【最強侍従】がいないと思ったら…。
「……何でドチビがおるんねん。」
「結婚式には神が必要でしょう。」
「聞いたよ。キミの眷属が結婚するんだってね、おめでとう!」
「ああ、ありがとさん。…って、そんなのウチでもええやんか!」
「では、神ロキ。貴女の司るものは何でしょうか?」
「あん?そんなの、『破滅』に決まっとるやないか!」
「「「……。」」」
ロキは駄目だな。ヘスティア様へお願いしよう。
【ヘスティア・ファミリア】の傘下ファミリアでよかったよ…。
「大変申し訳ありませんが、ヘスティア様。ラウルとアキの、二人の門出をお願いできませんでしょうか?」
「「「お願い致します!」」」
「ちょっ、リヴェリア!?みんなも!なんでやねん!」
「黙れ、ロキ。お前は二人の門出を破滅で祝う気か!戯け!」
「うぐっ…!ちくしょう!自分の司るものが恨めしいわ!」
「まあ、そうだよね。わかったよ、ハイエルフくん。僕とシノスくんに任せたまえ。」
「お願いします。シノス…?はて、君はシルという名前ではなかったのか?」
「改名しました。ベルさんに名付けてもらったんです。」
「そ、そうか…(あの少年の周りに何人いるのだろうか?あのアイズで大丈夫なのか?)」
あの子は…異端児騒動でダイダロス通りで会った…。
ロキがミアより危険人物と言ってた子か。
『おい…色ボケ。何しとんねん。』
『今の私は、ただのヒューマンですよ?神ロキ。』
『そんなの…あれ、おかしいな…。何でや?神の力が全く感じられへん…。あれー?』
『ふふふ…私も驚いているんです。』
『…それもベルたんか…。あーちくしょう!あの門番、コレが終わったらマジで探したる!』
『…それは私もですよ。目をつけた時にすぐに取るべきだったんです。』
『逃した魚は大きいとちゅうことか…。あまりにも、どでかすぎるわ!』
『神すらも超えるんですものね…。』
?何でロキとため息ついているんだい?
どう見ても…ヒューマン?いや…ヒューマンのはずなのに何故だ?
違うと親指が言っているような気がする。
「では、まず新郎の入場です。」
『いつの間に取り仕切られているわよ…。』
『いいじゃん!おかげで時間的にも精神的にも余裕できたじゃん。』
『そうですね。』
『ラウル…いつもより増して凛々しい?』
【最強侍従】…君もノリノリじゃないか。
まあ、おかげでこの短時間でこんな豪華にしてもらったのだから。
ベルに借りがまたできてしまったな…。
そして…ラウル。漢の顔をしているな。
…次期団長として本格的に腰を入れてみるか。
アキと、ラウルとアキの子のためにも。
「そして、神ロキに連れられて花嫁の入場です。」
『うわぁ…アキさんキレイ…。』
『ひっく…えっぐ…アギさんよがっだでずねえ。』
『エルフィさん、ほらハンカチですよ。』
…これはまた。
【最強侍従】、力を入れすぎだろう…。
「坊ちゃま。こちらの花火玉にチャージしてくれませんか?」
「へ?は、花火玉に?」
「はい。深層の闘技場の時と同じでお願いします。」
「!わかったよ。でも…大丈夫?」
「問題ございません。」
リン リン
「さて、ボクは他派閥の神だけど親ファミリアとして、キミたちの門出をお祝いさせてもらうよ(本来なら結婚を司るヘラがやったほうがいいんだけどなー)。」
「そして、神フレイヤの元眷属であるシノスも、神フレイヤに代わりヘスティア様をお手伝いさせていただきます。」
(代わりやないやろ…本神そのものやろが。)
リン リン
「よくある誓いをするんだけど、ここではボクのやり方でやらさせてもらうよ。ゴホン…。」
「ー只今より誓いの時を開始する。」
「「は、はい!」」
(((記者会見の時の…!)))
リン リン
「ーそなた達はお互いを愛しているか?」
「「はい!愛しています!」」
リン リン
「ーそなた達はお互いを裏切らないか?」
「「はい!裏切りません!」」
リン リン
「ーそなた達はお互いを支え合うことを誓えるか?」
「「はい!誓います!」」
リン リン
「ー嘘は言ってないことを確認した。よろしい、我が司る『不滅』において」
「神フレイヤが司る『愛』において」
「「ー二人のこれからを『不滅の愛』で祝福します。」」
「「ありがとうございます!」」
リン リン
『不滅の愛』か…。
これまでにない最高の祝福だな。
悪いけど、ロキにはできないことだな。
「ひっく…えっぐ…ラウル、アキ、よがっだなぁ…。」
「『不滅の愛』か…。彼らに感謝しなければならんな。我々だけでは到底ここまで豪華にできなかっただろう。」
「そうじゃな。…さっきから何じゃ?鈴の音がするんじゃが?」
「…!まさか…。」
ベル…その手に持っているのは。
リン リン
「キスしやがれ!てめえら!」
「「「そーだ!そーだ!」」」
「やれやれ、月並だけど。今、ここにボクたちを前にして誓いのキスを!」
「ラウル…。」
「アキ…。」
リン リン
『坊ちゃま、今です。真上へ思い切り投げて下さい。』
『わかった!』
ブンッ!
チュ…。
「「「きゃあああああ!」」」
「「「ヒュー!ヒュー!」」」
『はい、魔法をお願いします。』
【ファイアボルト】!
「お?何や何や?」
「ベル・クラネルが真上に魔法を?」
「何をするんじゃ?む…鉄球か?」
「いや…あれは。」
ドーーーーーーン!ドンドンドンドン!
これはまた…すごいね。
ベルのチャージは武器だけでなく、物にもできるのか…。
はぁ…本当に惜しい、惜しすぎる。
「きゃっ!…すごい…。」
「うわぁ…でかい花火…。しかも複数…。」
「キレイ…。」
ああ…。ただの花火じゃない。
これは…なんだろう。
清らかな感じがする。
『これ…すごくないかい?』
『ですね…こんなでかくて派手で…清らかな花火は初めてです…。花火玉1つで』
『ベルのチャージは聞いていたが、花火玉1つでここまでとはな…。』
『ふむ、うまくいったようで何よりです。』
『試作第一号は問題ないですね。』
『はぁ…はぁ…。僕がやったのもなんだけど、すごくて綺麗だね!』
「~~~っ!よっしゃー!宴やー!ラウルとアキの結婚だけやない!リーネたんの復活もや!…そしてアイズたん、ティオナ、レフィーヤ、アリシアの一時サヨナラ会や!まとめてパーッとやるでー!」
「「「わぁぁぁぁぁぁ!」」」
これ以上ない、始まりの花火だな。
「うめえ!この肉料理うまい!」
「こっちの野菜料理もよ!美味しいわ!」
「『豊穣の女主人』で食った料理より美味いぞ!コレ!」
そうだね…こんなに美味いとは。
【ゼウス・ファミリア】が精強な理由はザルドの料理かもな。
「どうしたぁ、ティオネ?その程度かよ?」
「まだまだよ!負けるものかぁ…グビグビ…。」
(あたしが飲んでいるのは水だけどな。単純な奴だぜ。)
「ほら、ラウル。あーんして。」
「あーん…、美味いっす。ほら、アキも。」
「あーん。…美味しいわね、このケーキ。」
「この美味いケーキが、あの【ゼウス・ファミリア】の【暴食】が作ったものとは思えないっす。」
「本当ね…。お店でもやれるわよ、これ。」
……本当に場を憚らないようになったな。
まあ、いいことだ。
想い合っている二人がこうして結ばれたのだから。
「…よかったですね。ようやく結ばれることができて。」
「ヒック…私も団長と、絶対に結婚式を上げてみせるわ!」
「あー、ハイハイ。うわ、酒くさっ!」
「こいつ…絡み酒かよ。」
「幸せそう…二人とも。」
……そうだな。
あ……。
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「どこへ行く気だい?」
「ホームへ帰りますが、何か?」
「別に今でなくても…、あいつらもお前達にお礼言いたいだろうに。」
「それは無粋というものです。」
「せっかく美味い酒もあるがのう…、お主の復活祝いも含めてな。」
「悪いな、またの機会にしてくれ。腹すかせている奴らが待っているんでな。…特にこいつの帰りをな。」
…無理に引き止めるわけにはいかないか。
「…すみません。お楽しみの最中で。」
「ボクたちはあの場にいるべきじゃないさ。キミたち自身が楽しまないと。」
「そうですよ。せっかくのお祝いの場なんですから。」
「…深く感謝するよ、本当に。リーネだけでなく、ラウルとアキの件も。…アイズたちを頼むよ、ベル。」
「はい!」
彼に任せよう…。
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「……彼には返しきれない恩ができたね。」
「そうだな。あまりにも大きすぎるな。」
「そうじゃな。あの若造は気にしてなさそうじゃが、それでは儂らの気が済まぬのう。」
「そうだね。」
これで【ロキ・ファミリア】は、完全に【ヘスティア・ファミリア】の傘下に入ったな…。
皆も不満など言うわけがないだろうな。
あ…まさか、これを狙っていた…?
「団長ー!どこですかー!」
「リヴェリア様ー!お話をお願いしますー!」
「ガレスさーん!この秘蔵の酒空けていいですかー!」
「全部空けてもええでー!どうせ、ウチは明日からホーム禁酒やからなー!」
…例え、狙っていたとしても。
皆の心からのあの喜びと笑顔を無下にするわけにはいかない。
「行こうか、宴はまだこれからのようだ。」
「やれやれ、ロキのやつ。明日から禁酒だからといって、全ての酒を空けなくてもいいだろうに。」
「がははは!いいではないか。あいつらがお膳立てしたこの宴を楽しまないと損よ!」
そうだな、楽しまないとな。
そして、その宴は日が変わっても続いた…。
ヘスティアとシノス(フレイヤ)の合同による、『不滅の愛』で祝福です!
そして、ベルのチャージで溜めた花火によって宴開始です!
【ロキ・ファミリア】は【ヘスティア・ファミリア】の傘下に入ることが完全に決まりましたね!
…勇者は隙あらばと思ってたようですが、ここまでされたらお手上げですね!
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