白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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ラキアでの苦労人、マリウス王子回です。


第303回 軍王子、降伏。

今、私はこの脳筋神を止めている。

「だから待てって!この阿呆神が!」

「な、何だと!私に向かって阿呆だと!」

「【白兎の脚】を神敵にするのは、阿呆だと言ってんだろうが!」

「黙れ!マリウス!わが神友のイケロスが、【白兎の脚】は【怪物趣味】で喋るモンスターを率いているというじゃないか!見捨ててはおけん!神敵【白兎の脚】を討伐しなければならん!ついでにグータラ女神も送還してやる!そして、クロッゾは私が有効に使ってやろう!フハハハハ!」

「いい加減にしろよ!それが目的だろうが!」

「何が悪い!」

「開き直るな!この馬鹿神が!」

くそっ!数ヶ月前にオラリオを攻めて大人しくなったと思ったのに!

この神が来たせいで…。

 

「ひひひ、王子さまよ~。アレスがこうなったら止まらねえぜ?好きにさせとけよ~。」

「うむ!さすが我が神友は分かっているな!」

「(クソッ!この神が来てから予定が狂った!やっとオラリオ侵攻癖が収まったというのに…。)」

「ええい!マリウスは捨て置け!皆の者!出撃用意せよ!」

「「「はっ!(えー、もういい加減にしてくれよー)」」」

「フハハハハ、オラリオはもう私の物だ!」

(((いや、無理だろ)))

また痛い目に合うだろうな…。

はぁ…抜けたい。

 

-----------------------------------------

数日後

 

「うむ!そうそうたる軍勢だな!」

「………はぁ。」

「司令官がそんなことでどうする!ほら士気上げんか!」

「数ヶ月前にオラリオへ侵攻したばかりで、しかも改宗済み。どう上げるんですか!」

「気合だ!」

「この脳筋神が!」

「脳筋とはなんだ!」

「アレス様、マリウス様、準備ができております。」

「うむ!では出発だ!」

「はぁ…。…?父上はどうした?」

「はっ!門で待つと第二王女殿下が言っておられました!」

「門だと?今までは王宮からだったのに…何故だ?」

「さぁ…そこまでは。」

「そうか…(気になるな…)。」

あの妹が見送り?信じられんな。

どういう風の吹き回しだ?

それに…父上も王宮からこの脳筋神を見送るのが習わしだったはずだ。

嫌な予感がする…。

 

「見よ!国民も我らを祝ってくれているぞ!皆、【白兎の脚】を討伐してくるぞ!」

「お、おー…。」

「うむ!」

「……(何故男ばかりなのだ?いつもは男女関係なくいたのに…それに棒読み…。嫌な予感がする…。)」

「ひひひ、面白えことになったな~。この形でオラリオへ帰るとは思わなかったな~(ま、大負けするのは確実だけどなー。アレスが単純で助かったぜ)。」

「皆の者!楽しみに待っておれ!」

…やはり気になる。国民の顔が…引きつっているような気がする。

気のせいか…?なら、疲れているな。

この出征が終わったら休暇を取ろう。

 

------------------------------

 

「さあ!門を開けよ!」

シー…ン

「む!どうしたのだ!」

「ア、アレス様!門番が開けようとしません!」

「何だと!」

「大変です!」

「何事だ!」

「お、王宮に反乱が…。」

「「「はぁ!?」」」

王宮だと!?

有りえない!間諜がいないことは確認したはずだ!

 

「な、何だとぉぉぉぉ!王宮へ引き返すぞ!」

「た、大変です!」

「今度は何だ!」

「こ、国民が我らに刃を向けています…。主に女性が。」

「「「はぁ!?」」」

「ふ、ふざけるなぁぁぁ!!」

馬鹿な!…いや、それならさっきの国民の中に女性がいないのがうなずける。

何故、我らに刃を向けるのだ!?

 

「何が起こっているのだ…。父上も門にはいないし…。」

「くっ!マリウス!何とかしろ!」

「うるせえ!今、考えているんだよ!」

「兵たちが混乱しています!」

「仕方がない!私の神威で収めてやろう!」

ゴォォォォ!

「落ち着くがよい!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

「「「ひぃぃぃぃぃぃ!」」」

「な、何だ!この神威は…私よりも上…だと!?」

馬鹿な…この脳筋神の売りである神威が無効化されたとは…。

一体どこの神だ!?

 

「くっ…士気が最低に…駄目だ。アレス様!この出兵は失敗です!」

「…ありゃ~、やばいかも。ここは逃げよっと…。」

「む!我が神友よ!手伝え!」

「え~…、無理だぜ~。この神威は、大神クラスだぜ?」

「関係ない!我らが力合わせば不可能はない!」

「いや、無理だって~。」

脳筋神にしてはナイスだ。

…いや、単に引き止めただけか。

部下に命じて逃さないようにしないと。

こいつが元凶だからな。

 

「おのれ!マルティヌスよ!私に刃向かうか!」

ポーイ、コロコロ…。

「む!何…だ…。」

「ち、父上!」

「へ、陛下の首が…。」

「た、大変です!王宮が乗っ取られました…。」

「誰の仕業だ!」

「………女性全員です。」

「「「は?」」」

ど、どういうことだ!?

女性全員が反乱を起こしたというのか!?

 

「どういうことだぁぁぁ!」

「あ、あちらに第二王女殿下がおられます!」

「何っ!」

「アレス様、お兄様、降伏なさってくださいませ。」

「妹よ…どういうことだ?」

「どういうことだ!お前のオムツを替えてやった恩を忘れたか!」

「なっ!?アレス様のそういうところが大嫌いです!」

「ぐはぁっ!」

無視しよう。自業自得だ。

 

「お兄様…王宮は既に私達の手の内にあります。国民もこちらの味方です。」

「何…だと?」

「父上を討つとは…狂ったか!」

「狂ったのはそちらでしょう!アレス様を見てくださいませ!」

「「「ああ…。」」」

まあ…いつも狂っているしな。

 

「お、おのれ!王太后や女王、第一王女はどうした!」

「こちらの味方です。」

「「「は?」」」

「ついでに、兵士の皆様そして貴族の奥方、お嬢様もこちらの味方です。」

「「「降伏します!」」」

……ここ、ラキアの首都で包囲されたらもう打つ手がない。

引くことも、進むこともできないな…。

 

「なっ!貴様ら!駄目だ!」

「ひひひ、アレス~。俺らの負けだぜ~。」

「…降伏しましょう…。もう全ての手を打たれています。」

「お、おのれぇぇぇぇ!」

せめて…冒険者になりたかったな。




はい、苦労人アスフィと並ぶ方です。
大変ですね…。

そしてラキアの内乱によって、クーデターが起こりました。
もちろん、クーデターはファンクラブによるものです。
わかりますね?

既にファンクラブは王族まで伸びており、王族の女性が既にベルくんのファンとなっています。
いえ、ラキアの女性全員が、です。
アレスの出陣時点で詰んでいます。

そして…アレスは。

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