白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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アイズさんの教育をセバスに任せたリヴェリアさんです。
そして、本題へ入ります。


第256話 九魔姫、安心。

かなり時間がかかったが、本題に入るか。

「それはさておき。何故【白妖の魔杖】に寝取られたと言ったのだ?」

「だって、ベルの師匠は私なのに…。ベルを鍛えたのは私。」

「鍛えた?ああ、彼がレベル1とレベル2の時か。私はその様子を見てないからわからんが、どうなのだ?セバス殿。」

「え?」

「アイズ嬢、私は【ヘラ・ファミリア】の系譜を持つ者なら記憶を全部見ることができます。貴女が坊ちゃまとした修業内容も全部知っております。」

「え」

……こいつ、何か隠しているな?

だが、無駄だ。

セバス殿はあの少年の記憶を全部読み取っているからな。

 

「それでどうなのだ?」

「一言でいうと、戦えばわかるというものです。ティオナ嬢の方がマシでございます。」

何だと?ティオナの方がマシだと?

余程の事だぞ、それは……。

 

「ま、待って下さい!私はちゃんとアドバイスをしました!」

「ええ。ですが、ティオナ嬢は事前にアドバイスしていました。アイズ嬢は片言だけでした、それも打ちのめした後に。」

「……この子が人に教育できないというのはわかっていたが…。その、何だ。うちのアイズが申し訳ない。」

「…野生児だから仕方がないですまそう。でなきゃ、塵屑にしているところだ。」

「塵屑!?」

そうされても仕方がないことやったのだ、お前は。

自覚しろと言っても、わからんだろうな。

 

「また、ティオナ嬢は手加減をきちんとやっていました。アイズ嬢は手加減を間違って、坊ちゃまを数十回も気絶させていました。」

「……お前。」「……(プイ)。」

……人への教え方が致命的に下手とわかっていたが、座学の時間を多く作るべきだったな。

 

【白妖の魔杖】は元王族だったと聞く、人へ指示することや教えることは慣れているだろう。

どういう教え方をしているのかが気になるが、あの少年がかなり慕っておりこの【最恐執事】が認めるくらいだから問題ないだろう。

 

「アイズ嬢、誠に残念ですが貴女と坊ちゃまの師弟関係は最悪でございます。」

「(ガーーーーン!)………………………。」

『すごくショックを受けているぞ、この野生児。』

『あの少年が五体満足であったことに、感謝せねばならんな。』

だろうな、この子の教え方は身をもって教えるタイプだ。

セバスの言う通り、師弟としては相性最悪だろうな。

相手がこの【静寂】のような天才タイプでない限り。

 

「ですが、それ以外の関係は問題ありません。」

「そ、それは、何ですか!教えてください!(ベルの関係を断ち切られたくない!)」

『おい、必死で食らいついているぞ。』

『この子がじゃが丸くん以外でこうなるのは初めて見たな…。』

あの少年の関係が師弟関係と思いこんでいたからな。

それを取り上げられたら、あの少年との関係がなくなるのを非常に危惧しているのだろう。

それが恋ではなく師弟であることを勘違いしているのだ。こいつは。

 

「知りたいですか?」

コクコクコクコク!

「ここで暮らしていく内にわかりますよ。ただわからないことは放置してはいけません。私とメイに相談するように。ヘスティア様でも構いませんよ。ただし神ロキは駄目です。今後一切近づいてはいけませんよ?」

「は、はい!わかりました!」

早速ロキへの接近禁止を言い渡されたな、まあ妥当だな。

それに…。

『……ロキを遠ざけるのはいいとして、もうセバス殿に逆らえなくなったな、こいつ。』

『うまく手懐けたな。もう一押ししておくか。』

おい、何をする気だ?

 

「おい、野生児。見本となる女性を教えてやる。」

「えっ…だ、誰ですか?」

「エイナだ。」

「ああ、なるほど。エイナならいい見本だろうな。」

エイナは非常に優秀だ、ギルドの受付嬢のトップに立つぐらいな。

ギルドで働くとアイナから聞いた時、うちへ入らせなかったのは何故かと聞いたら「ロキが邪魔。教育にも悪いし、エイナが淫らになったら困る。」と言ってた。

 

まあ、アイナの気持ちはわかる。

ロキの扱いにはもう諦めているところだ。

 

「あと、リヴェリア嬢。レフィーヤ嬢のアイズ嬢への構い方をどう思いますか?」

「ああ…。先輩と後輩の範疇を超えているな。注意しておこう。」

レフィーヤはアイズに対して恋慕の気持ちを持っているだろう。

それはそれでいいかもしれんが、両人のためにならん。

あの少年が間に入ってくれれば、問題ないだろう。

 

「戦争遊戯で、私に魔法を放った奴か。レベル4にしてはなかなかの腕前だな。」

「ああ、私の後継者とみなしているやつだ。」

「ほう。」

いい機会だ、この際お願いしておくか。

 

「…よければあいつに手ほどきしてほしいのだが…。」

「ふむ…ステータスの詳細を教えろ。」

 

-----------------------

 

「なるほど、確かに強力だな。お前は王族妖精だったな?オラリオにいるエルフ全員へ告げろ、お前たちの魔法を教えろと。」

「無茶苦茶を言うな…。」

「同族の魔法を使えるのだろう?なら、手札が多いに越したことはない。」

「確かにそれはそうだが…私より上の魔法はそうそうないと思うぞ?それにあいつは、今で精一杯だ。」

それに同族の魔法を使えると言っても、かなりの精神力を使うのだぞ?

オラリオ中のエルフの魔法を覚えるだけでもキツいぞ。

今のままで慣れさせておくのが吉だ。

 

「ちっ…使えんな。…まあ、目をかけておこう。」

「頼む。あいつに悔しさを味わせてやってくれ。」

「そうですな、レフィーヤ嬢を鍛えたほうが坊ちゃまのためになりますからな。」

「ほう。」「何だと?」「えっ?」

何だと?何故あの少年のためになるのだ?

敵視はしてないが、好敵手として見ているのは確かだが。

 

「18階層でレフィーヤ嬢が坊ちゃまを追いかけ回した時がありましたね?」

「ああ、あの時か。」

「あ…2人がいなくなった時の。」

あの時は頭を痛めた。神ヘルメスの悪戯とわかってただろうに…。

 

「その時に、闇派閥が仕掛けた罠にかかってしまってお二人は即興の連携で切り抜けましたが、なかなか見事なものでした。」

「ほう、具体的にどうやったのだ?」

「声掛けもありましたが、お互いどのような動きをするのかを何故かわかっておりました。意思疎通とはまさにあの感じですな。」

それは初耳だな。

そうか…あの少年の相方としてレフィーヤは最適なのか。

なら、改宗させて正解だったな。

 

「ふむ…あの2人がな。」

「中衛と後衛の組み合わせとして、坊ちゃまとレフィーヤ嬢は相性が良すぎます。恐らくオラリオ、いえ世界でも一番でしょうな。」

「そ、そんな…。」

…レフィーヤにあの少年を取られると思っているな。

そんなことはないと何故わからんのだ…。

 

「ご安心を、アイズ嬢。前衛と中衛と後衛として、アイズ嬢と坊ちゃまとレフィーヤ嬢の組み合わせは抜群でございます。」

「ほっ……。」

「それでも、お二人の連携には及びません。代わりにティオナ嬢とルゥ嬢が前衛でも問題ありません。」

「えっ……。」

だろうな。ティオナでも問題ないだろう。

だが、何故そこまで相性がいいのだ?

 

「何故なのだ?あの2人はそんなに仲が良さそうには見えないが?」

「それは私もわかりません。こちらで様子見することで何かわかるかもしれません。」

「そうか、頼む。」

「あ、あの…私は。」

「ご心配なく、坊ちゃまはアイズ嬢をしっかり見ております。ですが…」

「で、ですが…?」

「他の女性も多くおられますから、どうなるかわかりませんな。」

だろうな、あの少年のスキルからして多くの女性に囲まれるのは目に見えている。

それをこの娘はわかっているのだろうか?

 

「ど、どうすればいいのですか!」

「落ち着いて下さい。大丈夫ですよ。私とメイ、そしてヘスティア様がおられます。1人で悩まず相談して下さいね。」

「は、はい!わかりました!」

……セバス、うまいな。

せめて、うちにいたらアイズをお願いしてたのだが、当時は縁がなかったのだからやむを得ないな。

だが、まだ初日だぞ?

 

『落ちたな。』

『改宗してまだ初日だぞ…。さすがは【最恐執事】と言ったらいいのか…この娘が単純なのか…、もっと座学の時間を設けておくべきだった。』

『この野生児が座学をやるわけないだろう。体に直接叩き込んでやらないとわからないのではないか?』

『そのせいでアイズはカナヅチになってしまったのだ…。』

『……下層の『巨蒼の滝』をよく切り抜けたな?』

『魔法を使って、水上を一気に駆け抜けて深層で待機していた。』

『先が思いやられるな…。』

ああ、だが【最強侍従】と【最恐執事】がいるんだ。

うまくアイズを手懐けて、教えてくれるだろう。




アイズさんの教育をセバスとメイへ丸投げしました。


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