白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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愚者さんなしで、椿とアミッドと異端児たちの交渉が始まりました。
さて、どうなるのでしょうか?


第268話 愚者、感激。

「よう、リド、グロス。」

『ん?おお!ヴェルフっち。どうしたんだ?』

『…ワタシハ、コウイウサワガシイトコロハスキデハナイ…。』

「それはすまんな。ところで、お前らドロップアイテムの扱いに困っていると言ってただろ?」

『そーなんだよ!魔石だけならアレは食えないしなぁ。』

『そしてお前らの爪や角も処分に困ってたよな?』

『お?そうだよ。』

『ソレガドウシタノカ?』

そういえば、そうだったな。

彼らから提供してもらっているが、私も仕事があるから手が回らなかった。

彼らへ提供するなら問題ないだろうな。

 

『こちらがな、武器と防具と回復薬とそれらと交換できないかと言ってきてんだ。』

『……いいけど、俺らモンスターだぜ?』

『お主らがモンスターのわけがないだろうが。』

『貴方方はモンスターに見えますが、中ははっきりとした私達と同じです。』

異端児騒動から数ヶ月の経っていないのに、【ヘスティア・ファミリア】だけでなく他のファミリアと彼らとの会話を見れるとはな。

 

『…そう言ってくれるのは嬉しいぜ。ただ…ベルっちの助けになってくれ。ベルっちは何もかも抱え込もうとしているんだ。俺らも助けるが、あんたらも手伝ってくれ。』

『アノコゾウハ、ムチャトムボウヲスル。ミテイラレン。』

『もちろんじゃ。ベル・クラネルの専属鍛冶士がこやつなのが惜しいんじゃがな。』

『へっ、何だ。嫉妬か?』『ああ、嫉妬だとも。』

『彼らは置いといて、ベル・クラネルはグロスさんの言う通り無茶をします。なので何が何でも治します。』

そうだな…。

彼は本当に生傷が絶えないな。

遠征で、まさか【アストレア・ファミリア】を全滅…いや苦しませたジャガーノートとかち合うとはな。

そして、重症を負ったままで深層へ落ちるとは驚いた。

もう駄目かと思ったよ。

 

『お、おう。そういや、あんたらは何て言うんだ?俺はリドってんだ。』

『……グロスダ。』

『これはしまったな、手前は椿と申す。』

『すみません、自己紹介が遅れましたね。私はアミッド・テアサナーレです。』

『おう!リドってんだ。よろしくな、つばっち、アミっち。』

『ははは!つばっちか!これはいいな!』

『アミっち…ですか。まあいいでしょう。』

『ドロップアイテムの扱いに困っていたんだ。愚者に全部やっていたけど、追いつかないと不満言ってたんだ。』

『オレイハイラヌカラ、モッテイケ。』

『そうは行きません。取引は取引です。見合ったものを渡します。』

『ヌ、ヌゥ…カワッタニンゲンタチダナ…。』

『ベル・クラネルほどではありません。』

『『…そうだな。』』『…ソウダナ。』『…そうじゃな。』

あのように彼らと笑い会えるとはな…。

私のやってきたことは無駄ではなかったな、いや違う。

ベル・クラネルのやってきたことが大きな一歩を踏ませたのだ…。

 

「♪~…。い、以上デス。」

ワァァァ!パチパチ!

「素敵でしたよ、レイ。」

「いい歌だったわ!」

「モンスターとは思えませんねぇ。」

「レイ、すごーい!」

…メイの言う通り、この場でやってよかった。

私は…勇気が足りなかったな。

今までのやり方だったら、異端児と彼らが話し合い、笑いあえるこの光景を見れることはなかっただろう。

 

「いい歌だった。私はアルフィア…ベルの義母だ。お前は何という?」

「べ、べべべベルさんのお、お義母さんデスカ?こ、コレは失礼シマシタ。レイといいマス。」

「(……こいつもか。はぁ…)…お前たちは何を望むのだ?」

「地上を、見たいデス…。あの日の下で暮らしタイデス…。」

「そうか…謝罪しておこう。」

「…謝罪デスカ?」

「私とあそこにいる大男は…お前たちを切り捨てたファミリアの一員だ。」

「「「!!!」」」

「許してくれとは言わん。私達の都合でお前達を切り捨てたのだ、恨んでも構わん。」

「…思い出シマシた。アノ方のお仲間デシタカ…。……ワタシ達は貴女達を恨みまセン。もう慣れマシタから。」

「……すまん。」

「デスガ…ベルさんはどんな状況デモ、ワタシ達を決して見捨てまセンデシタ。ワタシはソレが嬉しい…。アノ方を助けタイ。私…イエ、ココにいるみんなもそう思っているハズです。」

「そうか……ちょっと画面の端へ来い。」

「ハ、ハイ…。」

…?何をするつもりなのだ?

7年前もそうだが、【静寂】のやることは過激だから怖いんだ。

特に【ヘラ・ファミリア】はな!

 

本当に彼女は、あのベル・クラネルの叔母なのか?

 

『お前…ベルに惚れているな?』

『ナナナナナ、ナンデ!?』

『ふっ…一目瞭然だ。まあ、いい。お前ならいいだろう。』

『ハ、ハイ!?』

『義母として、ベルの近くにいることを許してやろうというのだ。』

『ハイ!?』

『不服か?』

『イエイエイエイエイエ!よ、喜んデ!』

『あの野生児よりはマシだな…。』

『野生児デスカ…?』

『ああ、いい。こちらのことだ。…ベルの力になってやってくれ。』

『あ、ハイ!もちろんデス!アルフィアさん。』

『……ますます気に入った。他のやつらはお義母さんとかいいやがる。私は認めていないのにな。』

『は、はァ…。』

『…話が逸れたな。すまないが、先程とは別の歌をお願いしていいか?』

『あ、ハイ!喜んで!♪~』

………杞憂だったな。

まさか、甥への恋愛感情を確認するとは。

メイの言う通り、相当な親バカになっているな。

 

……だったら、7年前にベル・クラネルへ会いに行けよ!




アルフィアは、レイをベルのハーレムと認めました。
レイの歌声で、レイの本質を見抜いたでしょうね。
親馬鹿の前に、モンスターもないということを証明していますね!

そして、愚者さんもキレました。

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