白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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ベルくんの伝記0巻を読んで、三首領へ報告しているところです。
ベルくんがアルフィアの甥であることを知ったところです。


第225話 剣姫、不安。

「だがのう、あの時代で生き残れるのは難しかったぞ。守れる余裕はなかったはずじゃ。」

確かに、あの時代であの優しいベルが生き残れるかは難しかったかもしれない。オラリオにいなかった方が正解かも。

「だね。ある意味、彼女の選択は正しかったかもしれない。彼女が命と引き換えに産んだベル・クラネルが現在ああなっているんだから。」

「そやな…。母は強しといったところやな(チラッ)」

「おい、何で私を見る?…それよりアルフィアは許せん!あの少年より我々を強くすることを選ぶとは!大きなお世話だ!」

「リヴェリア…。そうでもしなければ僕らはランクアップできなかったし、今までの苦難を乗り越えることができなかった。それは事実だよ。」

「…くっ!我らの非力が故か。」

あの人が生きている…?怖い…。

ベルがいじめられなければいいけど…。

 

「ああ、ライラは言ってたな。彼女はベル・クラネルをかなり溺愛しているそうだよ。想像もできないけどね。」

「何やて?まじかー…。」

「溺愛?あのアルフィアが?信じがたいな…。あ、いや。ありうるな…。」

「どういうことじゃ?」

「メーテリアという女性に会った時に数分話をしたが、非常に穏やかで好感の持てる女性だった。あの【ヘラ・ファミリア】と真逆に位置する女性だった。だが、数分後アルフィアがすっ飛んできてメーテリアを大事そうに背中の裏へ隠し、私を魔法で吹き飛ばした…。だから記憶が定かじゃなかったんだな。」

「うわぁ、シスコンやったんや…だからその娘に似とるあの少年を溺愛するのも道理やな。」

「……だから【静寂】は、僕らに対していい感情を持っていないね。」

「え?ど、どうして?」

「アイズ…僕ら【ロキ・ファミリア】がベル・クラネルにしたことを思い返してみなよ。」

えっと…あ…。

ミノタウロス暴走…、ベートさんの暴言…、特訓でボコボコにしたこと…、異端児の件…。

あわわわ…。

 

「そんなのは、あいつがあの少年の側にいなかったことが原因だろう!」

「そうじゃのう…。だが、それを言ってわかるやつではないじゃろうが。」

「そうだね。」

「……奴と一回話をする必要があるようだな。」

ええと…私達、【ヘスティア・ファミリア】へ改宗するよね?

大丈夫かな…?

 

「あ、それからそのゼウス様がベルを半年前に育児放棄したんだって。だからベルは…家族を求めてオラリオへ来たらしいよ。」

「あの爺が?そもそも、あの少年は男やろ?すぐに放置しなかったなー。」

「そうだね。彼は男に対しては無頓着で放置主義だったからね。」

「…育児放棄だと?それでも大神か!それでも最強を誇った【ゼウス・ファミリア】の主神か!」

「あまり褒められたものではないのう…。」

「でも…ベルは私と会うことが出来た。それは、ゼウス様に感謝してもいいかも。」

「「「………。」」」

もしあのままだったら、私は間違いなく黒い炎に飲まれていた…。

ベルが救ってくれた…。

 

「そやな。あの少年がいなければウチらはあの糞神によって蹂躙されとったやろうなー。」

「そうだね…。」

「こうなるのをわかっとったから、放置したとかはあるかのう?」

「だとしても、育児放棄はすべきではない!そもそも原因は何なのだ!」

「聞いた話では、ヘラの奴が半年前に正気に返ったのが原因みたいやでー。」

「……ああ、あの塞ぎ込んでいたのが15年も続いたのか。神ヘラはああいう娘たちでも愛してたんだな。」

「そうだね。傲慢でも神ヘラにとっては可愛い子だっただろうね。」

「それでも最恐を誇っていたからのう。」

「神ヘラが復活したとなると大神ゼウスは…逃げるしかなかったのか。いくら神ヘラでもあの少年を害しない…とは限らないな。」

「ロキ…ヘラはオラリオへ帰ってくるのかい?」

「ウチらは負けたからなー。しゃーないやろ。監視付きらしいけどな。」

「…大丈夫かのう?あの若造の命は。」

「それはわからん。ただ、そのメーテリアっちゅう娘はヘラがかなり溺愛してたみたいやで。」

「そうか…。神ヘラの動向次第だな。」

ヘラ様には会ったことないけど…そんなに怖い神…?

あの怖い女の人の…主神?

ベル…大丈夫かな?

 

そういえば…。

「あ…フィン。闇派閥はまだいるの?」

「ンー、あれで全滅したとは言えないかな。いるとしても以前のような巻き返しはできないかな。」

「そうだな。オラリオ連合となった今、奴らには何もできないな。」

「そうじゃのう。だが、儂としては不完全燃焼じゃな。リーネ達の仇を直接取れなかったからのう。」

「そうだね…せめて、ヴァレッタだけはこの手で殺りたかったな。ベートに譲ったのは仕方がないけどね。」

「もう…ベルを闇派閥に関わらせたくない。もしいたら、根絶させよう。」

「ああ、そうだな。」

「そうだね、それは僕たちのケジメだね。」

「そうじゃのう…。だが、幹部は全員死んだかのう?」

「いや、少なくとも一人いる。元【エレボス・ファミリア】団長のヴィトー、【顔無し】がね。」

「!奴か…。確か【アストレア・ファミリア】と深く関わりがあったな。」

「もしかしたら、奴かもしれんのう。あの小娘達を追い詰めたのは。」

「あり得るね…。」

もしいるなら…ベルと絶対に関わらせない。

私達の手で終わらせる。

 

「あ、リヴェリア。この0巻貸すね。絶対になくさないで。」

「ああ、ありがとう。わかっているよ。ところで、明日の荷造りはできているのか?」

「まだ。ベルグッズの全部「全部は駄目だ。最低限だけ持っていけ。部屋は残しておくから」…わかった。」

さて、戻って荷造りしないと…。

 

最低限…難しい。




はい、アイズさんの報告終わりました!

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