シュバッ!
「うあああああああっ!」
強い…。何でそこまで強くなったの…。
ベル…のおかげなの…?
……認めない!
【エアリエル】!
「ぐっ…風の守りですか。ですが、それも食い破ります。」
ガリッ!ガリッ!ガリリリッ!
ダメ…時間の問題。
もっと早くエアリエルを発動するべきだった!
『速報です!【ロキ・ファミリア】の【凶狼】脱落!』
な…ベートさんまでも。
残るのは…リヴェリアとガレスだけ!?
あれだけいた【フレイヤ・ファミリア】も【女神の戦車】だけ!?
そんな……あり得ない!
ガレスは…【絶†影】重力の檻で、死んだはずの【紅正の花】と【大和竜胆】と戦っている…。
リヴェリアは…何で棒立ちに…?あ…【不冷】の魔法…。
くっ…!
無理…助けられない!
「…貴女には失望しました。ベルへの想いがその程度だったとは。」
!?
「それでは、彼の横に並ぶことができない。彼は…もっと先を見据えている。」
な…。
シュバッ!
「【剣姫】…。貴女はまだ復讐に囚われているのですか?」
何で…わかるの!?
シュバッ!シュバッ!シュバッ!シュバッ!
ぐっ!
「7年前…ここ18階層で、神エレボスによって召喚された【神獣の触手】を縫い止めた貴女の目の意味…その2年後にわかりました。」
「な…。」
「5年前…私はここダンジョンの下層で…私以外の仲間を失った。そして…復讐の炎に堕ちた。その時の私の目は7年前の貴女の目…いえ今の貴女の目に瓜二つだった。」
「!?」
「復讐を捨てろとは言いません。私もかつて復讐に堕ちたのだから。」
シュバッ!シュバッ!シュバッ!シュバッ!
ああああっ!
「貴女は何のために復讐をするのかは聞きません。ですが…復讐を果たした後に、貴女の求めていた方は戻ってくるのですか?」
「…戻ってくるはず!」
「では…、その血塗られた手でその方を抱きしめられるのですか?その方はそれを喜びますか?」
「な!?あ、あ、あ……。」
「………これで終わりです!」
『速報です!【ロキ・ファミリア】の【超凡夫】、【貴猫】、【……】、【……】脱落!』
『【ロキ・ファミリア】旗、焼失!【ロキ・ファミリア】敗北!』
ピタッ。
彼女の剣が私の喉前で止められた…。
負けた…。
レベル6の私が…レベル5に…。
「……貴女の負けです。【剣姫】。」
「……。」
「先程の問い、よく考えたほうがいい。私は…その問いに答えるのに5年かかったのだから。」
「…どうやって…克服したのですか…?」
「全て打ち明けなさい、ベルに。」
「……な…。で、できない…。」
「彼が拒絶するからですか?貴女の知っている彼はそのような人物ですか?」
「!?ち、違う…。」
「時間はまだあります…。私が言えるのはそれだけです。」
『アイズ・ヴァレンシュタイン様に告げて下さい。ベル様を応援しにいくか、その場で座り込むかを。』
『わかりました。』
「【剣姫】…私たちは【フレイヤ・ファミリア】の旗を目指します。貴女たち…【ロキ・ファミリア】は負けたのです。ここに座り込むか…彼の勇姿を見に行くかを選びなさい。」
「……行く。ベルのとこへ行く。」
「なら、そうしなさい。彼の戦いは…貴女に何かを教えてくれるかもしれません。では。」
そういって【薫風】は、他の者と共に【フレイヤ・ファミリア】の旗へ向かった…。
「ベル……。私は…どうしたらいいの?」
行こう…、ベルと【猛者】が戦っている場所へ…。
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タタタタタッ!
「随分とキツいことを言ったものだな…。」
「………。」
「悪いことをしたと思っているかもしれないけど、あれでいいのよ!リオン!」
「………。」
「私が言えることではありませんが、あれでいいのです。あれで立ち上がれなければ、ベル様の横に並び立てることはできないでしょう。」
「そ、そうね(未だに慣れないわ…あの【男殺し】とわかっていても…全部変わっちゃっているもの!)」
「だが、あの娘に真正面から言えるのは、お前だけだ。…私達が生き返ったのも何だがな。」
「……ベルは【剣姫】を救えるのでしょうか?」
「リオン!ダメよ!貴女の愛する人を信じなさい!」
「なっ!……そ、そうですね。」
「はぁ…早く慣れろ。このポンコツエルフが。」
「か、輝夜!私はポンコツエルフではない!」
ルゥさん、7年前と数ヶ月前の雪辱を果たしました!
メイさんから教えてもらった、ジャガーノート戦の戦法をアイズへぶつけました。
風の籠でアイズを蹂躙しました!
エアリエルでも、360度からガリガリと削られてはさすがに無理ですからね。
復讐者は復讐者しかわかりません…。
その先にあるものも。
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