残るのはアイズたんかー。
ううー…放したくないんやけどなー。
けど、負けたからしゃーないわ。
「さて、残るのはヴァレン某くんか。いいのかい?ロキ。君が一番可愛がっている子だろ?」
「ウチとしては当然放したくないねん。…しゃーないやろ。」
「では、ヴァレン某くんに…「その前に、アイズについて話をしておきたいです。ヘスティア様」ふぇ?」
……そやな、ドチビには事前に言っとかないとアカンわ。
アイズたんは、他では言えない事情があるんねん…。
「【最強侍従】、お前は外して……いやアイズを見つけたのは、お前たち【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】だったな…。」
「はい、彼女のこともご存知です。もっとも、彼女が目覚めた時は貴方たちのところでしたが。」
「そうだったな…。ヘスティア様、アイズは…」
ドチビなら受け入れられるやろ。
あの知性のあるモンスター…いや異端児を受け入れたドチビなら。
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とうとう改宗かー。
「一ヶ月ぶりだね。ヴァレン某…いやアイズくん。」
「はい、ヘスティア様。」
「改宗する前に、何故改宗したいかを聞きたいんだけど?」
「ベルの側にいたいです。」
「……なぜかな?」
「……ペット?」
ゴン!
「ひうっ!」
「すみません…。その、アイズは少々、いえかなり天然なところがあるので…。」
「アイズたん、それはあかんで…。」
あの少年を身近に思うのはわかるけど、その例えがペットじゃあかんやん…。
誰が教えたんや!
……あ、ウチやわ。
「あー、ハイエルフくん。ボクは、ロキの子の中で一番多く話したのはヴァレン某なのでわかっているよ。アイズくん、ベルくんはキミのペットじゃない。それはわかっているかい?」
「……え、そんな。」
「そんな世界が終わったような顔をされても…。」
「そこまでの天然と思わんかったわ…。」
……つまり、そのぐらいあの少年を想っているわけやな。
妬いてしまうわー。
「少々時間をいただけますか?このバカ娘に話を「不要です」何だと?」
「【九魔姫】、そんな頭ごなしに叱っては何もなりません。私にお任せください。」
「な…「リヴェリア、メイたんに任してみよーや」…わかった。」
メイたんは、【ゼウス・ファミリア】のあの連中共を手懐けたんやからな。
どうやるんやろなー。
「アイズさん、貴方はじゃが丸くんが好きですね?」
「え?あ、はい!大好きです!」
「では、他の人がじゃが丸くんを食べるのは許さないのですか?」
「え?それはないです…かな?」
「そうですね。もし坊ちゃまがアイズさんのものとしたら、部屋に閉じ込めてご飯も食べさせず寝かさず誰とも話しさせないのですか?」
『…ヘラやん。』『ヘラだね。』
うわー…メイたん、極端なことを聞いてきたなー。
まあ、アイズたんにとってはわかりやすいかもな。
「そ、そんな恐ろしいことはしません!」
「貴女が先程言ったのはそういうことですよ?」
「あ…い、いえ!ち、違います!違うんです、ヘスティア様!」
「あー…、うん。わかっているよ(メイくん、極端だなあ)。」
(極端だろう…それで通じるアイズもアイズだ。もっと座学の時間を設けるべきだった。)
アイズたんがここまでとは思わんかったわー。
まあ、戦闘中毒から大きな進歩と言ってもええぐらいやけどな。
「アイズくん、キミのことはロキ、ハイエルフくん、そしてメイくんから聞いているよ。」
「え?何で…そのメイドさんが?」
「ああ、紹介不足でしたね。私は元【ゼウス・ファミリア】専属メイドのメイです。貴女をダンジョンで見つけたファミリアの一員です。」
「!!」
「なので、貴女のこともご存知です。『大精霊』アイズさん。」
「……私は、大精霊じゃありません。」
「ええ、そうでしょうね。ですが、貴女の使う風はただの精霊の風ではありません。戦争遊戯で確信しました。貴女の風は大精霊そのものです。数百年、神時代を生きた私が保証しましょう。」
「!!」
……アイズたんは、あの爺と最悪女のとこでずっと眠ってきたんや。
起きたのは…あいつらが黒竜に遠征に行ってきてウチらに預けた時や。
……起きてすぐ、数年ずっと泣いてばかりやった。
「今はそれを置いておきましょう。ただ、改宗したからにはここのルールに従ってもらいます。いいですね?」
「は、はい。」
「従わなかったら…」
「し、従わなかったら…?」
「オラリオ中のじゃが丸くん屋台から出入禁止させます。」
「従います!従いますから、それだけはやめてください!お願いします!」
うわー…アイズたんの弱点を見事に突いとるで。
『必死すぎるやろ…。泣いてるで。』
『それはありえんと言いたいが、【最強侍従】のやることだからあり得そうだな…。』
『そうだね、メイくんのやることに不可能はほぼないから…。』
「ひっく…ひっく…。」
「あー、アイズくん。ほら、泣かないで。はい、ちーん。」
「ちーん」
もうドチビに懐いとるな。
この分なら大丈夫やろな。
「………大丈夫なのか?この娘を改宗させて、迷惑をかけないだろうか?」
「ウチもそう思うけど、今更やん。」
「では、改宗を始めようか。ロキ。」
「ほいほーい。」
手放したくはないけど、しゃーないわ。
「……アイズたん、ドチビならアイズたんをわかってくれるはずや。ちゃんと言う事を聞きや?」
「うん。わかっている。ロキと違うから。」「グハァッ!」
「では、ボクだね。………なるほどね。」
「あ、あの…ヘスティア様。」
「アイズくん、キミが何に復讐したいか、何故復讐をするのかは聞かない。それはキミ自身が解決すべきだ。もし、誰かに相談したいならボクに言いにおいで。一緒に悩んで考えよう。」
「!……少し時間を…いただけますか?」
「ああ、もちろんさ!」
……アイズたんのあのスキルを見て、それかいな。
さすが、あの糞爺と最悪女と友好を持つだけはあるわな。
『……ヘスティア様は神格者だな、本当に。』
『ああ、あの異端児でも保護する女神やからなあ。』
『……そうだな。あの少年とあの同胞だけでなく、ヘスティア様もおられるならまず安心だな。』
『随分と心配やんけ。』
『当然だろう。ロキこそないのか?』
『他の神ならともかく、天界でも上位に入るほどの神格者やからな、ドチビは。』
『何だ、お前もあてにしているではないか。』
『まーな。…ウチではアイズたんの心を解放することができんかった。やから頼むで…ドチビいや、ヘスティア。』
アイズたんの…黒い炎を払ってくれや。
ホンマに頼むで、『悠久の聖火』を司る、オリンポス最強大女神ヘスティア。
ロキ様、ヘスティアへアイズさんのことを心の中ではお願いしていますね。
ロキ様はあの手この手でアイズさんを教えてきたけど、それは逆効果でしたね。
リヴェリアさんの苦労がしのばれます…。
そして、アイズさんはヘスティア様にかなり懐いていますね。
じゃが丸くんを作っている女神、というのもあるけど慈愛が深い女神であることをわかっていますね。
ロキは自分にできなかったことをヘスティアへ託すのもわかります。
ヘスティアは、異端児を受け入れた女神ですからね。
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