白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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久々のミア母さん回です!
さて、今回は何でしょうか?


第288話 女将、苛々。

アタシは苛々している。

「何やってんだい!早く取りにきな!」

「ニ、ニャー!」

「ひぃ…ひぃ…。息つく暇ないよ…。」

「アレを置いてから母ちゃん、イライラしてるニャ…。」

あのサド執事に、性悪メイドめ!

 

「おい…ミア。落ち着け。」

「ああ?」「お前が苛々してたら、客が来ないだろうが!」

『おお!サーが母ちゃんに口答えした!』

『凄いよ!サー!』

アンタに何がわかるってんだ!

アレを見ないで苛々しない方がどうかしているよ!

 

「アレを見ないでおけと?ふざけるな!」

「だから、アレは一体何なんだよ!ただの石像だろうが!」

「五月蝿いよ!いいからさっさと仕事しな!」

「ったく…何なんだよ…。」

アイツらめ!

戦争遊戯で負けたからって、こんなモンを置くんじゃないよ!

店前だけでなく、ホールにも!

とんだ嫌がらせだよ!

 

「こんにちは。」

「み、みんな元気?ププッ…ここにも。」

「あの…シノス?何故、店前の石像にもこの石像を見て笑っているのですか?」

「ええ、何でしょうか?この石像は。ベル、じろじろと見ないで下さい。変態ですよ。」

「変態!?」

坊主にルゥ、シノスにルーゼか。

何の用だい?

 

「フレ…いえ…、何の用だ?それに何だ、その格好は。」

「あ、ミア母さんに渡す件がありまして…。この格好ですか?みんなが外へ出る時はこうしろ、と。」

(当然でしょう。今のベルは外へ出すだけで殲滅兵器並みですから。…これ以上、増やしてたまるものですか!)

「ミアにか?……あの通り機嫌が悪い。話しかける時は注意しろ。」

「あ、はい…。」

「ププッ……ここまで再現しているなんて。」

あの糞女神は知っているね。

まあ、知っててもおかしくないが…笑うんじゃないよ!

 

「シ…ノス。これは一体何だニャ?母ちゃん、コレを見て機嫌悪いんだけどニャ?」

「え?ミア母さんから聞いてないの?」

「聞いたらさ、「埋められたくなかったら聞くな」と恐ろしい声で言われたんだよ…。」

「シノスは何か聞いているニャ?食べに来た【猛者】がコレを見てミア母さんに聞こうとしたら、すごく睨まれて何も言えなかったニャ…。」

「んー、そうですね。オッタルさんも知っていますね。これはね「送還されたいんだね?シノス?」私は何も知りませーん。」

「「「ひぃっ!」」」

アイツらめ!

破壊したら、更に際どいやつを作ると言いやがった!

だから破壊できないんだよ!

 

「それで、坊主?アタシに何だって?」

「えっと…セバスとメイがミア母さんにコレを渡してほしいって。あ、この手紙も。」

「フン…、何々…は?………そうだったのか。坊主とルゥが…。」

………ちっ、坊主とルゥが生きて帰って来たのは、アイツらの遺品だったのか。

しかもこんな遺書を残して…。

さすがに知らんぷりはできないね…。

 

「ベルさん、それは何ですか?」

「あ、はい。それは、僕とルゥさんが深層へ落ちてその時に会った冒険者…いえ、亡くなった方々がおられました。その時の遺品です。」

「ええ、あの方々の遺品がなければ私達は死んでいたでしょう。なので、その遺品の遺族へお渡ししたいのです。ミア母さんなら絶対に知っているとメイさんが言ってました。」

「…………何かの因果かねえ。はぁ…、坊主。それはわかったけど、その石像を何とかしてくれとアイツらへ言ってやってくれないかねえ?」

「その石像は一体何でしょうか?」

坊主は…聞いてないのか?

まあ、いい。それは置いておこ…

 

「やあ!ミア!店前と…おお!ここにもミアの若い頃が、ぶげぇ!?」

あの糞神が!

バレちまったじゃないか!

 

「「「え?ミア母さんの若い頃?」」」

「忘れろ。」

「「「え」」」

「忘れなきゃ埋める。」

「「「イエス!忘れました!」」」

絶対に埋める!

あの糞神は店前に埋めとこうかねえ。

いや…こっちが先だ。

 

『ミア母さんの若い頃だったんだ…アレ。』

『はい、ベルさん。ミア母さんの若かった頃です…。そこまで再現しているなんて凄いわ…。』

『それはミア母さんも怒るでしょうね…。』

『自分の若き頃の姿を置かれたら、恥ずかしい上に苛々するでしょうね…。』

聞こえているよ!

 

「おい、何か言ったかい?」

「「「いいえ!何も言ってません!」」」

「ちっ…。まあ、いい。アレン、アーニャ。ちょっと来な!…シノスとルーゼもだよ。」

「ニャ?ミャーも?」

「何なんだよ…ちっ。」

「私もですか?」「な、何でしょう?」

コイツらには見せなければならないね。

アタシらの…やり残したことを。

 

「この旗には当然見覚えあるね?」

「「「!!」」」

「あ!【フレイヤ・ファミリア】の団旗…。じゃ、じゃあ!あの人達は…。」

「……何故、【女神の戦車】とアーニャなのでしょう?」

それはコイツらが一番関わりのあることだからだよ。

 

「そ、それがどうしたのかニャ?」

「それがどうしたってんだ!」

「……裏面を見な、アンタらの仕出かしたことへの証明だよ。」

「「え?……!!!!」」

そして、アレンとアーニャは瞠目した。

そりゃ、そうだね。

 

「そ、そんな…ミャーはミャーは!」

「落ち着け!愚図1号!」

「……そう、あの子達の…。」

「シノス…?」

フレイヤは流石に覚えているようだね。

アレンがああなり、アーニャを追放せざるを得なかったあの事件を。

 

カランカラン

 

オッタルか…タイミングがいいのか悪いのか…。

丁度いいね。

「…ミア。いつもの…シノス様?ルーゼ?……どうしたのだ?」

「………裏へ来な、オッタル。坊主、ルゥもだよ。」




ベルとルゥが深層へ落ちた時、そこにいた遭難者がいましたね?
彼らの装備を剥ぎ取ったおかげで何とか生き延びました。
その時の遺品に、地図がありましたね?

内容は、
『申し訳あり…………レ……様…………ごめ……マ……母さん…………帰れなくて……』
とあり、…を一文字とし読点などは数えないとしたら、
「申し訳ありません、フレイヤ様。今までごめんな、マリア母さん。孤児院へ帰れなくて悪い。」
ではないかと予想しています。

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