まだ、やることがありました。
それは…。
第245話 九魔姫、口論。
さて、これで改宗は終わったな。
あいつらはヘスティア様と【最強侍従】に引き連れて案内しにいったな。
アイズはすっかりヘスティア様に懐いたな。
大丈夫だろう…多分。
後は…。
「【九魔姫】、少しよろしいですかな?」
「…気配を出さずに背後に立つのはやめてほしいのだが。心臓に悪い。それで、何用だ?」
「お会いになられたいのでしょう?」
「ああ。一言言わないと気が済まない。」
「では、ご案内致しましょう。」
「ああ、おい行くぞ。ロ…キはどこだ?」
「神ロキなら、あちらのザルド殿と酒を飲みながらお話しておりますよ。」
「あいつめ…ホームでは禁酒だからといって。まあ、いい。帰り際に拾っていくとしよう。案内してくれ。」
「では、こちらでございます。」
そして、私はあの女がいると思われるところへ案内してもらった。
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案内してもらったところには、やはりあの女がいた。
傲慢ぶりは変わらんな…。
あの時より更に強くなっているような気がするのは、気のせいか…?
「…何用だ。年増ハイエルフ。」
「久々だな、アルフィア。生きていたとはな。」
「ふん、まだレベル6で止まっているのか。何が魔法種族だ。」
「五月蝿い。大きなお世話だ。」
「お二方、紅茶を飲んで落ち着かれなされませ。」
「む…。」「……ふん。」
いかんな、この女の前ではつい感情が高ぶってしまう。
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ふぅ…久々に【最恐執事】の紅茶を味わったな。
中々の腕前だ。
さて…。
「……何故あの少年のところへ行かなかったのだ。」
「……行けばよかったと思っている。貴様らがこの程度で止まるとは思わなかった。」
「……そうだな。それは我らの怠慢と言ってもいいだろう。」
「いやに素直だな?」
「貴様らと違い、こちらは安全優先で進んだからな。若手を育てる優先で自分を高めるのを後回しにしたためだ。」
そうだ。犠牲を増やしたくはなかったのだ。
だが…それは我らが前へ進まないことになってしまった。
「なるほど。だからダンジョンの子がレベル6になったのか。」
「そのダンジョンの子はやめろ。アイズという名がある。だが…あの子はなりふり構わず強さを求めてきた。その結果だ。」
「それが普通だ。【ヘラ・ファミリア】にとってはな。」
「そうだろうな。だが、我らにそんな真似はできなかったのだ。」
「言い訳にならんな。」
「ああ、ならないとも。最恐と言われる貴様らと同じ真似はな。」
「……ふん。」
最恐と言われるだけあって、犠牲を犠牲と思わないのがあったからな。
それだけは真似したくはなかった。
【フレイヤ・ファミリア】の【戦いの野】は、【ヘラ・ファミリア】を真似たのもあったがな。
一応、聞いておこう。
「ベル・クラネルは…お前の妹メーテリアの一人息子なのか?」
「当たり前だろう。見てわからんのか?」
「あの時、お前が魔法で私を吹き飛ばしただろうが。」
「その程度で記憶が飛ぶのか?もう痴呆症か?【戦場の聖女】に診てもらえ。」
「っ!!」「喧嘩なら買うぞ?」
「落ち着かれなされませ、お二方。お嬢様もいちいち挑発しないでくださいませ。」
何で、こいつは私を一々怒らせるのだ!?
…王族妖精と見ないのは、アイナとこいつぐらいだ。
だからだろうか…。
「お嬢様、【九魔姫】は坊ちゃまがレベル1の時に幾度か世話になっておりました。」
「(…ちっ…)うちの義息子が世話になった…。礼を言う。」
こいつが私に礼を言うとはな…だが。
「…いや、世話になったのはこちらもだ。」
「何だと?」
「アイズのことだ。」
「ベルはやらん。」
「そこまでは言ってないだろう…(本当に溺愛しているのだな、あの少年を)。先程も言ったが、アイズはなりふり構わず強くなった。だが、精神的にはまだ子供だ。強くなることしか考えてなかった。」
アイズは…変わった。
「それとベルと何の関係があるのだ?」
「アイズはあの少年と会った時から変わったのだ。半年前までは私の言う事も聞かずダンジョンへ潜り、ただモンスターを倒すことしか考えていないぐらいにな。アルフィア、お前でもダンジョン以外に料理や服などを嗜むぐらいはあったはずだ。」
「ヘラの方針だ。あれもこれもやれ、と言われた。そうだろう、セバス?」
「そうでございますな。ですが、アイズ嬢は行き過ぎでございます。言うなれば修羅そのものでございます。」
「修羅、か。そうだな、言いたくはないが一言でいうとそうだった。だが、あの少年と会うことでアイズは修羅から抜けつつあったのだ。」
アイズがあのまま行けば、黒い炎に飲まれていたのは確実だった。
「……お前はその娘を躾けなかったのか?」
「したさ!何度もな!料理を嗜む楽しさも、服を選ぶときめきもな。だが、あの娘はそれも全て拒否しモンスターを狩るのみだった!」
「…異常だな。何故だ?」
「お前も知っているだろう。アイズは…ダンジョンの奥深くにいた。アイズが目覚めたのはお前たちから私達の手元に置いてからだった。アイズは…黒竜を憎んでいる。」
「!!」
驚くだろうな、アイズが黒竜と関係があったことを。
アイズが目覚めたのは【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】が黒竜討伐に失敗した時だった。
その後ずっと泣いてばかりで、私達がなだめても聞こうとはしなかった。
「父母を奪われたことでな。アイズはその憎しみのみで生きてきた。あれでもかなり躾けたのだぞ?7年前のアイズ、覚えているだろう?」
「まるで獣だったな。」
「ああ、そうだ。あの時からかなり躾けて今のようになったのだ。苦労したのだぞ?」
「お嬢様の記憶から見ますと、かなりの進歩ですな。獣からようやく人間になったような感じですね。」
そうか、【最恐執事】は【ヘラ・ファミリア】の眷属…いや系譜を持つものなら記憶を読み取れるのだったな。
なら、当時のアイズを知っててもおかしくはないか。
とうとう、アルフィアさんと対面です。
やはり喧嘩し始めましたね。
セバスがいなければ、その部屋はめちゃくちゃになっていたでしょうね。
そして、ベルくんのこれまでやアイズについて語り合っています。
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