白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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【ロキ・ファミリア】視点です。
三首領とロキは起きて、使いが来るのを待っています。
他の人も待とうとしたのですが、疲れが限界で居眠りしているのが多く三首領の命令で全員寝ています。
そして、今回の戦争遊戯を振り返って反省しながら、飲んでいるとこです。



第211話 道化神、絶句。

ウチらは軽く飲んどる。

他の子は疲れたため、ウチの命令で寝ているねん。

「はー…。戦争遊戯中の酒は美味かったのに…、今は美味くないわ…。」

「ロキ…、何故そんなに落ち込むんだ?たかが、使いがくるだけだろう?」

「儂は満足じゃ、あの光景を直接目にしたからのう。あれだけで当分3日間は酒の肴になるのう。」

「ガレス…そう言っているのも今の内だよ。」

「ロキ…フィン、お前たちは何を知っている?」

「それは…」

 

コンコン

「ん?誰や?いや、もーえーわ。入ってきーや。」

「では、失礼します。」

何やねん…。

待てや…、門番を除いて全員寝ているはずなんやが…。

それにその声…まさか。

 

ガチャ

「なっ!お前は…!」

「……何故おるんじゃ!?お主は【ヘファイストス・ファミリア】で封印されとるんはずじゃ!」

「……勝手にホームへ忍び込まないでくれるかな?心臓に悪いよ。【ゼウス・ファミリア】の【最強侍従】メイ。」

「ホンマに解放されとるんやな…。」

15年前と変わらんなー。

ここまで忍び込むとは相変わらずやっちゃ。

 

「15年ぶりですね。たかがレベル6止まりの三首領と、神ロキ。」

「その口調、間違いない。何故!お前が…!?」

「馬鹿な!ザルドは死んだはずじゃ!解放されるわけがない!」

「…リヴェリア、ガレス。彼女はベル・クラネルによって解放されたんだ。そうだね?」

「気づくのが遅いですね。【勇者】。」

「フィン!どういうことだ!」

「あー、ウチが説明するわー。」

そして、ウチはアストレアの演説について語ったんや。

 

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「……そういうことか。ベル・クラネルが…。」

「あ奴らの子とは驚いたぞい…。」

「ちゅーか、どっちのファミリアにも似てないやん!何で、あないなキレイな性格やねん!」

「坊ちゃまの人徳でございます。神ロキ。」

「坊ちゃま…。違和感がなさすぎて笑えんな。」

「…人質というのは嘘だね?彼らの名誉を守るためかい?」

「いいえ。坊ちゃまの罪悪感をなくすためでございます。」

「「「は?」」」

「説明いたしましょう。」

罪悪感?何のことやねん…。

 

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「……確かにベル・クラネルには罪はない。あの少年がそう思うのも仕方がないだろう。【静寂】め…。」

「あ奴らは若造のところへいくべきじゃったな。馬鹿な奴らが…。」

「だけど、ここまでやったんだ。問題はないだろう?僕たちが何を言おうが。」

「その通りですね。やっと本調子に戻りましたね?【勇者】。」

「君たちにとっては、僕たちが道化に見えたんだろうね?」

「ええ。無様で、痛快で、誠に遺憾でございました。」

「腹立つが、事実だから何も言えん…。」

「そうじゃな…。」

ずーっと踊らされたからなー。

癪やわー。

あの少年がウチにおったら、メイたんもセバスたんもウチのもんなのに…。

 

ホンマにあの時の門番、しばくで!

 

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「それで、メイ。僕らへの仕置きは何だい?ライラから3つの選択肢があると聞いたんだけど?」

「はい。お答えしましょう。まず、ヘスティア様のお言葉です。「【フレイヤ・ファミリア】と違い、そっちは色々と思惑があったと思うけど、ボクたちを助けるために介入してきた。なので、仕置きは軽く済ませたい」とのことです。」

「(チラッ)…同じ神なのに、何故こうまで違うのだ…。器が違いすぎる。」

「ちょ!?リヴェリア!それはひどくない!?」

「黙れ、ロキ。ヘスティア様を見習え。」

あんな神格が桁違いに高いやつを見習えるか!

無理や!

 

「では、1つ目。「神ロキの断酒・セクハラ禁止。男性は全員女性へ性転換。」です。」

ファッ!?

「(キリッ)2つ目に進んでくれないかな?ライラから聞いた話では却下じゃなかったかな?」

「はい、ですから男性だけです。」

「理不尽じゃ…。」

「な、何で…ウチに…。」

「非常に魅力的な案だな。」

「「「リヴェリア!?」」」

「フィン、お前が女性になればティオネから逃げられるし、一族再興のきっかけを自分で産んで育てることができるぞ?非常に魅力的で効率的な案だ。」

「やめてくれないかな?本当に、マジで。」

「嫌じゃ…。儂は嫌じゃ…。」

「私は検討に入れたい。…聞くが、何故女性は性転換しないのだ?」

「坊ちゃまの希望でございます。」

「そうか。ベル・クラネルに感謝しなければな。その案にしたいな。」

「待ってくれ!まだ、2つ目と3つ目が残っているんだ!」

「そうじゃ!そうじゃ!」

必死やなー。まあ、気持ちはわからんでもないけどな。

断酒とセクハラ禁止を除けば、ウチとしては大歓迎やけどな。

 

「2つ目「神ロキの断酒・セクハラ禁止。【ロキ・ファミリア】内の不純異性交遊禁止」ですが…【超平凡】と【貴猫】のこともありますから、それはおすすめできません。」

「そうだね、本当にそうだね。」

「賛成派と反対派に大きく分かれそうだな。」

「そうじゃのう。あんなのを目にしたらそれは選べないのう。」

そやな…。ラウルとアキ、ずっとひっついているわ。

いや、アキがラウルにべったりやねん。

あれを引き離すと言うたら、ブチ切れるやろうな。

2つ目は却下や。

 

しかしな…、納得できんのがあんねん。

「ちょい待ちーや!何で1つ目と2つ目の案にウチへの罰があるんや!」

「別にいいではないか。神ヘスティアに感謝しなければな。菓子折りを持ってお礼に伺いたいくらいだ。」

「【九魔姫】、歓迎しますよ。」

「…3つ目は?」

 

「3つ目「神ロキの断酒・セクハラ禁止。【ヘスティア・ファミリア】への改宗希望者がいれば許可すること。ただし、ベル・クラネルのスキルを考慮して三首領で決定するものとする。」です。」

「スキルを考慮?どういうことだ?」

「…オッタルと互角に戦えたのと関係があるのかい?」

「はい、そうでございます。」

「ちょい待てーや!3つの案ともなんでウチの断酒とセクハラ禁止があるんや!」

「ロキ、仕置きは受けなければならないぞ。我々は負けたのだから。」

「そうだね。観念しなよ、ロキ。」

「同情するぞい、ロキ。」

「嘘や…殺生や…。」

 

何て恐ろしい案を出すんや…。

ひどいわ…。




やはり、メイが来ましたね。
そして、3つの選択肢が来ました。

いずれもロキの断酒とセクハラ禁止ですね。
ロキの酒癖とセクハラはオラリオでも有名ですから、そこを突いたのでしょうね。

そして1つ目に対して、フィンとガレスはすごく嫌がっています。
当たり前ですね。

2つ目はラウルとアキを引き離すようなものですから、却下ですね。

となると、3つ目が無難ですかね?

さて、どれを選ぶのでしょうか?

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