白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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ベルのスキル【時駆白兎】が発動しました!
救うのは…誰でしょうか!?


第237回 白兎、発動Ⅳ/執事長、感嘆。

うわぁぁぁぁぁぁ!

また!?発動した!?

事前に言ってよぉぉぉぉ!

『ザルドを棺桶から取り出し、代わりのものを入れよ。』

ザルド…さん?

【ゼウス・ファミリア】の【暴食】であり、7年前にオッタルさんと戦って死んだ人…?

!!

絶対に助ける!

 

ドーン!

 

ここは…確か【フレイヤ・ファミリア】のホームに似ている…。

棺桶…あそこにザルドさんが…。

代わりのもの…酒樽…これしかない!

 

そして僕はレベル5の力で酒樽数個を棺桶の側へ急いで置いた。

「ええと…その失礼しまーす。……うわ、大きい人。この人が…ザルドさん。」

カツカツカツ…。

!!

は、早くしないと!

 

僕はレベル5の力で、自分の倍もあるザルドさんを急いで取り出し、酒樽を入れた。

これでよしっと…。

 

『ミッションコンプリート!』

愚者さん!お願いします!

 

■■■■■■■■■■■■■■■

 

坊ちゃまのこのスキルは本当に規格外ですね。

「…?何故、貴様らはそんなに冷静なのだ!ベルが穴に飲み込まれたのだぞ!」

「黙りなさい、小僧。」

「必ず戻ってくることをわかっていますので、冷静なのです。」

「上に何が…え?穴?…やはり…時空の…。」

神フレイヤ…いえシノス嬢は何かに気づいたようですね。

 

シノス嬢にも【白兎眷属】が発現し、神威を完全に封じられたと。

思わず笑いそうになりました、坊ちゃまを愛するがあまりに神であることを封じられるとは。

坊ちゃまの眷属になったことで、元主神ヘラは更に手出しできなくなりましたね。

 

ドドーン!

 

「うう…、愚者さん!」

(わかっているとも。今度は…【暴食】!?ああ、もう!)

【開け戒門、冥界の河を越えて。聞き入れよ、冥王よ。狂おしきこの冀求を。止まらぬ涙、散る慟哭。代償は既に支払った。光の道よ。定められた過去を生贄に、愚かな願望を照らしてほしい。嗚呼、私は振り返らない】

【ディア・オルフェウス】

 

「ぐっ…何だこの光は…。ベル、大丈…なっ!ザ、ザルドだと!?馬鹿な!」

「メイ、どうです?」

「………セバス。あの時の貴方の気持ち、神ガネーシャ、神アストレアの気持ちがわかりました。これは動揺しても仕方がありません…。復活しましたよ、坊ちゃま。ありがとうございます。」

「本当!?よかった…。」

無事に成功できてよかったです。

これで…【ゼウス・ファミリア】【ヘラ・ファミリア】が復活できました。

それが坊ちゃまのスキルとは何たる皮肉ですな。

今頃、クソエロ爺は驚愕していることでしょう。

 

「ぐ…うう。」

「な、何だと!?馬鹿な、死んだはずだぞ!?」

「黙れ、小僧。さっさと、未知を既知へ変えろ。」

いつまでも動揺しているのですか。

遅すぎます。

 

「だ、だが!こんなの…あり得ない!…はっ、【アストレア・ファミリア】の【狡鼠】がいたのは…。」

「その通りです。」

「む…うん?ここは…クノッソスか。」

「ザル坊、15年ぶりですね。」

「ぎゃああああああああ!メイ!ゲフッ!」

「五月蝿いですよ。ザル坊。」

【暴食】が復活したあまりに喜んでおりますな。

 

「ガハッ…、この蹴りは間違いない…。な、な、何でお前がここに!?…だ、誰が解放した!?」

「この方でございます。【暴食】…いえ、ザルド殿。」

「セバス…、お前もか。こいつは…誰だ?…!!この性質…この違和…この『状態』…まさかあの馬鹿の子か!?」

ほう、さすがに分かりますか。

【暴食】と名乗るだけはありますな。

 

「そうです。悪食を極めた甲斐がありましたね。ザル坊。」

「坊はやめろ…。メイ、お前は15年ぶりと言ったな?となると、今は俺が死んでから7年後か。」

「さすがですな、ザルド殿。小僧、これが未知を既知に変えるということです。」

「……無茶苦茶を言うな。俺にわかるよう説明してくれ…。」

「これが【時駆白兎】…。ベルさん、規格外すぎます…。」

未知を既知にすぐに切り替えないから、いつまでも経ってもそのままなのです。

確かに坊ちゃまのスキルは規格外です。

だからと言って、驚くばかりでは駄目なのです。

 

「は、初めまして!ザルドさん!ベル・クラネルと言います!」

「おう、ザルドだ。……すまんな。7年前にアルフィアを無理やり連れて、お前のところへ行くべきだった。」

「!!……ううっ…。ひっく…ひっく…。」

「すまんな…、ベル。」

坊ちゃま…よかったですな。

 

「…アルフィア?あの…シル様「今はシノスですよ、オッタルさん。」シノス様…まさか【静寂】もですか?」

「正確には、7年前炎の海に飛び込む前につれてきました。」

「……俺にわかるよう説明してくれ。」

「仕方がありませんね。だから1週間前までレベル7なのです。」

「何だと?お前、レベル8になったばかりなのか?何やってんだ?」

「………面目ない。だから、説明してくれ。」

説明しないとわからないとは、不甲斐ないですね。

仕方がありません。

 

-----------------------------------

 

「………信じられんが、【静寂】にザルド、【アストレア・ファミリア】の奴らがいる以上信じるしかないな。……負けるわけだ。」

「てめぇ…。何たる脆弱、何たる惰弱だ。情けねえ。」

「……すまん。」

全くです。

 

「まあ、いい。ベル、お前結構強いな。レベルは8か?」

「ぐすっ…いえ、レベル5です!」

「は?…だが、おかしいな。この状態はうちの団長に近いはずだが…。」

「ザル坊。貴方の悪食で坊ちゃまはレベル8なのですね。」

そこまでわかるのですか…。

悪食をどれだけ極めているのですか。

 

「そのはずだ…。鈍ったか?」

「…いいや、鈍っていない。ザルド。ベルは昨日、レベル8の俺を倒した。」

「は?…レベル5のベルがレベル8のお前を?…メイ、事実か?」

「もちろんです。一騎打ちで堂々たる勝利でした。」

ええ、レベル8の小僧の必殺技を真っ向から勝負して、それを打ち破りそのまま旗を燃やすとはさすがに驚きました。

 

「……そうか。お前が【最後の英雄】に選ばれたのか。」

「…ザルドさん、僕は【最後の英雄】にはなりません。」

「何だと…?」

「僕は…【最強最高の英雄】になりたいんです!」

「!!…はははははは!そうか!そうだな!はははははは!そうでなくてはな!」

「わわわ!髪をぐしゃぐしゃにしないでー!」

「ああ…悪い。…やはり7年前にお前のところへ行くべきだったな。…こんな糞餓鬼共にやるくらいならこいつにやるべきだった。」

「……すまん。」

さっきから謝ってばかりですな。

不甲斐ないですね。

 

「あ、あの!ザルドさん!お義母さんとザルドさんが、オッタルさんとフィンさんたちを強くさせたからこそ、僕は強くなれたんです!」

「!…そうか。なら、俺らの死は無駄じゃなかったということだな。ありがとうな、ベル。」

「えへへ。」

ええ、無駄ではありませんでした。

ランクアップしてないことには失望しましたが。

ですが、坊ちゃまへの試練としてはちょうどよかったですな。

 




はい、ベルの父方【ゼウス・ファミリア】の【暴食】ザルドさんです!
悪食でベルが同僚の息子であること、レベル8と同等であることを見抜きました!

オッタルに対して、かなり嘆いていますね。
ベルの【最強最高の英雄】に対して喝采しています。

これで、【暴食】復活となりました!

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