気を取り直して、後始末をしていきます。
「みんな…こんな形になったけど。ごめんなさいね、私の我儘でこうなって。」
「そうでございますな。」
「(ムッ)セバス、貴方はちょっと黙って頂戴。」
「失礼しました。」
腹立つわね。
これから、彼らとずっと一緒に?
憂鬱だけど、ベルと一緒にいるからプラマイゼロね。
「フレイヤ様、私の力不足で大変申し訳ありません。」
「オッタル、何てめえで責任被ってやがる。お前だけじゃねえ。俺らもだ。」
「そうだ。何もかもかぶろうとするな。」
「…だから、脳筋。」
「「「そうだな!この脳筋が!」」」
「……すまん。」
何故こういう時に一致団結するのよ…。
まあ、そこも可愛いんだけどね。
「オッタル、いいえ貴方達は本当によくやってくれたわ。オラリオを全て敵に回してでも。…けど、今回は相手が悪かった…いえベル1人に負けたと言っても過言じゃないわね(あの幸運のせいでしょうね)。」
「はい…(こいつらが解放されていなければ…いやそれもベルの運なのか。)」
「「「「……。」」」」
ベルの発展アビリティ…『幸運』。
あれが彼らのところへ、ベルを導いたのね。
「私は…ヘスティアの慈悲、そしてベルの優しさによって天界へ送還されずにすんだわ。…シルとしてベルの側にいることになったけど、貴方達と離れ離れになるわけではないわよ。…そうよね?セバス?」
「もちろんでございますとも。ただ、神フレイヤとしての現神はヘスティア様の許可が必要ですが。」
「十分だわ。それに…傘下ファミリアだし同じようなものよ。」
「「「フレイヤ様ぁぁぁl」」」
「非戦闘員に関しては…ヘルン、お願いできるかしら?」
「かしこまりました。」
「貴女たちもヘルンをサポートしてあげて。」
「「「はい!」」」」
非戦闘員は多いけど、ヘルンたちが対処してくれるなら大丈夫ね。
改宗先が予め決まっているのは癪だけど、デメテルやタケミカヅチ、ヘスティアなら安心ね。
「先にどこへ行こうかしら…?」
「神デメテルが待機しておられますので、先に【デメテル・ファミリア】へ行かれたほうがよろしいかと。」
「…嫌な人ね。これも計算の内というわけ?憂鬱だわ…。」
やはり、腹立つわ。
ベルの側にいるのはいいんだけど…、彼らが目を光らせていては手も出せないわね。
何とかならないのかしら…。
【デメテル・ファミリア】に着いたのはいいけど…、デメテル一人だけ?
不用心よ…。と言っても仕方がないわね、クノッソスで全員が入院する羽目になったのだもの。
なるほど…、だから私の眷属を改宗するには丁度いいということね。
デメテルならいいわ。
「フレイヤ、久しぶりね。ええと…お疲れ様と言ったほうがいいのかしら?」
「そうね、デメテル。まさか彼らが解放されているなんて…。ベルの身元を調べておくべきだったわ。」
「今更でございますな。」
「(イラッ)…。」
デメテルはセバスたちの解放を知ってたみたいね。
だったら、教えても…いえ彼らがそうさせてくれるわけがないわね。
はぁ…ここ数日の私は何をしてたのよ…。
「ま、まあ。気持ちはわかるわ。…セバスちゃんから聞いていると思うけど、貴女の眷属の大方は引き取るわ。いつでも会いに来てもいいわよ。」
「ごめんなさいね。神友の貴女に押し付けるような真似をして。」
「気にしないで。こちらもメリットがあるんですもの。ペルセフォネたちが動けない以上、私一人で大変だったのよ?第二級冒険者たちが多くいるなら大歓迎よ!それに…私達神友でしょ?」
「デメテル…ごめんなさい!」
私は…神友失格だわ。
デメテルを助けることにかまけて自分を優先するなんて。
デメテルはセバスやメイを通して、私の眷属の改宗先を引き受けてくれた。
神友として顔向けができないわ…。
「いいのよ。そちらはようやく『伴侶』を見つけたでしょ?ヘスティアを応援しないわけではないけど、負けちゃ駄目よ!」
「!ええ、ベルの側にいてベルの最期までいるわ。ありがとう…デメテル。」
「ふふふ、シルちゃんとしていつでも来て頂戴。前よりは気楽に来れるでしょ?」
「そうさせてもらうわ。…彼らをお願いするわね。」
「お願いするのはこちらよ。では、改宗を始めましょうか。」
デメテルが応援してくれるなら、心強いわ。
持つべきものは神友ね。
……改宗でかなり多いけど、仕方がないわ。
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疲れたわ…。
後は、ミアとアレンとアーニャね。
「ふぅ…やっと残り3人ね。」
「ええ、ああ、貴方達。早速で悪いけど、裏の畑にある野菜を全て回収してほしいの。お願いできる?」
「「「かしこまりました、デメテル様。……フレイヤ様、今までありがとうございました!」」」
「今生の別れじゃないんだから。デメテルを支えてあげてね。」
「「「はい!」」」
あの調子なら大丈夫でしょうね。
ミア…。私の眷属の中で一番付き合いが長い子。
神であろうが特別扱いしなかったところが好きだったわ。
それだけでなく色々と世話になったけどね。
「ミア…貴女を手放すのは非常に惜しいわ。」
「さっさとやりな。アタシはせいせいしたよ。」
「もう……こういう時ぐらいはしんみりとするんじゃないの?」
「ナニいってやがる。たかがシルになるだけだろ?アタシにとっては今まで通りさ。」
「…そうね。」
「ああ、いつでもルゥとあの坊主と飯と酒が飲みたければウチに来な。」
「!…ミア、ありがとう。長い間、世話になったわね。」
「……それはこちらもさ、フレイヤ。」
やはり、付き合いが長いとしんみりしてしまうわね。
ちょくちょく『豊穣の女主人』へ行きましょう。
ベルとルゥとヘルンとともに…。
そしてアレン…。
今回の戦争遊戯でよく頑張ってくれたわ。
アーニャ、クロエ、ルノア相手にやりにくかったでしょうね。
「アレン…今回は悪かったわね。」
「気にしないで下さい。フレイヤ様、俺達は負けた。それだけです。」
「そうね…。アーニャと仲良くしてあげてね。」
「お断りします。あの愚図はサボろうとしてばかりなので、厳しくしてやらないと。」
「ふふふ…。アレン、今までありがとうね。ミアと店を盛り上げてあげてね。」
「かしこまりました。…我らを拾い育て上げて、本当にありがとうございました。フレイヤ様……。」
本当に素直じゃない子ね。
そしてアーニャ…。
無理にしてアレンに追いつこうと頑張らなくてもよかったのに。
それがアーニャ自身を追い詰めてしまった。
だから、ホームから追放しミアのところで保護してもらうしかなかった。
悪いことをしたわね…。
「…フレイヤ様。」
「アーニャ、ごめんなさいね。嘘を言って、辛い思いさせて申し訳なかったわ。」
「違うニャ…ミャーがもっと賢かったら、もっと早く気付けたニャ…。ごめんなさいニャ…。」
「賢いアーニャなんて、アーニャじゃないわ。」
「ウニャ!?ひどいニャ!」
「ふふふ…。アーニャ…貴女はアレンのついでじゃない。私は貴女達が欲しかったから、貴方達二人を眷属にしたのよ。」
「うう…ごめんなさいニャ…。ヒック…ヒック…。」
「ああ、もう泣かないの。ほら、いつものように笑って。」
「グスッ…。はいニャ…。」
「シルとして、『豊穣の女主人』へベルとルゥと一緒に行くわ。その時は歓迎してくれる?」
「もちろんニャ!ミャーの歌も…」
「それはダメよ。生涯禁止よ。」
「そうね。【デメテル・ファミリア】でも禁止事項にするわ。」
「ウニャー!?なんでニャー!?」
そりゃ、そうよ。
あんな歌を世界へさらけ出したら、禁止にするに決まっているじゃない。
それを採用したあの子もあの子だけどね。
これで…デメテルへの改宗分は終わったわ…。
あっけないものね。
「…デメテル、あの子達をよろしくね。」
「任せて頂戴。伊達にオリンポスの地母神は名乗っていないわよ。」
「神友として…シルとして会いに行くわ。」
「いつでも待っているわ。」
ありがとう…デメテル。
フレイヤとして会いに行く時は…暫く先になるわ。
それまで…さようなら、私の神友。
デメテルに眷属を託し、ミア・アレン・アーニャにフレイヤとしての別れを告げます。
フレイヤはデメテルへ何かと相談するべきでしたね。
まあ、オッタルたちがホームやバベルから出させなかったのも一因ですが。
ベルが寿命で亡くなるまで、神フレイヤとしてしばしのお別れです。
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