白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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初のヘグニさんです!
アルフィアさんの恐ろしさを目の前にして震えています。


第221話 黒妖剣、待焦。

怖い…。帰りたい…。

あ、爆破されたから帰れない…。

 

「ところで、フレイヤ。ここへ来たのは改宗とシルの件ね?」

「そうね、あまりの衝撃で忘れていたわ。…その前にあの子たちを回復させてほしいのだけれど?」

「威力は抑えているぞ。とっとと起きろ。」

「お嬢様。それは無理な相談でございます。今のお嬢様は全盛期をかなり超えています。」

え?……あれで抑えている?

また逆らってはいけない人が増えた…。

 

「え?……そういえば、魂の陰りがなくなっているわね…。どうしてなの?」

「少々お待ちを。ああ、カサンドラ嬢、急がせてすみません。彼らを回復してくださいますかな?」

「はぁ…はぁ…、遅れました。は、はい。わかりました。また、アリーゼさんですか?…え?【白妖の魔杖】に【炎金の四戦士】?」

「はい、【ヘスティア・ファミリア】へ改宗となり私の傘下に入ります。」

「(ええーっ!【フレイヤ・ファミリア】が?)わ、わかりました。」

【一度は拒みし天の光。浅ましき我が身を救う慈悲の腕。届かぬ我が言の葉の代わりに、哀れな輩を救え。陽光よ、願わくば破滅を退けよ】

【ソール・ライト】

 

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「…先に説明してほしかったのですが。」

「「「同感です…。」」」

俺は…運がよかった。

 

「申し訳ありませんな。お嬢様は坊ちゃまのこととなると、視野が大変狭くなっております。以後、ご注意を。」

「承知しました…。愚…ベルはどこに?」

「傘下のファミリアへリリ嬢たちと挨拶まわりをしております。」

友よ…早く帰ってきてくれ…。

 

「わかりました。…【静寂】、いやアルフィア。貴女のご子息のことについて話があります。」

お、おい!我が宿敵、ヘディンよ。

それ以上刺激するな!

 

「…何だ?」

「ご子息の教育はどうなっているのですか?ろくでもない下衆なことに詳しいのに、それに対して初心すぎる。あと、一般的な常識は知っているとしても教養がまるでなっていない。」

…え?

 

「……私ではない。あの狒々爺のせいだ(あの狒々爺、絶対に全力の魔法で吹き飛ばしてやる)。」

「(狒々爺…大神ゼウスのことか)貴女がご子息のところへ行かれていれば、少しはまともな教養を身につけられたはずです。一歩間違えば、ご子息はそこらの有象無象になっていた可能性が高いです。」

何だ…これは。

どこかで見たことが…、ああそうだ。

学区で何となく見てたときに、教師と生徒と保護者が話していた時の感じに似ている。

 

「……その通りだ。今でも悔やむ、あの狒々爺を押しのけてあの子を引き取るべきだったと。」

「では、貴女がご子息を教育すると?」

「ああ「お嬢様、それは無理ですな。ここ最近お嬢様はずっと坊ちゃまを甘やかしてばかりです。」……悪いか。」

「あと、ヘスティア様。「ふぇっ!?」貴女もです。」

「ベルに対して、甘すぎます。あと食事がじゃが丸くんばかりなのもよくないです。」

「さ、最近は違うよ!」

「貴女が身を切って働くのは構いません。ですが、貴女は主神なので一応の警戒をもって警護をつけるべきです。そもそも…」

「ひ~~~ん。」

ヘディン…、凄いな。

【静寂】だけでなく神ヘスティアまでも説教するなんて。

俺でも出来ないぞ。

 

『何かしら…。この光景は。』

『三者面談?いえ、ベルがいないから保護者面談?』

『ヘディンはベルをかなり熱心に教育してたものね。あの時のリードは凄かったわ……はぁ、もう一度してもらいたいわ。』

『何それ、詳しく。』

ああ…ヘディンのしごきのアレか。

俺から見ても見事なリードだった。

途中で見失わなかったらな。

 

「ヘディン殿、貴方に依頼したいのは坊ちゃまへの教育係です。幸い、坊ちゃまもヘディン殿を師匠と言っております。」

我が友の教育係…。

いいのか?それは。

まだ改宗さえも済ませていないのに。

 

「待て、セバス。こいつはレベル6だろうが。クソ猪を倒したベルより弱いではないか。」

「お嬢様、そういう問題ではありません。坊ちゃまの周りには私達を含めて坊ちゃまに対して甘い方々です。それでは坊ちゃまのためになりません。ヘディン殿のような方がいれば、坊ちゃまは歪まずまっすぐに育つはずです。」

「む……。」

そうだな、ベルは良くも悪くも純粋すぎる。

フレイヤ様や俺を含めても、我が友に甘くなってしまう。

…友の人徳だろうな。

一緒にいると非常に和む。

 

「んー…、そうだね。ベルくんはあまりにも世間を知らなさすぎる。サポーターくんたちがいるにしても、彼女たちも僕たちもベルくんに対して甘いからなあ…。よしヘディンくん、ベルくんをお願いできるかい?」

「承知しました。ヘスティア様、セバス殿、その任務お引き受け致します。ただ私は私のやり方があるため、ベルが私の眼鏡に叶うまで愚兎の呼び方や手荒なことの許可をお願いします。」

「何だと?」「ちょ、手荒なことって…」

「はい、許可しましょう。」

「な!?セバス!」

「お嬢様、私は坊ちゃまの記憶を見ています。ヘディン殿はかなり乱暴ですが、坊ちゃまをちゃんと教育しておりました。お仕置きするときも大怪我しない程度まで魔法を抑えています。私から見てもなかなかの指導ぶりでした。」

「お前がそこまで言うのか?…止むを得まい。あの子の教育を頼む。…ただし、一生残るような怪我をさせるなよ?」

「心得ている、アルフィア。…セバス殿、先程ベルの記憶を見ているというのはどういうことでしょうか?」

そうだな、それが知りたい。

 

「はい、私は【ヘラ・ファミリア】の系譜を持つ者であれば記憶を読み取れることができます。貴方が坊ちゃまに対して女性の免疫をつけるため、怪物進呈を「え!そんなことをしたのかい!?」やったり座学を徹底的にしたことも知っております。」

え?ということは、我がホームでベルをしごいた内容も把握しているということ?

あ…こっち見て頷いた…。

怖い…。

我が友よ、早く帰ってきてくれ…。

 

「なるほど…。…何故、愚兎は自分に対してああ過小評価なのです?」

「いい質問です。坊ちゃまは半年前まで同年代の方とくらべて非常に劣っていました。それがコンプレックスとなっております。」

ああ…ベルはそういうところがあるな。

すごくわかる。共感できる。

 

「やはりですか。傲慢であることもよくありませんが、弱気すぎるのも同義ですね。…自信をつけさせるのが先ですね。ただ、愚兎はお世辞に弱すぎる。」

「全くその通りです。ヘディン殿ならどうしますか?」

「…そうですね。一番いいのは同レベルと模擬戦ですが、オッタルとの戦いからスキルによる後押しがあるのはわかっております。なので、それは意味ありません。となると、深層の闘技場に放り込みますか。」

え?そ、それはやりすぎないか?

 

「何だと?貴様、あそこに放り込むだと?そんなの「お嬢様、今は引いて下さい」…くそっ。」

「闘技場で死闘を繰り返すことによって、自信をつけさせます。…セバス殿ならどうします?」

「それも良案ですな。私なら、異端児のアステリオスと坊ちゃまを戦い合わせます。」

「あの黒いミノタウロス…いえ異端児ですか。」

「ええ、坊ちゃまの冒険者の始まりはミノタウロスからです。そして、異端児騒動で塞ぎ込んでいた坊ちゃまを奮い立たせたのが、彼です。」

「……そうですか。なら深層の闘技場で、彼とモンスターの撃破数を競い合うのはどうでしょうか?魔石もドロップアイテムも得られるし、メリットは非常に大きいかと。」

「ほう、それはいいですね。採用しましょう。」

え?マジでやるの?

うわー…。我らのホーム『戦いの野』よりきついぞ、それ。

しかも、ベルの好敵手が競うならベルとしてはやる気が出るだろうな。

 

「…いいのかい、アルフィアくん?」

「…お願いしたのだからしょうがない。死ぬことはないだろう。…なら、今までより存分に甘やかしてやらんとな。鞭は奴に任す。」

「(え?今まで以上に?ならボクも!)そうだね!…ベルくん、生き延びてくれよ…。」

同感です…。

友よ、生きてくれ…。

 

『……ヘディンがあそこまでベルに対して教育熱心とは知らなかったわ。』

『思ったんだけど、何であの子を副団長にしなかったの?すごくデキる子じゃない。』

『ヘディンから断ったのよ。自分に適任ではないから、と。』

『ああ…あのメンバーをまとめるのに大変だものね。』

『失礼ね…、と言いたいけど私もそう思うわ。』

フレイヤ様…もう馴染んでいますね。

 

「「「ベル…生き延びろよ。」」」

「我が真なる友よ…気をしっかりもってくれ。俺はお前の友だからな。」

我も早く馴染まないと…。

 

だから友よ、早く帰ってきてくれ。

 




ヘグニさん、ベルに対して甘々ですね!
フレイヤ魅了騒動でも、ヘグニさんはベルに対して何かと優しくしていましたね。
シゴキを除いて…。

ベルにとって、ヴェルフ以外の男友達が増えましたね!

ですが、泊まるところは新たに別棟を建ててますので現状とあまり変わらないです…。
ベルのスキルアップのためだから、仕方がないですね!

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