たまたま男性全員が風呂へ入っていました。
裸の付き合いですね!
ふぅ…いい湯だ。
ああ…疲れがとれるな。
【ゼウス・ファミリア】にはこんなのはなかったな。
作ればよかったな。
「あはははーくしゅぎゅったいー!」
「べ、ベル様!う、動かないでくださいませ!あんっ…。」
……今日もか。
「叔父貴…、ちょっといいですか?」
「(叔父貴って俺のことか?)何だ?小人族の…誰だ?」
「アルフリッグです。あの…女湯からベルの声が聴こえてくるのですが?気のせいでしょうか?」
「…おい、お前らちょっと集まれ。いい機会だ、忠告しておいてやる。」
「「「え?」」」
ベルの身内として、誤解があると面倒だからな。
それにあのドリンクの危険性も伝えておこう。
「お前ら…ベルが夕食後にいつも飲んでいる飲み物、知っているな?」
「あ、ああ。あれを飲むとベルが幼くなったように感じるんだが…。」
「あの飲み物は一体何なのだ?」
「あれは…男にとって危険な飲み物だ。」
「「「危険な飲み物!?」」」
ああ…あれは男にとっても危険だ…。
【ゼウス・ファミリア】で特大の罰だった。
「あの飲み物は、状態異常を大体回復しエリクサー以上の回復力を持っているんだ。」
「え?じゃあ、危険な飲み物ではないんじゃあ…?」
「問題は、その副作用だ。…濃さと量によっては幼児退行するんだよ…。」
「「「幼児退行!?」」」
「そうだ。何故かわからんが、男だけが幼児退行するんだ。女が飲むと幼児退行はないが、男ほどの効能は低い。」
「一体何が入っているんだ…。」
「知らん。…あのメイを作ったイカレ野郎が調合したやつだ。」
「「「…………。」」」
メイといい、あのドリンクといい、余計なものを作りやがって!
俺らは生きた心地がしなかったぞ!
覚えていろよ!見知らぬ先輩!
おっと、続きを言わないとな。
「あの飲み物を飲んだ野郎は例外なく幼児退行する…。その時の記憶は人それぞれだな。ベルは記憶がないほうだな。」
「……叔父貴は?」
「……濃さによっては、あったりなかったりする。だから…覚えていると…わかるだろう?」
「「「うわぁ…。」」」
「大怪我や重い状態異常がないようにはしろよ?でないと…あいつは容赦なく飲ませるぞ。」
「「「ひぃっ!」」」
ああ、あいつは絶対に飲ませる。
…公衆の面前でないだけ、まだマシかもな。
こいつらは多分一回は味わうことになるだろうな。
俺も…団長のマキシムも味わったからな…。
いい思い出だ…。
「【ゼウス・ファミリア】ではそれが特大の罰だったな。効かなかったのは爺だけだった。」
「大神ゼウスが…?」
「そうだ。あの糞爺は、罰を受けた眷属が幼児退行しているのを見て、容赦なくゲラゲラと笑いやがった。俺らも当初は笑ってたが、自分たちも受けるハメになった。…レベルに関係なくな。」
「「「ひでぇ…。」」」
「それだけじゃねえ…。そいつが元に戻った時に、糞爺はその時の所作を目の前で真似しやがった。」
「「「外道か!?」」」
「ああ…、あの時はマジで糞爺を送還してやる!と思ったぐらいだ。」
「「「ご心中察します…。」」」
やはり、あの糞爺は送還させるべきだった!
ベルは本当に大当たり中の大当たりを引いたな。
……神ヘスティア、感謝します。
「あと…この中でベルのスキルに知っているやつは…ヴェルフ、お前だけか。」
「一体、どんなスキルなんだ?」
「えーと…「俺から話す。一部だけだがな。」あ、はい。お願いします。」
そして、ベルのスキルと発展アビリティを伝えた。
「なるほど…それがオッタルに勝ったスキルであり、愚兎を後押ししているものですか。」
「……羨ましいようで、全然羨ましくない…。」
「姫…、頑張ってください。」
「姫…、勝利を祈っています。」
「姫…、せめて上位をもぎとることを応援しています。」
「姫…、メリルに頼んで際どいものを作ってもらいます…。」
そうだな。傍から見ると羨ましいだろうな。
だが…蓋を開けてみれば同情しかわかん。
「じゃあ、叔父貴。女湯から聞こえてくるのはベル本人なのはわかりましたが…、そもそも何故ベルは欲情しないのですか?」
「ああ…それは俺も不思議に思った。ヘスティア様とリリスケと春姫がわざと際どくボディタッチしても。恥ずかしがるだけだった。」
「フレイヤ様の添い寝を毎晩してたのに、ヤッたと聞いていない…。」
「ベルはもしかして、男好きなのか?」
「そこの白エルフやヴァンへ妙に懐いていたようだし…。」
「あ、そっちのケがあったのか?それなら納得するが…。」
「やめろ、貴様ら。妙な勘ぐりするな。」
「やめて下さい…。本当にマジで。」
こいつら、知らないのか?
ベルのために誤解を解いておくか。
「あーお前ら、一応ベルの名誉のために言ってやる。ベルは女好きで…まだ未精通なんだ。」
「「「は?」」」
だろうな、そういう反応が普通だよな。
レベル6で、未精通は普通あり得ないからな。
「そういえば、そうだったな。あの愚兎はまだ14歳だった。」
「…友はどこまでも純粋無垢なのだ…。」
「道理で…納得した。」
「あの…ザルドさん。精通したらあの人数には困りません?」
「ん?ああ、まあ…困らないだろうな。」
「「「え?」」」
むしろ、足りないかもしれない…。
ベル…あの馬鹿のような甲斐性なしにはならないでくれよ。
「歓楽街へ行ったことある奴はいるか?」
「一応俺はあるが…酒飲みだけだ。「………」本当だ!嘘じゃねえよ!」
「…歓楽街の伝説があってな。一晩で100人斬りしたやつがいたんだ」
「「「化け物ですか!?」」」
「…その化け物が【ゼウス・ファミリア】最弱のサポーターであり…、ベルの親父だ。」
「「「「ええええっ!」」」
あの馬鹿の子なら、それも受け継いでいるはずだ。
「だからよ、そいつの遺伝子を受け継いでいるベルが精通したら、危険なのはあいつらの方だ。…最悪壊れかねないぞ。」
「「「うわぁ…。」」」
「まあ、メイとセバスがその時に備えて何かをしているようだが…俺は関わりたくねえ。」
「「「我々もです…。」」」
「それに…ベルの容姿と性格から考えると、逆に飲まれるのはベルかもしれねえぞ。」
「「「あ、それはわかります。」」」
「俺らにできることは…ベルへ対等に接して、今の強さに満足せず強くなってベルを大いに助けて、そして…強く生きてくれることを願うだけだ。」
「「「はい……同感です……。」」」
…あの容姿は反則だろう…。
ベルが襲うというより、彼女たちによって食い散らかされるだろうな。
だが、今回のはいい話し合いだった。
風呂場で裸の付き合いで、こうして話し合えるんだからな。
…やはり、【ゼウス・ファミリア】でもこういう大浴場を作るべきだったな。
団長が生きていたら、ずっと入り浸るだろうな。
それに…こいつらはいい奴らだ。
ベルのことを心から心配しているしな。
ベルは、本当にいい仲間に巡り会えたな。
あの幸運が、ベルを導いてくれたな。
安心しろ…、天へ昇ったお前ら。
俺らの最後の系譜を持つベルは、良き神に拾われ、良き仲間に巡り会い、強くなっているぞ。
ザルドさん、ベルをかばうためにいろいろと話していますね!
その結果、男性陣は一層ベルへ同情的になりました。
感想・評価をいただけますと、嬉しいです!