ベルくんの自伝を読み終えたヘラは…。
……………。
ふざけるな…。
よくも…よくも…よくも…。
あの子を苦しませてくれたな…。
オラリオに着いたら、糞神共…覚悟しておけよ…。
だが…本当にあの子は半年でここまで来たのか?
本当に、あの雑魚とポンコツのメーテリアの子なのか?
信じられん…。
スキルだな…だがここまで急成長するスキルは知らん。
他にもありそうだが、会ってからでいいだろう。
強くなくても、あの子の容姿だけでいい。
…あの子は半年前に、家族を失ってオラリオへ来たとあるが、あの人は生きているはずだ。
妻である私が言うのだから間違いはない。
一体あの人に何があったのだろう。
いや、先にあの子のことだ。
「ふぅ…3日かけて読んだな。遠征編までか。よくもまあ、これだけの苦難を受けてきたのだな…。よく死ななかったものだ。それに…私とあろう神が半年前まで正気を失っていたとは情けない…。会ったらあの子を甘やかしてやらないとな。鞭はセバスたちがしてくれるだろう。」
ああ、楽しみだ。
それにしても…このぬいぐるみよくできているな。
「おっと、0巻だったな。一体何なのだ?」
そして私は0巻を読んだ。
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私は自分が情けない。
何故、もっと早く正気を取り戻さなかったのだ。
そうすれば…、アルフィアも余生をあの子と私と共に過ごせただろうに。
すまない…アルフィア…ベル。
許さん…許さんぞ…エレボスめ。
よくも私の愛する子を騙して、悪に堕としてくれたな…。
ザルドはどうでもいい。
他の邪神どももだ…。
糞神共を送還するついでに、奴らのいる天界へ言付けておかないとな。
くくく…覚悟しておけよ。
だが…、何故アルフィアが生きているのだ?
1週間前まではアルフィアの恩恵が切れていたはずだ。
それに病でそんなに長くはもたないはずだ。
恩恵が復活したのは…1週間前程だ。
それを証拠に…、あのエルフの魔法を無効化したのは間違いなくあの子の魔法だ。
あり得ないが、事実だ。
一体、一週間前に何が起こったのだ?
それに…あの人は何を考えている?
私を想った上であの子を育児放棄することはないだろうに。
まだ14歳ではないか。
あの子があまりにもかわいそうではないか。
あの人にもたっぷりとお仕置きをしないとな。
くくく。
あの子に会ったら、謝ろう。
…何と言ったらいいのだろう。今からでも考えておくか。
ヘスティアにもお礼言わないといけないな。
やることが多いな…。
む、そういえば全巻読んだら、呼び鈴を鳴らすんだったな。
チリン チリン
「お呼びでしょうか?」
「ああ、全巻読んだ。読んだらセバスの手紙とあるが?」
「はっ!こちらです。」
「そうか、ご苦労。」
「では、失礼します。」
どれどれ…。
む、…何だと?
ベルのためにやってほしいことだと?
私に命令する気か、あ奴め。
ふん、読んでやろう。
………なるほど。
確かに理にかなっているな。
ちょうどいい、アレスにはたっぷりとお礼しておかないとな。
敬愛するヘスティアを拉致し谷底へ突き落とし、ベルを手こずらせ泣かせた罪は重い。
同郷である分、余計に許さん。
私の恐ろしさを忘れたなら思い出させてやる。
ラキアを支配し、オラリオ周辺国を支配して防壁にするのはいい案だ。
数百年前からウザかったから丁度いい。
ここであの子のためにも掃除しておこう。
さて、そうと決まったらラキアへ向かわないとな。
ここには世話になったが、遠くなる前に降りるか。
チリン チリン
「お呼びでしょうか?」
「ああ、すまないがここで降りる。オラリオへ向かっていると思うが、用ができたからラキアへ向かう。」
「あ、それは不要でございます。」
「なんだと?」
「ヘラ様を乗せた時に、ラキアへ方向転換しております。明日には着きます。」
「……なるほど、私を利用したな(あ奴め…)。」
「も、申し訳ありません!」
「いや、いい。好都合だ。すまないが、また世話になる。」
「はっ!」
「思ったのだが、ラキアはオラリオの敵国なのだろう?すんなりと入れるのか?」
「ご心配いりません。ラキアにいる同志が手引きしてくれます。」
「同志、だと?」
「はっ!偉大なるベル様のファンです。」
「………そうか。」
あの子のファンはどこまで広がっているのだ?
…まあ、いい。敵となるよりはマシだな。
私達の時は周囲が敵だったからな、その分反省しないと。
あの子なら…味方が多ければ多いほどいい。
糞神の露払いは私がしておこう。
だがラキアという国には入れても、アレスのいる王宮まではさすがに厳しいだろう。
まあ、私の全知と神威を使えば可能だろう。
一応、聞いてみるか。
「だが、同志たるものでもさすがにラキアの奥深くまでは不可能だろう?」
「いえ、実は…」
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聞いた時は呆れた。
セバスとメイめ…やりすぎだ。
私の愛しい義孫を世界の王にする気か、奴らめ。
………かえって好都合かもな。
ベヒーモスとリヴァイアサンを討伐したのはあの人と私のファミリアが主で、他はパシリをしてくれたファミリアだけだ。
他の奴らは何もしてくれなかった、ただ称賛するだけだった。
ところが、黒竜討伐に失敗した途端手のひらを返しやがった。
あの時の悔しさ、屈辱は私の神生で忘れることがないだろう。
だから私達の失敗を反省して、あの子が黒竜を討伐するなら世界を巻き込んでやる。
世界にも責任をとらせてやる。
私の愛しい義孫のためにも。
まず、ラキアを支配しておかないとな。
アレスめ、覚悟しておけよ。
くくくくく…。
ベルにちょっかいを出した神々に激怒しています。
そしてファンクラブの拡大に呆れている、義祖母のヘラです。
またアレスの折檻も含めてラキアの支配を目論んでいます。
どうなるのでしょうか?
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