白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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ルゥさん回です。
闘技場を抜けたら…。


第291回 妖精剣士、遭遇。

ベルはもう大丈夫ですね。

二ヶ月前に苦戦したというのに…早いですね。

「…このペースなら2日あれば帰れるな。」

「…あの通路がなければもっとかかってただろうな。…あの時にあの通路があれば…。」

「やめろ、アレン。たらればを言えばキリがない。」

「うるせえ!わかっている!」

「に、兄様!あまり大声出すとモンスターが‥。ウニャー!スパルトイがうじゃうじゃ出たニャー!」

…【女神の戦車】、いい加減にしてください。

まあ、気持ちはわからなくもないです。

 

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そろそろですか…。

「まもなく、目的地です。」

「あ、ルゥさん。あの明かりではないですか?」

「ええ、そうですね。」

やはりだ…、あの明かりは本来の魔石灯の明かりではない。

ダンジョン特有なのでしょうか…?

 

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私達が装備を剥がし、丁重に弔ったままですね…。

「…荒らされていませんね。」

それが妙です。既に一ヶ月以上たっているんです。

とっくにダンジョンに飲み込まれているか、モンスターによって食い荒らされているはず。

なのに…このルームにはモンスターも通った後がない…。

手前まで行って避けている足跡が目立ちます。

 

「彼らが…僕たちを助けてくれた方です。」

「綺麗にされているな…。確かに、モンスターにもダンジョンにも取り込まれていない…。」

「…さっさとこいつらを回収するぞ。おい!愚図!」

「は、はいニャ…。………済まないニャ…。帰ろうニャ…みんな。」

アーニャ…。

 

カッ!

 

魔石灯がいきなり輝いた!?

「なっ!魔石灯がいきなり輝いただと!」

「ちっ!罠か!?」

「やはり、あれは普通の魔石灯ではない!皆さん!下がりましょう!」

「な、何が来るんですか!?……え?」

「ニャ!……お、おミャーら…。」

な…幻…?人型の…?

 

『お久しぶりです…団長、アレンさん。』

『アーニャ…来てくれたのね。待ちくたびれたわよ…。』

『フレイヤ様は…元気でしょうか?』

しゃ、喋った…!?

団長…アレンさん?

それに…、フレイヤ様…?

この方々は…まさか!?

 

「こ、この人達は…?」

「馬鹿な…こんなことが。」

【猛者】は知っているのですか?

 

「彼らは…誰ですか?」

「……死んだはずの…俺らの、アーニャの仲間だ…。」

なっ…!?

馬鹿な…幽霊!?

 

『…そこの2人…私達を丁重にしてくれてありがとう…。』

『装備とポーションは役立ったかな?…お腹くださなかった?』

『生きてくれてよかったぜ。』

「あ、はい。あの時はありがとうございます(ペコッ)。」

「何故、普通に会話できてるのですか…。ベル。」

ベル…貴方は大物ですよ。

異端児だけでなく、幽霊までも…。

 

……そういえば、メイさんとセバスさんは常に言ってましたね。

『未知を既知へ変えろ』…と。

 

「お、おミャーら…。ミャーは…ミャーは…。」

『アーニャ…あれは君のせいじゃない。』

『そうよ、私達の不注意よ。』

『あの時、ペルーダの毒に既にやられていた。いずれにしろ、手遅れだったんだ。』

「やはり、そうだったのですか。」

「ペルーダの毒か…それは助からないだろうな。」

彼らの持ち物には解毒剤がなかったはずです。

いずれにしろ、死んでいたでしょう…。

 

「ごめんなさいニャ!…ミャーが無理矢理言わなきゃ…。」

『アーニャ…もう謝るな。』

『アーニャちゃんは随分苦しんだのね…見たら分かるわ…。』

『お前のせいでも、アレンさんのせいでもないんだ…むしろあんたたちが生きてくれてよかったぜ…。』

「てめえら…。」

これは私達が口を挟む状況ではありませんね。

アーニャと【女神の戦車】の問題です。

 

『もう…時間だ。』

『悪いけど…私達の遺骨を…ダイダロス通りの』

『マ…リア…母さんへ…渡して…ほし…い』

「マリア…?マリアさんを知っているんですか!あなた達は、まさか孤児院の…!」

マリア母さん…?

ベルは何か知っているようですが…。

 

「ま、待つニャ!ミャーは…ミャーは!うあああああああっ!」

アーニャ…。

その気持はわかります。私もアリーゼたちを失った時もそうでした。

しかし、アーニャは死んだはずの彼らの幽霊に会えました。

私はベルが連れてきたアリーゼたちが復活し、会うことができた…。

いずれにしろ、ベルがいなければありえなかったでしょうね。

 

「消えたか…。」

「魔石灯は…光らない。魔石灯に彼らの魂が宿っていたのですか…10年も。」

10年も魔石灯に宿り、モンスターを近づけさせずダンジョンから守っていたのですか…。

誰か来るのを待ち続けるために…。

彼らを見つけたのが、ワームウェールによって連れてこられた私とベルだったのは、妙な縁ですね。

 

「ダンジョンに取り込まれていなかったのは…そのせいか。見事だ…!」

「…アーニャさん。彼らを持ち帰りましょう。マリア母さんに…孤児院のみなさんへ返しましょう。」

「…グスッ…グスッ……。わかったニャ…。」

「手伝いますよ、「不要ニャ…これはミャーがやらなければならないニャ…」分かりました。ベル、私達は周辺を見張りましょう。」

「俺も見張ろう…。アレン、アーニャ、頼むぞ。」

「…さっさとしろ、愚図。」

「わかったニャ…。」

魔石灯が消えた今、モンスターが近づいてくる気配を感じます。

アーニャが回収する間は邪魔させません!

 

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アーニャが丁重に弔い、【女神の戦車】と2人で遺骨を抱えています。

この2人は戦闘できませんね。

「俺と愚図はこいつらを抱え込むから、モンスターへの迎撃は任せるぞ。」

「分かりました!ようやく深層に慣れてきました!」

「ベル、行くぞ!」「はい!」

「殿は私が努めます!アーニャたちは走ることに専念して下さい!」

「わかったニャ!何が何でも持ち帰るニャ!」

行きよりスムーズでしたので、セーフティエリアへ早く着けました。

闘技場は【猛者】が壁を破壊したため、モンスターが出ませんでした。

 

「闘技場の下のセーフティエリアに何とか着きましたね。」

「ああ、かなりのハイペースだ。…それにこの場所があったのか。使えるな。」

「おい、脳筋。それは後にしろ。」

……この場所を利用して、特訓ですか。

まあ、気持ちはわかります。

 

「ウ、ウニャー…。さ、さすがに速いニャー…。ミャーは…少し寝るニャ…。」

「そうですね。ここで一休み………。」

「どうしました?ルゥさん?…あっ!」

「……何を赤面してんだ?てめえら…。」

「「ななな、何でもありません!」」

「……そうか。少し寝るぞ…。」

……あの時を思い出すと、顔が熱くなります。

ベルも覚えているようですね。

……お互い、顔を見れません…。

 

一休みした後、向かいましたが。

【猛者】が『巨蒼の滝』を駆け上ると言ってます。

無茶苦茶を言うなと言いましたが、ベルが乗り気でした。

…仕方がありません。

「このペースなら、今日一日で帰れるな。」

「あんなに苦労した下層を一気に…。」

「滝を駆け上るなんて!ふざけるニャー!」

「いいから、さっさと駆け上りやがれ!」

…何とか登り切れました…。

ベルが先着で、【猛者】が2着でした。

…私達は上り切ることで精一杯でした。

アーニャは途中で【女神の戦車】に抱えられました。

 

「ふぅ…なかなか実りがあったな。」

「はい!オッタルさん!」

「はぁ…はぁ…。」

「ミャーは…限界ニャけど、…こ、孤児院まで頑張るニャ。」

「化け物共が…。…?…こんな朝早くに誰かいるぞ?」

あれは…!

 

「…メイさんの計算通りですね。」

「どこまで計算しているのですか…あの人は。」

「本当だよ…たった2日で深層を…。」

シノス…ルーゼ…ヘスティア様?




魔導灯が10年も続くわけがないと思います。
現代のLED灯でない限り。

なので、彼らの魂が魔導灯に宿り待ち続けた、と本作品はそう設定させていただきます。

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