白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

197 / 439
はい、アレンさん回です!

激戦地で【フレイヤ・ファミリア】只一人となり、孤軍奮闘しています。
といっても、豊穣三人娘にキリキリ舞いさせられています。



第196話 主任猫、焦燥。

『速報です!【ロキ・ファミリア】の【超凡夫】、【貴猫】、【……】、【……】脱落!』

『【ロキ・ファミリア】旗、焼失!【ロキ・ファミリア】敗北!』

糞がっ!

生き残りはオッタルとミアと俺だけか…。

【ロキ・ファミリア】のやつらは…【剣姫】【重傑】【九魔姫】か。

奴らは…あの兎の援護に向かう気なのか…?

 

ちくしょう!このままではミアのところに奴らが攻め込まれる!

オッタルがまだ戦っているのに旗を失うわけにはいかねえ!

せめて1人ぐらいは脱落させてやる!

 

「ニャー!隙ありニャ!」

ぐっ!こいつら立て続けに攻めやがる!

「はぁっ!はぁっ!はぁっ!」

ぐっ!この、はっ!

「兄様、ゴメンニャー!」

ぐぅっ!

 

はぁ…はぁ…。

休ませてくれねえ…、そうか!?

こいつら俺を疲れさせるつもりだ!

ふざけんじゃねええええ!

 

『頃合いです!【象神の杖】以外の他の者は【フレイヤ・ファミリア】の旗へ向かって下さい。レベル7の【小巨人】1人だけです!』

「キタキタキタニャー!」

「よっしゃ!行くよ!」

「母ちゃん、行くニャー!」

なっ!奴ら、一斉に俺たちの旗へ向かいやがった!

くそっ!止めないと!

 

ガキィィン!

なっ!

 

「お前の相手は私だ。【女神の戦車】。クノッソス以来だな。」

【象神の杖】か!

レベル5と聞いたが、数日前にランクアップしたばかりと聞いた。

だが、今の俺では…。くそっ!

こういう形に持ち込むのが狙いだったのか!

 

「じゃー、バイバイニャー!サー!」

「すまないね。これも作戦なんだよ。」

「兄様…、ゴメンニャ。」

タタタタタタッ!

 

「ま、待ちやがれ!グッ!」

「かなり弱体化されているな…。」

「誰のせいだと思ってんだ!ふざけるな!」

「それはすまん。だが、これも戦争だ。」

「くそっ!てめえだけでも道連れだ!」

「悪いが、そうはさせない。」

ガン!キン!ゴン!

 

ちくしょう!

本来なら圧倒して勝てたはずだ!

このままでは…。

 

キン!ゴン!ガン!

「先に謝っておこう。【女神の戦車】。」

「ああ!?何だってんだ!?」

「【戦車の片割れ】は全てを知ったぞ。お前が遠ざけ、ミアに保護してもらったことをな。」

!?

 

ガン!キン!ゴン!

「【戦車の片割れ】は当初、特攻覚悟で死ぬつもりだったぞ?」

あの愚図がぁぁぁぁぁ!

何考えてんだ!

 

キン!キン!キン!

「だが、神フレイヤ魅了騒動でお前達のあの場を見ていた、リオンが話してくれたおかげでわかった。お前が遠ざけ神フレイヤが追放し、シルという町娘に扮して【戦車の片割れ】を拾い、ミアに保護してもらったことがな。」

!?

あの羽虫が余計なことを!

だから、フレイヤ様の魅了で骨抜きにするべきだったんだ!

 

ガキン!ガゴン!

「【女神の戦車】…、全てを知った【戦車の片割れ】は神ヘスティアと神アストレアに、【フレイヤ・ファミリア】全員の命を嘆願した。勝利に貢献する代わりにな。」

「な……あの愚図が…。」

「お前の気持ちはわかるとも言えんが、7年前の大抗争で私はアーディを失った。」

「………。」

「私はアーディを冒険者にするのを止めなかった。だが、私は甘かった。だからアーディは、死んだのだ。」

「……そうだ。てめえはあの女を冒険者にするべきじゃなかったんだ!ホームの奥に閉じ込めればよかったんだ!そうすれば、クズどものせいで死ぬことはなかったんだろうが!」

あの女がノコノコと出てきたのも悪いが、その場へ出したてめえが一番悪いんだよ!

姉なら…守るべきだったんだ!

 

ガン!ガン!ガガン!

「そうだな。だからお前の判断は間違ってない。」

「けっ…。」

「打ちのめされようが、けなされようが、生きていればそれでいいというのもわかる。」

「……。」

「だがお前にとっての計算外は、【戦車の片割れ】はああいうことをされてもお前を慕っていたことだ。…【戦車の片割れ】はレベル4だ。何故、オラリオから追放しなかった?まだ安全だろうに。」

「あの世間知らずの愚図が、のうのうとオラリオ外で生きれるわけがねえだろうが!あの能天気が簡単に騙されて、奴隷にされたらどうするんだ!あのドジが流砂や水に流されて死んだらどうするんだ!」

誰かが見てやらねえと、あっさり死んでしまうんだよ!

あの愚図は!

 

「…そ、そうか。だが、何故…恩恵を封印しなかった?魅了で骨抜きにしなかったのだ?」

「…俺もそうするべきだと言った!だが、フレイヤ様が拒否した…。それが答えだ。」

「…そうか。神ヘスティアと神アストレアの予想は当たっていたというわけか。」

「…おしゃべりは終わりだ。さっさとてめえを倒してあいつらを轢き殺してやる!」

「残念だが、そうはさせん。」

ちっ…!余計なことを言っちまったぜ。

…あの愚図を失うという恐怖感はあの時の深層で十分だ!

 

そんなのゴメンだ!

だから、あの愚図を切り捨てるしかなかった!

だが…フレイヤ様はそれに首を横へ振った…。

 

フレイヤ様は…俺だけでなくアーニャも欲しがっていたからだ。

俺は…フレイヤ様の決断に従うしかなかった。

 

『【女神の戦車】は疲労が最大で、弱体化しています!今のうちに畳み掛けて下さい!』

『了解した。』

「…?何をコソコソと…!?何も指示がないと思ったら、それが原因か!糞がァァァl」

「ああ、そうだ。悪いが、さっさと決めさせてもらう!はぁっ!」

!?速え!

くそっ…疲労と度重なるステータスダウンで、反応できねえ!

申し訳ありません…フレイヤ様…。

 

バシュ!

『速報です!【フレイヤ・ファミリア】の【女神の戦車】脱落!』

 

■■■■■■■■■■■■■

 

「………。」

「フレイヤ…。キミはアーニャくんを守ろうとしたんだね?」

「ここまでさらけ出したら、もう誤魔化せないわね。ええ、そうよ。私があの子を捨てるわけがないわ。」

「もう少し優しくできなかったの?」

「あれで優しくしたつもりよ?アレンは…アーニャを骨の髄まで魅了させて人形のようにさせてくれ、と言ったのよ?聞いた時はさすがに唖然としたわ。」

「…うわ。そこまでかい?」

「当然、私は反対したわ。アーニャはアーニャの魂の輝きがある。その輝きを私の手で曇らせる?いいえ、そんなことはできない。だから一旦追放という形にして、ミアのところに預けたの。納得させるのに大変だったのよ?あの子に。」

「やはり、そうだったんだね。」

「ええ、でも。アレンはシル…私の警護をすると言いながらアーニャをずっと見守っていたわ。何人かは気づいていたようだけどね。」

「シスコンやないか…。」

「…そうね。それでも度を過ぎていたわ。以前アーニャに言い寄る冒険者がいたわ。それを知ったアレンは、その子の後をつけてダンジョンで因縁つけて、冒険者に復帰できないほどの大怪我をさせたわ。その時はさすがに厳重注意したけど、それでもあの子はそっぽを向いて反省してなかったわ。本当に困った子だわ…。」

「「「………うわぁ。」」」

「…ヘスティア。アーニャが貴女に付く代わりに私達の命の嘆願をしたって本当なの?」

「そうだよ。事実を知ってもなお、あの子は泣きながらボクたちにお願いをしたんだよ。いい子じゃないか。」

「…そう。アーニャらしいわね。」




はい、アレンさんも脱落です。
三人娘に疲弊させられた後、シャクティによって倒されました。

そして、アーニャ追放について自白したフレイヤです!
アレンのシスコン度が高いですね!

感想・評価をいただけますと、嬉しいです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。