アーニャさんがパニックになり、アレンも半ばパニックになってアーニャを諌めています。
そして…。
ミアが神妙にし、アーニャがパニックになりアレンも…。
仕方がないわ。
この団旗は確かに私の…【フレイヤ・ファミリア】の団旗なのだから。
「ミャーは!ミャーは!」
「落ち着きやがれ!愚図1号!あれはてめえのせいじゃねえ!俺のせいだ!何回言えばわかるんだ!」
「ミャーは!ミャーは!」
かなりパニックになっているわね。
しょうがないわ。この…遺書を見たらね。
「アーニャ、すみません!」
ゴッ…!
「………きゅう。」
今は、気絶させたほうがいいわ。
「ルゥさん…。」
「ふぅ…。アーニャがこんなにパニックになるのは初めて見ました…。」
「ミア……一体どうしたのだ?」
「オッタル、アーニャがホームから出たきっかけは覚えているね?」
「!…ああ。」
ええ、オッタルなら知っているはずだわ。
「そのきっかけのアイツらの遺品だよ。その団旗と…裏の遺書もね。」
「何……これは!……そうか、お前らが深層で会ったのは…。」
「はい…オッタルさん。僕たちが会ったのは…【フレイヤ・ファミリア】団員の方々でした。既に骨になっていましたが…。」
「すみません。あの時は私達は手負いのため、余裕がありませんでした。」
そう、それよ。
ベルとルゥから聞いたけど、その子たちが死んだのが一ヶ月前ぐらいならわかるわ。
けど…あの子達ならあり得ない、そう絶対にあり得ないのよ。
「いや…聞いただけだ。そうか、この遺書を持ってきてくれただけで感謝する。これは俺が…。」
「やめろ、オッタル。」
「アレン…。」
「アレは俺のせいだ。俺があいつらを殴り飛ばしてでも連れ戻さなければ、起こらなかったんだ。これは当時の責任者である俺が持っていく。」
「…当時の団長は俺だ。俺が全責任持つ。」
「だから!何が何でもてめえが責任負うんじゃねえ!これは俺の責任だ!…てめえを倒してでもだ!」
「アレン……。」
アレンもあの時を覚えているわね、いえ忘れるはずがないわ。
アレンがアーニャを切り捨て、追放せざるを得なかった事件なのだから。
『ルゥさん…。』
『ベル、これは【フレイヤ・ファミリア】の問題です。私達が口出す問題ではありません。』
ええ、そうね。
……私が出張ったほうがいいわね。
「やめなさい。神フレイヤとしての言葉を伝えます。」
「「「!」」」
「これはオッタルの責任でもアレンの責任でもないわ。あの子達の責任よ。」
「「………。」」
「これは【フレイヤ・ファミリア】としてやり残したことよ。さっきからずっと気になったことがあるの。ベル、ルゥ、貴方たちに聞きたいわ。」
「あ、はい。」「神フレイヤ…、何でしょうか?」
ええ、聞かなければならないの。
あり得ないことを。
「貴方たちはこの遺品の持ち主、遺骨に会ったと言ってたわね?」
「ええ。」「はい。」
「なら、どうしてダンジョンに飲み込まれていないの?」
「「「!!」」」
「モンスターも例外なく、遺体もダンジョンに飲み込まれているはずよ?」
「…何があったかわかりませんが、彼らが死んだのはいつ頃ですか?」
「10年程前かしら…?確かそのぐらいだったわよね?オッタル、アレン。」
「「!!……はい。」」
「なっ!あ、あり得ない!」
オッタルもアレンも気づいたわね。
そう、あり得ない。ダンジョンが10年も放置するなんて。
「そう、あり得ないのよ。10年も経っているのに、骨も遺品も残っているなんて。」
「「………。」」
「それは置いておきましょう。骨が残っているなら丁度いいわ。」
「フレイヤ様…何を?」
「かつての主神としてお願いよ?…その子達の遺骨を持って帰ってほしいの。」
「「!!」」
それが…【フレイヤ・ファミリア】としてやり残したことよ。
そして、あの子達を弔わなければならない。
そしてあそこの子達にも…。
「場所は覚えているよね?ベル、ルゥ。」
「あ、はい。覚えています。ルゥさんもですね?」
「ええ、いつかは弔おうと思っていました。」
「なら、幸いね。オッタル、アレン。彼らと共に深層へ行って回収してくれる?」
「「はっ、かしこまりました!」」
レベル9相当のベルと、レベル8のオッタルがいれば深層は楽に進むはずよ。
「待つ…ニャ。」
「アーニャ!気づいたのですか!」
「ミャーも…行くニャ…。」
「てめえが来てどうするってんだ!足手まといだ!大人しくここにいやがれ!」
「兄様!これはミャーが招いたことだニャ!ミャーが行かなければミャーの悪夢は終わらないニャ!」
「駄目だ!「アレン、連れていきなさい。ただしアーニャ、ちゃんとみんなの言う事を聞きなさいね?」ちっ…勝手な行動をしたら轢き殺すぞ!」
「ありがとうございますニャ!わかったニャ!」
アーニャにとって、いえアレンにとってもケジメをつけなければならないわ。
その時が来たということね。
「ルゥさん、僕らもホームへ戻って神様へ伝えましょう!」
「ええ、そうですね(もう1つ気になることがある…魔石灯は長くても数ヶ月のはずだ…。あの時の魔石灯は眩しいほど光っていた…あり得ない。ダンジョンだからでしょうか?)」
あら…?
ルゥは何か引っかかっているわね。後で聞いてみましょう。
「おい…神々にはどう説明するんだい?」
「私から言います。依頼料は、ヘスティア様から借金します。」
「神デメテルにはアタシから言うよ…。アタシも他人事じゃないからね。」
「私も行きます。神デメテルにも別件でお願いしたいことがあるんです。ルーゼも協力してくれる?」
「もちろんです!」
あの子達を迎える準備をしないといけないわ…。
どうしましょう…借金。
シノスさん、神フレイヤの代弁者として場を収めました。
よくよく考えてみれば、遺体などがキレイに残っているのが不思議なのです。
それも10年以上も(特に魔石灯は)。
そして、オッタル・アレン・アーニャ、ベル、ルゥで深層へ再度潜ります。
彼らの遺骨を回収するために。
そして、アレンとアーニャのケジメをつけるために。
今回は、ベルとルゥの恩返しと共にアレンとアーニャのケジメをつける回です。
盆が終わったというのに、すみません!
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