白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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アストレア⇄後輩視点がしばらく続きます。

いつも見てくれて、ありがとうございます!



第27話 正義神、思慮。

リューが泣くなんて…、よほどその子のことが心配なのね。

「うう…。私はどうしたら…。はっ!?すみません、見苦しいところをお見せしました。」

「リュー、いいのよ。辛い時は泣いてもいいのよ。」

「いえ、すみません…。先程は申し訳ありませんでした。」

リュー…見栄はらなくても…。

 

「センパイ…、センパイの彼氏って【白兎の脚】ですよね?」

「な、何故分かったのですか!?それにま、まだ彼氏じゃないです。」

「は?」「え?」

え?まだ彼氏じゃない?

リューが一方的に好きなだけ?

…………ダメね。本当にダメね。

成長したかと思えば、そっちの方はやはりダメだったのね。

 

「リュー、オラリオに着いたらその子と絶対に会わせなさい。私が仲を取り持ってあげるわ。」

「私も手伝います!センパイ、引いちゃ駄目ですよ!」

絶対に成就させてあげる!

アリーゼたちもそう言うはず!

 

「ちょ、ちょっと…アストレア様、落ち着いてください。…セシル、貴方は黙ってなさい!」

「いいえ!黙りません!センパイは恋愛に対して奥手でしょう!」

「ぐっ!?」

はぁ…、この娘は戦闘しか頭にないのはわかっていたけど…。

今になって、輝夜の言ってた「ポンコツエルフ」の意味がわかるわ…。

 

「リュー…、恋愛はね…戦争なのよ。」

「そうですよ!攻めないと駄目なんです!」

「…………………その恋愛なんです。今回の…戦争遊戯の原因は…。」

「は?」「え?」

葛藤しているリュー…、初めて見るわ…。

 

そうじゃなくて、どういうこと!?

恋愛の戦争がオラリオで起こっているの?

一体…何が起きているのよ…。

 

「リュー…とにかく『豊穣の女主人』で働いてからのことを説明してくれる?」

「わ、わかりました。まずは…」

リューは半年前までのことを話してくれた。

 

------------------

 

「…半年前まではこのような平和な感じでした。」

「そう、リュー。そのシルって子に感謝しないといけないわね。…リュー?」

「センパイ?」

「ええ…そうですね。シルには感謝しています。ですが…今は。」

リュー、つらく悲しそうな顔している…。

そのシルって娘に何かあったのね…。

 

…『豊穣の女主人』へは行ったことはないわね。

そういえば、アリーゼがあそこの娘さんのことについて何か言ってたわね…。

確か…「人間じゃないような気がする。」と失礼なこと言ってて、叱った覚えあるわ。

……アリーゼの勘は当たるし…はっ!?

まさか…いえ…。もしそうなら…今回の戦争遊戯は…。

 

「センパイ、それで半年前から何が起こったのでしょうか?先程の【白兎の脚】と関係があるのでしょうか?」

「はい、大いに関係あります。べ…彼が大きく関わっているのです。」

…思ったんだけど、どうして名前を言わないのかしら?「ベ」がつく冒険者?

 

それに…ヘスティア、あのグータラ処女神が男に興味もつかしら?

持たなかったら眷属にしないよね…うーん。

「…アストレア様?」

「え?ああ、ごめんなさい。話してくれるかしら?」

 

-----------------

 

そして、リューは半年前から2ヶ月のことを話してくれた。

「…才能があるってすごいんですね・・・。」

「ふふふ…。セシル、彼に才能はないんですよ。ただ、ひたすらに前を向いて走り続けている、それだけです。そして彼は、常に困難の道を走り、格上の冒険者やモンスターを相手にし戦い続けて、勝っているのです。」

リュー…、貴方、恋人の惚気話をしている顔しているわよ…。

はぁ…本当に【白兎の脚】の仲を取り持つ必要があるわね。

 

「そして…その一ヶ月後…彼はオラリオを一旦敵に回してしまいました。」

「「!?」」

「ど、どうしてなんですか!?」

「モンスターを…かばったからです。」

「じ、じゃあ【白兎の脚】は『怪物趣味』…?」

「セシル、彼はそのような人じゃない。それは私がよく知っている。そして…彼がかばったモンスターはただのモンスターではありません。人の言葉を喋り…理解することができるモンスター『異端児』です。」

「「!?」」

喋るモンスターですって!?

そんなの…下界を揺るがす大事件じゃない!

 

「闇派閥に属する密猟者によって、ダンジョンからオラリオへ出てきた『異端児』たちをダンジョンへ返すため、彼は…悩み…苦しんでいました。」

「そ、それでどうなったんですか!?」

「彼は『偽善者』になることを選び自分の信念を曲げず、『異端児』を助けることを選びました。その結果、【ロキ・ファミリア】とぶつかることになりました…。(ああ!?あの時を思い出すと、悔しい!【剣姫】に負けるとは!)」

「リ、リュー?どうしたの?」「セ、センパイ、怖い顔していますよ。」

「はっ!?すみません。アストレア様、申し訳ありません。私は彼を助けたかった。そのため、【ロキ・ファミリア】の【剣姫】の足止めをしていました。…ですが、レベル6の彼女になすすべもなく負けました…。」

「…そう。リューが選んだことなら私は何も言わないわ。それで…どうなったの?」

「そ、そうです!早く続きを!」

「結果的には、『異端児』たちはダンジョンへ帰ることに成功できました。…が、神ヘルメスの策略により一部の『異端児』を生贄に捧げて、ベ…彼を英雄の道へ導こうとしていました。」

「ヘルメス様って、アストレア様に時々会いに来た神ですよね?私、あの神は大嫌いです!」

「ヘルメス…貴方エレボスと同じようなことしてるわよ。」

私は呆れてしまった。7年前、エレボスがやったことと似たようなことを。

今回は『異端児』を利用するなんて…、彼にそこまでの価値を見出したというの?

 

「でも、ベ…彼はその道を壊し、別の道を選びました。レベル7相当の黒いミノタウロスと一騎打ちにより英雄の道を自ら引き出しました。残念ながら負けてしまいましたが、彼はそれでも立ち上がりました。」

「すごい!すごいですね!センパイの彼氏は!」

「そうで・・・い、いやまだ私の彼氏じゃないと言ってるでしょう。…ふふふ。」

…どうしたら、レベル7相当の黒いミノタウロスと一騎打ちになるかはわからないわ…。

でも、あの場にいたオラリオのみんなはわかるということね…。

聞いてみないとわからないわね。

 

……ヘルメス、貴方の策略を破るということは…【白兎の脚】は彼らが求めた英雄ということなの?

リューの彼氏を別にしても、【白兎の脚】に会いたくなったわ。




はいアストレア様、【白兎の脚】に興味を持ちました。
既に会ってるのを知らずに…。

明日からは土日ですので2件だします!

ストックが残り40件ほどあるけど、1日2件にするかを迷ってます…。
ストック中でも戦争遊戯は始まってません…。登場人物の視点を行ったり来たりです。

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