白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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ベルの更新結果を聞き、感心するメイとセバスです。
そこへ…。


第260話 執事長、報告。

おや、お嬢様とザルド殿ですか。

丁度いいですね。坊ちゃまについて報告しておきましょう。

「これはお嬢様、おはようございます。」

「ザル坊、いい朝ですね。」

「………。」

「おい、どうした?ザルド。」

「聞くな…。」

おや…なるほど。

メイの特製ドリンクを飲んで幼児退行しましたか。

 

さて、報告しておきましょう。

「ところで、坊ちゃまはレベル6となりました。」

「そうか…もうレベル6か。早いのはいいことだが…義母としては複雑だ。」

「…半年過ぎでレベル6か。だとすると、今はレベル9相当か。もう【女帝】に並んだか。」

「ええ、ステータスはこちらになります。」

「どれどれ?………頭が痛くなってきた。」

「何だと?よこせ。………セバス、頭痛に効くハーブティーを出せ。」

「かしこまりました。ザルド殿もいかがですか?」

「もらおう。……何だよ、このスキル。俺への嫌味か?」

「さすがは私の義息子と言いたいが…ここまでとはな。はぁ…。」

私共でも絶句するくらいですからな。

もう坊ちゃまは【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】と並びましたな。

いえ、追いついたかもしれません。

 

なら、手心を加える必要はありませんね。

「ええ、なので私とメイは本気を出して坊ちゃまを鍛えていきます。」

徹底的に鍛えてあげましょう。

 

「もう、俺単独では勝てんな…。どうした?アルフィア。」

「…ザルド、7年前の私達の選択は間違っていただろうか?」

「アルフィア、それはない。俺達があの選択をしたからこそ、ベルはここまで強くなったんだ。」

「……だが、私はあの子を「やめろ、アルフィア。たらればを言えばキリがない」…そうだな。」

「ザル坊の言う通りでございます。」

「そうですな。お嬢様、それ以上は坊ちゃまを悲しませるだけでございます。坊ちゃまは7年前にもっと強ければお嬢様たちを止めることができたのでは、と今も思っております。」

ザルド殿とお嬢様を連れてきても、坊ちゃまの気持ちはまだ消えておりません。

現に、ザルド殿とお嬢様はオラリオを堂々と歩くことができてません。

ギルドによって、お二方の罪を解消したとしてもまだその時期ではありませんからね。

 

「そうか…じゃあ、なおさらだ。糞餓鬼どもが俺達を喰らって、その糞餓鬼共をベルが喰らったから強くなったんだ。」

「それに、坊ちゃまの想いの強さによってお二方はこの時代へ来られたのでしょう?」

「そうだな……あの子に辛い思いをさせてしまった。だが、あの狒々爺は絶対に殺す。」

お嬢様の怒りはごもっともですな。

 

「…俺は止めねえ。どう考えてもあの爺が悪い。」

「お嬢様。殺してはもったいないです。」

「そうです。坊ちゃまの心痛の数百倍は苦しんでもらわないと困ります。」

「………だそうだ。」

「それでも、メーテリアが託したあの子を育児放棄した狒々爺を吹き飛ばさないと気がすまん。あの狒々爺はどこにいる?」

やはり聞いてきましたな。

例え、知ったとしてもあのクソエロ爺は逃げ出すでしょうね。

元主神ヘラの執拗な手から逃げ切ったくらいですからね。

 

ですが、すでに手はうっております。

「お待ち下さいませ。物事には順序があります。」

「順序だと?」

「はい、数週間はかかりますが確実に捕まえます。」

「……何をするつもりなのだ?お前たちは。」

「嫌な予感しかしねえぞ…。」

「はい、それは……。」

私とメイの計画について話しました。

 

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話すと二人は呆れていました。

「……うわぁ、えげつねえ。」

「いい加減にしろ、お前たちはやり過ぎだ。自重しろ!」

知りませんな。

 

「既に賽は投げられました。後は待つだけでございます。」

「全ては坊ちゃまのためでございます。」

「アルフィア…あのヘラがそれに乗ると思うか?」

「乗るだろうな。あの子はメーテリアに似すぎている。ベルの宣言、あの戦いを見たらなおさらだ。あの子のために本気を出すのは間違いない。私は確信している。」

大幹部の一人であるお嬢様がそこまで言いますからね。

もちろん、長年【ヘラ・ファミリア】に仕えてきた私も元主神ヘラの心境や動きなどはすべて把握しております。

それをわかった上で計画をしています。

 

「そ、そうか(あばよ…、爺)。」

「それにお前達が今、それを言った時点で私達がどんなにやっても手遅れだろう?」

「ご明察でございます。」

「………こいつらが手を組んだ時点で爺の運命は決まったな。」

「全くだ。封印する前に鉄くずにするべきだった。」

「残念ですが、あの時点で私より弱いお嬢様がそれをできるのは不可能でございます。」

「五月蝿い。言っただけだ。」

困ったお嬢様ですな。

意地っ張りすぎます。

 

「ベルの【時越白兎】はすごいな。」

「うむ。…セバス、メーテリア復活は可能か?」

「はい、先程言った計画が順調であれば可能です。」

「そうか、待つとしよう。」

「メイ、団長や【女帝】も連れてくるのは可能か?」

「はい、もちろんですよ。ザル坊。」

ええ、もちろんです。

彼らが復活…いえ連れてくることができれば、黒竜への勝利へ近づけます。

 

「そうか。ベルには悪いが、あの馬鹿の復活は避けたいな。」

「私は復活させたい。」

「は?何故だ?」

「この手で直接葬りたい。妹を孕ませた罪は重い。」

「……………そうか。」

それは駄目ですね。

 

「私はザル坊に賛成ですね。」「私もです。」

「何故だ?」

「お忘れですか?あの困った子は貴女たち【ヘラ・ファミリア】ホームへ忍び込み、馬鹿主神と覗きを数百回もやって貴女方によって何度も死にかけても、ピンピンと生きているではありませんか。」

「それに坊ちゃまの生命力はクソ雑魚サポーター譲りです。そう簡単には死なないでしょう。」

ええ、あのクソ雑魚サポーターには手を焼かされました。

本当にヒューマンか?と思うくらいでした。

 

それに坊ちゃまへの悪影響は計り知れません。

「なので、復活はさせません。坊ちゃまの教育に悪いし、坊ちゃまのハーレムを食い散らかす可能性が非常に高いです。」

「同感です。彼女たちに手を出したとしてもあのクソ雑魚サポーターは坊ちゃまを言いくるめるでしょう。なので復活はやめた方がよろしいかと。」

「あー、あいつならやるな。それにあいつはベルに何かと吹き込んで、いい影響を与えねえぞ。絶対にやる、俺が保証するぜ。」

「ちっ…仕方がない。運がいい奴め、黒竜に喰われたことを幸運に思え。」

「それにあの困った子の遺品は全て処分しました。復活の条件は全て絶ちました。絶対確実とは言えませんが。」

「そ、そうか(すごい念の入用だな)。」

もちろんでございます。

 

おや、湯が沸いてきましたな。

コポコポ…。

「ハーブティーができました。どうぞ。」

「おう、ありがとうな。む…いい味だ。」

「ふぅ…落ち着いた。……あの子は黒竜を倒せると思うか?」

「……厳しいな。あいつら…団長や【女帝】が力を尽くしたのだぞ?」

「ああ…。だが、私達はあの子に賭けるしかない。」

ええ、今はそれが最善です。

もはや、私達には坊ちゃましかいないのです。

 

「レベル10以上が少なくとも5人はほしいな。…いや10人いても勝てるかどうか。」

「お二方、今は坊ちゃまに賭けるしかありません。」

「そうです。『終末の時計』は迫っていますが、まだ時間はございます。」

「そうだな…ならできることをやっておくか。まず、あの小娘共を鍛えておくか。」

「ああ、そうだな。ベルを信じよう、【最強最高の英雄】をな。」

ええ、そうですな。

死んでいったあの娘たちの無念を晴らすためにも。




さすがのアルフィアもザルドも絶句ですね。
そしてゼウス包囲網がすでに起動中です。
ヘラがどう動くのかについては、今後の展開をお待ちくださいませ。

そして黒竜の強さに対して、不安を感じています。
どうなるのでしょうか?

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