白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

271 / 439
宴が終わった翌日です。
そして、アイズは…。


第270話 剣姫、苛々。

昨日の宴は楽しかった…。

けど、イライラするしムカムカする。

ベルが女の人と話すだけ…ううん、ベルが女の人を見るだけでもイライラする。

あの竜の娘と話しているだけでも…。

斬ったら…うん、まずいよね。

 

でも…どうして?

今までそんな気持ちになったことなかったのに…。

 

「アイズ嬢、落ち着かないようですね?」

「…セバスさん。」

いつの間に…。

 

「先日の宴で、坊ちゃまをずっと見ておられましたね?」

「気づいていたのですか…?」

「アイズ嬢以外の皆さんは気づいておられましたよ。」

「え」

ベルに気づかないようにしていたのに…。

え?みんな知っていた?

そういえば、レフィーヤとアリシアが何か言ってたような…。

 

「(思ったより重症ですね)気づかなかったのですか?」

「…はい。何でしょう、この気持ち…。モンスターを前にするのと近い…?」

「(やはり危惧していた通りでしたか)それは間違いです。それについてお教えしましょう。こちらへ。」

「……はい、わかりました。」

この気持ちは何かを知りたい。

ベルへ向けるこの気持ちは、どんなのかを知りたい。

 

「メイ、連れてきました(やはり危惧していた通りです。思ったより早いようです)。」

「承知しました(そこまででしたか。後は私にまかせてください。他を頼みます)。アイズさん、思い詰めてはだめですよ。私達に相談してくださいね。」

「…ごめんなさい。自分だけで解決したかったです…。」

「謝ることはありませんよ。正常な考えですから。」

「そうですか…?それはよかったです。」

「アイズ嬢、女性としてメイに相談した方がやりやすいでしょう。では、メイ。私は他にやることがありますからこれで失礼します。」

……何故だろう?

階層主のルームに放り込まれたような感じは。

 

「では、アイズさん。坊ちゃまを見てどう思いましたか?」

「…女の人を見すぎ…話しすぎると思います…。」

うん…顔を真っ赤にして女の人と見つめ合ったり、楽しく話したり、女の人から触れてきたり…。

あ…思い出したら、何かムカムカしてきた…。

 

「何故そう思いますか?」

「……わかりません。」

「坊ちゃまと話したいのですね?」

「はい。」

「坊ちゃまにはアイズさんだけを見てほしいのですね?」

「はい。」

「(即答ですか。ペースが速いですね)坊ちゃまをアイズさんだけのものにしたいのですね?」

「……そうかな?そうかもしれない…。」

ベルは…私が育てた。

 

「アイズさんは嫉妬というものをご存知ですか?」

「嫉妬…ですか?」

嫉妬……?

ティオネがいつも言っているアレ…?

 

「目当てのじゃが丸くんが残り1個となり他の人が食べると、どんな気持ちになりますか?」

「……悔しいです。」

「そのじゃが丸くんを坊ちゃまに置き換えてみて下さい。」

「………あ。」

「そうです。それが嫉妬です。」

「……これが嫉妬…。よくないんですか?」

「いいえ、正常です。ただ…」

「た、ただ…?」

「度を過ぎると、よくありません。」

「ど、どうよくないんですか?」

「坊ちゃまを拉致して、手足を切り落とし歯を全部抜き取って、誰にも会わせないところに閉じ込めることになってしまいます。」

「ひぇっ……、よ、よくないんじゃないんですか!」

そ、そんなに危ないものなの!?

……あ、ティオネをイメージしたらわかりやすかった。

 

「ええ、ですから度を過ぎるとよくないんです。今のアイズさんがギリギリ正常です。」

「これがギリギリ正常!?」

「ええ、アイズさんは今までそういう気持ちになったことはありますか?」

「…ありません。」

「それは坊ちゃまに対して意識しているからです。」

「意識…ですか?」

意識…意識…。

モンスターを殺る時の気持ち?

 

「モンスターを殺すとは別です。決して一緒にしてはいけません。」

「は、はい(違うんだ…)。」

「じゃが丸くんと同じです。」

「あ、わかります。」

なるほど、わかりやすい。

 

「じゃが丸は割ることができます。ですが、坊ちゃまはただ一人だけです。ちぎることも真っ二つにすることができません。」

「それぐらいはわかり…ます。」

「(今、逡巡しましたね)ええ、もし坊ちゃまがレベル1の時でしたらアイズさんだけのものになってたかもしれません。」

「え」

……ど、どういうこと!?

 

「ですが、今の坊ちゃまの周りにはアイズさんと同じく坊ちゃまを強く意識している女性に囲まれています。」

「……。」

レベル1の時に攫っていればよかったのかな…?

…囲まれている女の人が邪魔なら…。

 

「彼女たちを斬っても、殺しても駄目ですよ?それではティオネさんと同じですよ?」

「…!(あ、危なかった…)」

「坊ちゃまはそれを知ったら、どう思いますか?」

「悲しむ…と思います。」

「そうですね。でもアイズさんは坊ちゃまに見てほしいし、もっと話したいと思いますね?」

「はい。」

うん……。

 

「そのためにはどうしたらいいかわかりますか?」

「……わかりません。」

「解決方法を知りたいですか?」

「し、知りたいです!」

「3つあります。それらを守れば、解決できます。」

「守ります!守りますから教えてください!」

「わかりました、一旦落ち着きましょう。はい、ザル坊作のじゃが丸くんプレーンです。」

「わぁ!」

モグモグモグ…おいしい…。

ザルドさんの作ったじゃが丸くんは、ジューシーで衣がカリカリしておいしい…。




アイズさん、メイさんからの教育を受けています。
そしてじゃが丸くんを使って手懐けて教育中です。
どうなるでしょうか?

感想・評価をいただけますと、嬉しいです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。