ここまで来ればおわかりと思いますが、リリは【ヘスティア・ファミリア】ホームにいて、愚者の魔道具・エイナの魔法を活用して各員へ指示を出しています。
上々です!
思った以上の成果です!
「よし!これで【フレイヤ・ファミリア】はミア様と【猛者】だけです!エイナ様、【猛者】の様子はどうですか!」
「【猛者】は…疲労度は増えています上、アーニャさんの歌以降の生命力と精神力は徐々に下がっています!ベルくんも疲労度は高いですが、スキルによる強化で補っています。ただ…さすが【猛者】と言われるだけであって徐々に押されています!」
「そうですか。まだ足りないのですね…。ベル様…。」
「こら、司令がそんな顔したらダメじゃないの。」
「ダフネ様…。」
「【白兎の脚】に賭けるしかないでしょ。……最悪の場合、あの人たちが動くし…。」
「そうですね…。その時は【猛者】に同情します…。」
コンコン
「はい?どなたでしょうか?」
「私達だよ。リリ司令。」
「愚者様ですか!どうぞ。」
ガチャ
「どうかね?通信機と映像の調子は?」
「問題ありません!【ロキ・ファミリア】の二軍が壊そうとしましたが、防げました!」
「そうか、今の状況は…何と【ロキ・ファミリア】をもう降したのか。残るのは…【フレイヤ・ファミリア】の【猛者】と【小巨人】か。そしてこちらの被害は【狡鼠】だけか。上の上だな…。」
「ええ!思いの外、上手く行きました!」
「そりゃ…あんな弱体化の波状攻撃をしたら、どんな第一級冒険者でも耐えられないと思います…。」
「私なら、最初の音波攻撃で脱落してしまうね。うん。」
弱体化の案がうまく行きました!
最初はバーチェ様の毒と命様の魔法と思いましたが、アーニャ様とフリュネ様で更なる弱体化を狙えました!
半分ぐらいは受けられると思いましたが、全員が受けるとは思いませんでした。
まあ、そりゃそうですね。
リリ達でさえ、腰抜かす人も何人かいましたからね…。
「ええ。ですが、メイ様とセバス様の切り札が一番大きかったですね。」
「…ええ。まさか彼女がああなるなんて…誰も予想できませんね。」
「本当に…あの【男殺し】なの?…味方でよかったと本当に思うよ。」
「同感です(チラッ)…。愚者様、そちらはいかがでしょうか?」
「ん?ああ、彼のおかげで捗っているよ。私に近い思考をしているため、次の魔道具の案が次々と出てきている。」
「そうですか!それはよかったです。」
「部長、よろしいでしょうか?今の映像でややノイズが走っています。少々改良する必要があります。」
「何だと?………確かに走っているな。魔石の質が悪いのか…または出力が悪いのか…。ミュラー、アレの原因と改良案を考えてくれ。」
「かしこまりました。私は部屋へ戻りその案を練ります。失礼します。」
ガチャ…バタン
「……本当に、あのミュラー様なのですね…。」
「ギルドの牢獄から脱獄させるなんて…、非常識です。」
「彼らを常識で図るのは無駄だよ。エイナ・チュール。」
「ねえ…あの人、ミュラーって人は何をしたの?」
「はい、彼は…。」
『異端児』の方を巻き込んだあの事件のことを話しました。
モンスターとモンスターを強制的に融合させるという禁断の技術を…。
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「とんでもないことをするね…。大丈夫なの?また同じことをするかも…。」
「それは大丈夫です。記憶と自我を全て一片残さず消して、新たな自我を作り知識と技術だけを残したそうです。セバス様とメイ様が。」
「……うわぁ。」
「他の二人もそのようにしたらしいですが、あの人はまだ前の原型を保っているからまだマシかもしれません…。」
「…そうだな。」「……そうですね。」
ええ、それは本当ですね。
あの二人は…。考えたくないです…。
「他の二人って?一人は【男殺し】として、もう一人は?」
「…ダフネさん。こちらへ来られる時、門をくぐりました?」
「あ、うん。門番のあの巨人、いつ雇ったの?私と同じレベル3でも強そうだよ。」
「……彼が誰かわかります?」
「え?うーん、オラリオでは見たことないなあ。」
「…リリの元ファミリアの…元団長です。」
「……え?ごめん、もう一回言ってくれる?」
「【ソーマ・ファミリア】元団長、【酒守】ザニス・ルニトラです。」
「……原型が…ない。」
「はい。一片もありません。」
「リリさん、それを聞いた時立ったまま気絶しましたね…。」
「ええ…あまりの衝撃で立ったまま気を失うというのは二度目でした…。」
リリを長年虐げていたザニスが…ああいう形になるなんて、誰が予想できますか!
メガネでガリガリで嫌な男が、前の身長の2倍ほどになり【猛者】並の筋肉の肉体となり、スキンヘッドでサングラスという巨人になっているなんて、誰がわかりますか!
何でも…カヌゥさんのケジメとして改宗させろとソーマ様へ迫ったそうです。
そして、そのままザニスがいる檻の中で改変改造しました。
ソーマ様とチャンドラ様、その他の団員の目の前で……。
目を背けることも許さなかったそうです。
改宗の際、ソーマ様がヘスティア様に震えながら土下座して「傘下へ入らせて下さい」と泣いて懇願したそうです。
【ソーマ・ファミリア】も【ヘスティア・ファミリア】の傘下に入りましたか…。
リリとして、このような形は複雑です…。
「ミュラー…【酒守】…【男殺し】か…。あの後、彼らに聞いたんだが人材が足りないと嘆いていたよ。」
「「「え?た、足りない?」」」
足りないって…。
あれだけのことをして、まだ足りないというのですか!
「ああ、ベル・クラネルへ危害を及ぼした人がオラリオにいない、または死んでいたためだそうだよ。」
「…聞くのが怖いですが、どなたにするつもりだったでしょうか?」
「まず、【オグマ・ファミリア】の【咬犬】モルド・ラトローにするつもりだったが、彼の信者になったため見逃したそうだ。」
「…信者になるのはいいですが、ベル様へ悪いことを吹き込まないでほしいです!」
カジノや繁華街へ連れて行ったりするのはやめてほしいです!
「次に…【アポロン・ファミリア】団長の【太陽の寵童】ヒュアキントス。」
「ああ…ヒュアキントスは【白兎の脚】を執拗に追い詰めていたものね…」
ベル様を痛めて、追い詰めたあの人ですか。
まあ、オラリオにいたらそうされていましたね。
「そして…【イケロス・ファミリア】団長、【暴蛮者】ディックス・ペルディクスを中心とした一党。」
「ベル様を苦しめ、精神的に追い詰め、ウィーネ様の額の宝石を奪い、あの騒動を引き起こした方々ですか…。」
全員、異端児の反撃によって死にましたね…。
彼らにとってそれが不幸中の幸いであったかもしれません。
「その他に…【殺帝】ヴァレッタ・グレーテ、【白髪鬼】オリヴァス・アクト、などの闇派閥の幹部たちかな。」
「えっと…その方たちはベルくんに何かを?」
「いや、直接はしてない。ただ、命を有効的に使うならいいだろうとのことさ。後は…7年前のこともあったかもな。ああ、今は【エレボス・ファミリア】団長の【顔無し】ヴィトーを探していると言ってたな。」
「…闇派閥が哀れに思えてきました。」
「同感だよ…。」
「闇派閥に対してこんな気持ちを持ったのは初めてです…。」
そうですね!
残るのは【エレボス・ファミリア】団長の【顔無し】ヴィトーですか…。
ベル様へ危害を加えなければいいのですが…。
「ああ、ダフネ・ラウロス。君とカサンドラは【静寂】へもう謝ったかい?」
「え?せ、【静寂】に?わ、私達は何もしてないよ!」
「何、聞いてないのか…。セバスから聞いたのだが…【アポロン・ファミリア】は【ヘスティア・ファミリア】の元ホームであった廃教会を破壊したらしいね?」
「あ、うん…。ヒュアキントスの案でアポロン様が賛同したけど…私は賛成できなかったな。」
「その廃教会が…【静寂】とベル・クラネルの母の思い出の場所だったそうだ。」
「早急に!カサンドラと!謝りに行きます!」
「ベル・クラネルと神ミアハと一緒なら殺されることはないだろうから、彼らも共にした方がいいよ。」
「そうさせていただきます!……恨むよ、ヒュアキントス!」
「うわぁ…。お義母様の逆鱗にがっつりと触れているじゃないですか!」
「……そうだね、ベルくんと神ミアハ様と一緒なら、アルフィアさんも許せざるを得ないかな。…その他の【アポロン・ファミリア】構成員はオラリオ外にいるけど、戻ってきたら…考えたくないね。」
オラリオから永久追放ですものね。
というか、あの神を再びベル様へ近づけてたまるものですか!
「そうだな…。あの『神の鏡』で彼を見てオラリオへ不法侵入しかねないな。そうなると、彼らは本当に終わりだな。」
「そうですね。今のお義母様は全盛期を超えているそうです。…オラリオの一画が更地にならなきゃいいですけどね…。」
「怖いことを言わないでくれる!?ああ…何てことをしたの…。か、菓子折りは何がいいかな…?」
「あ、私知ってます。アルフィアさんは甘味が好物だそうなので、旬のスィーツ菓子が喜ばれるかもしれません。」
「ありがとう!戦争遊戯が終わった後すぐに、カサンドラと買いに行ってくるよ!」
むむむ!
エイナさん…、いつの間にお義母様とそんなに親しくなったのですか!
リリもポイントを稼がなければいけません!
あ、いえ!それどころではありません。
戦争遊戯が先です!
今は…ベル様以外の全員が【フレイヤ・ファミリア】の旗へ向かっていますね…。
ベル様…。勝って下さい!
リリ司令官、【ヘスティア・ファミリア】ホームより指示出していました!
セバスとメイは、まだまだ人材不足とぼやいていますね。
高レベルの闇派閥が欲しかったでしょうね…。
改変すれば問題ないですから(キリッ)。
アルフィアさんたちの思い出の地を壊した、元ファミリアの所業に震えているダフネさんです。
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