白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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はい、今回はシノスさん回です。
アーニャさんがパニックになり、アレンも半ばパニックになってアーニャを諌めています。
そして…。


第289話 街娘、代弁。

ミアが神妙にし、アーニャがパニックになりアレンも…。

仕方がないわ。

この団旗は確かに私の…【フレイヤ・ファミリア】の団旗なのだから。

 

「ミャーは!ミャーは!」

「落ち着きやがれ!愚図1号!あれはてめえのせいじゃねえ!俺のせいだ!何回言えばわかるんだ!」

「ミャーは!ミャーは!」

かなりパニックになっているわね。

しょうがないわ。この…遺書を見たらね。

 

「アーニャ、すみません!」

ゴッ…!

「………きゅう。」

今は、気絶させたほうがいいわ。

 

「ルゥさん…。」

「ふぅ…。アーニャがこんなにパニックになるのは初めて見ました…。」

「ミア……一体どうしたのだ?」

「オッタル、アーニャがホームから出たきっかけは覚えているね?」

「!…ああ。」

ええ、オッタルなら知っているはずだわ。

 

「そのきっかけのアイツらの遺品だよ。その団旗と…裏の遺書もね。」

「何……これは!……そうか、お前らが深層で会ったのは…。」

「はい…オッタルさん。僕たちが会ったのは…【フレイヤ・ファミリア】団員の方々でした。既に骨になっていましたが…。」

「すみません。あの時は私達は手負いのため、余裕がありませんでした。」

そう、それよ。

ベルとルゥから聞いたけど、その子たちが死んだのが一ヶ月前ぐらいならわかるわ。

けど…あの子達ならあり得ない、そう絶対にあり得ないのよ。

 

「いや…聞いただけだ。そうか、この遺書を持ってきてくれただけで感謝する。これは俺が…。」

「やめろ、オッタル。」

「アレン…。」

「アレは俺のせいだ。俺があいつらを殴り飛ばしてでも連れ戻さなければ、起こらなかったんだ。これは当時の責任者である俺が持っていく。」

「…当時の団長は俺だ。俺が全責任持つ。」

「だから!何が何でもてめえが責任負うんじゃねえ!これは俺の責任だ!…てめえを倒してでもだ!」

「アレン……。」

アレンもあの時を覚えているわね、いえ忘れるはずがないわ。

アレンがアーニャを切り捨て、追放せざるを得なかった事件なのだから。

 

『ルゥさん…。』

『ベル、これは【フレイヤ・ファミリア】の問題です。私達が口出す問題ではありません。』

ええ、そうね。

……私が出張ったほうがいいわね。

 

「やめなさい。神フレイヤとしての言葉を伝えます。」

「「「!」」」

「これはオッタルの責任でもアレンの責任でもないわ。あの子達の責任よ。」

「「………。」」

「これは【フレイヤ・ファミリア】としてやり残したことよ。さっきからずっと気になったことがあるの。ベル、ルゥ、貴方たちに聞きたいわ。」

「あ、はい。」「神フレイヤ…、何でしょうか?」

ええ、聞かなければならないの。

あり得ないことを。

 

「貴方たちはこの遺品の持ち主、遺骨に会ったと言ってたわね?」

「ええ。」「はい。」

「なら、どうしてダンジョンに飲み込まれていないの?」

「「「!!」」」

「モンスターも例外なく、遺体もダンジョンに飲み込まれているはずよ?」

「…何があったかわかりませんが、彼らが死んだのはいつ頃ですか?」

「10年程前かしら…?確かそのぐらいだったわよね?オッタル、アレン。」

「「!!……はい。」」

「なっ!あ、あり得ない!」

オッタルもアレンも気づいたわね。

そう、あり得ない。ダンジョンが10年も放置するなんて。

 

「そう、あり得ないのよ。10年も経っているのに、骨も遺品も残っているなんて。」

「「………。」」

「それは置いておきましょう。骨が残っているなら丁度いいわ。」

「フレイヤ様…何を?」

「かつての主神としてお願いよ?…その子達の遺骨を持って帰ってほしいの。」

「「!!」」

それが…【フレイヤ・ファミリア】としてやり残したことよ。

そして、あの子達を弔わなければならない。

そしてあそこの子達にも…。

 

「場所は覚えているよね?ベル、ルゥ。」

「あ、はい。覚えています。ルゥさんもですね?」

「ええ、いつかは弔おうと思っていました。」

「なら、幸いね。オッタル、アレン。彼らと共に深層へ行って回収してくれる?」

「「はっ、かしこまりました!」」

レベル9相当のベルと、レベル8のオッタルがいれば深層は楽に進むはずよ。

 

「待つ…ニャ。」

「アーニャ!気づいたのですか!」

「ミャーも…行くニャ…。」

「てめえが来てどうするってんだ!足手まといだ!大人しくここにいやがれ!」

「兄様!これはミャーが招いたことだニャ!ミャーが行かなければミャーの悪夢は終わらないニャ!」

「駄目だ!「アレン、連れていきなさい。ただしアーニャ、ちゃんとみんなの言う事を聞きなさいね?」ちっ…勝手な行動をしたら轢き殺すぞ!」

「ありがとうございますニャ!わかったニャ!」

アーニャにとって、いえアレンにとってもケジメをつけなければならないわ。

その時が来たということね。

 

「ルゥさん、僕らもホームへ戻って神様へ伝えましょう!」

「ええ、そうですね(もう1つ気になることがある…魔石灯は長くても数ヶ月のはずだ…。あの時の魔石灯は眩しいほど光っていた…あり得ない。ダンジョンだからでしょうか?)」

あら…?

ルゥは何か引っかかっているわね。後で聞いてみましょう。

 

「おい…神々にはどう説明するんだい?」

「私から言います。依頼料は、ヘスティア様から借金します。」

「神デメテルにはアタシから言うよ…。アタシも他人事じゃないからね。」

「私も行きます。神デメテルにも別件でお願いしたいことがあるんです。ルーゼも協力してくれる?」

「もちろんです!」

あの子達を迎える準備をしないといけないわ…。

 

どうしましょう…借金。




シノスさん、神フレイヤの代弁者として場を収めました。
よくよく考えてみれば、遺体などがキレイに残っているのが不思議なのです。
それも10年以上も(特に魔石灯は)。

そして、オッタル・アレン・アーニャ、ベル、ルゥで深層へ再度潜ります。
彼らの遺骨を回収するために。
そして、アレンとアーニャのケジメをつけるために。

今回は、ベルとルゥの恩返しと共にアレンとアーニャのケジメをつける回です。

盆が終わったというのに、すみません!

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