白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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はい、反乱によりアレスが捕縛されました。
そしてはアレスは…。


第304回 軍神、恐怖。

どうなっているのだ!

数百年も治めた国に…こいつらに裏切られるとは!

「き、貴様ら!」

「姉上…貴女までもですか。」

「マリウス、貴方のせいではありません。そこの愚神のせいです。」

「な、何だと!」

なっ!長年可愛がっていたのに…。

くそっ!誰だ!誑かした神は!

許さんぞ!

 

「母上…父上を討つのはやりすぎではないですか?」

「マリウス、仕方がないのです。愚神の言うがままになっていたあの人が悪いのです。」

「お祖母様…。」

「マリウス…王位継承権を第一王女へ譲りなさい。」

「なっ!駄目だ…モゴモゴ…。」

おのれ!長年面倒をみてやったというのに…!

 

「愚神は黙ってくださいませ。」

「マリウス、貴方に愚神の世話という大変な苦労をおかけしましたね。もういいのですよ。」

「母上…。」

「念願のオラリオの冒険者になりたいのでしょう?」

「…!…!(駄目だ!この裏切り者共が!)」

愚神愚神と言うな!

マリウス!諦めるな!

 

「…わかりました。せめて、何故このようなことをしたのかを話してくれませんか?」

「別室でお話します。誰かおるか!そこの愚神共を玉座の間にいるあの方のところへ。」

「はっ!来い!愚神共!」

「ひひひっ、俺とこいつを一緒にしないでくれるか~?」

「…!…!(おのれ!許さんぞ!)」

おのれ!いつか挽回してやるからな!

ラキアは、私の国だ!

 

---------------------------------------

 

私とイケロスは拘束され、目隠しされたままで玉座の間まで連行された。

くそっ!こんなことをされるのは天界でもヘラの折檻以外、なかったぞ!

屈辱だ!

「お連れいたしました。」

「入れ。」

「目隠ししなくてもいいじゃんかよ~。」

「…!…!(この縄を解け!許さんぞ!)」

「………」

「はっ!ここへ置け。我らはこれにて退室します。」

「………」

誰だ!私の国を…ラキアを陥れた神は!

 

「かしこまりました。では失礼します。」

「ぷはっ!誰だ!」

「ひひひ、アレスの神威を抑えるなんてよ~。それに面白いことしてくれたのは誰なんだ~。」

顔を見てやろう!

…え?

 

「私だ。久しぶりだな、アレス、イケロス。」

「「……………。」」

「どうした?感動のあまりで声も出せぬのか?」

「「ヘ、ヘ、ヘラぁぁぁぁぁっ!?」」

馬鹿な!何故何故何故、ヘラがここにいるのだぁぁぁぁっ!

はっ!これはチャンスだ!

かつて最恐の【ヘラ・ファミリア】を味方につけるための!

 

よし!私の話を聞けば、ヘラもわかってくれるはずだ!

「ヘラ!聞いてくれ!【白兎の脚】の愚行を!」

「ほう。」

「ば、馬鹿!やめろ!アレス!」

「神友よ!止めるな!ヘラならわかってくれるはずだ!」

「お、おまっ!忘れたのか!」

私に任せろ!

ラキアも、クロッゾも私の手に戻るのだ!

 

「あの兎はアルミラージから生まれたヤツに違いない!アルミラージとどこかの醜女が交わり、生まれた子に違いない!」

「………。」

「ひ、ひぃぃぃぃぃぃっ!」

「だから、卑しい心だからこそ【異端児】という汚らわしいものを匿うのだ!庇ったヘスティアも同罪だ!邪神そのものだ!」

「………。」

「(馬鹿アレスぅぅぅ!俺は逃げるぞ!手足縛られているが窓まで逃げて飛び降りて、天界へ逃げよう!)」

「【猛者】に勝ったのも何か反則をしたに違いない!ヘスティアが反則して勝たせたのだろう!」

「………。」

あの戦争遊戯はあり得ない!

レベル5がレベル8に勝てるわけがないのだ!

…あの猫人の歌に気絶させられたままで終わっていた、とは言えない…。

 

「(よし、ここまで…なっ!窓全部が塞がれている!扉は…ノブが壊されている…。に、逃げられない…。)」

「あの兎を捕らえて、髪ごと顔の皮を剥がして吊るしてくれようぞ!ヘラ、手伝ってくれ!貴女の得意技だろう!」

「………。」

「所詮、母親は醜女だろうさ!せめてものの情けで火あぶりにしてやろうではないか!」

「………。」

「(これ以上刺激するなぁぁぁぁ!!!)」

「あ、クロッゾは私にくれ。有効に使ってやる!他はラキアの奴隷として使ってやろう!」

「………。」

うむ!黙っていることは私の高説に感動しているのだろう!

これでヘラはこちらの味方だ!

 

さて、拘束を解いてもらわないとな。

「ということで、拘束を解いてくれないか?貴女にも手荒なことはしないことを約束しよう!」

「言いたいことはそれだけか?」

「言い足りないが、それぐらいにするさ!続きは後でしよう!」

「そうか、そうか、そうか。」

「(ガクガクブルブル)」

「む?我が神友よ。部屋の隅で震えて…、どうしたのだ?」

何故、恐怖に怯えているのだ?

大丈夫だ!ヘラは既にこちらの味方なのだからな!

 

「アレス、私にはかつて【ヘラ・ファミリア】を率いていた。」

「おお、知っているぞ!」

「その【ヘラ・ファミリア】で一番愛していた子がいた。」

「うむうむ。」

ヘラでも愛する子がいるのは当然だな!

 

「その娘はメーテリアと言う。だが、私の夫のファミリアの雑魚がメーテリアに子種を植えた。」

「そ、そうか…。何て無謀なことを。」

「(無謀なのはお前だぁぁぁぁっ!)」

「そしてメーテリアは体が弱かった。命と引き換えに子を産んだ。」

「そうか…心中察する。」

「(そこを察するなぁぁぁっ!他のところを察しろぉぉぉぉ!)」

ヘラの子に手をだすとは…さすがゼウスの子だな!

おっと、それを言うと折檻されるな。

 

「その子の名前は…ベル・クラネルという。」

「ほう!可愛らしい名前ではないか。…はて?どっかで聞いたことがあるな。」

「(名前くらい覚えろよぉぉぉぉぉ!)」

「その子は今…【ヘスティア・ファミリア】団長となっている。」

「へ?」

「二つ名は【白兎の脚】という。」

「…………。」

「そう、先程貴様が散々と貶した子が…私の可愛くて愛しい義孫だ。」

「…………。」

ダラダラダラダラダラ…。

まずい不味いまずい不味い…。

忘れていた…アストレアの言っていたことを。

 

私…さっきまで…ボロクソに…。

しかも…ヘラの最愛の娘までも…。

 

ヤゔぁい。

あ、キレている…ゼウスが浮気した時より…。

「よくも、よくも、よくも…。」

「ヘ、ヘラ…、ちょっと待ってくれ…お、落ち着いてくれ…。」

「私の義孫だけでなく…愛する娘のメーテリアまでも侮辱したな?アレス?」

「べ、弁解をさせてくれ…。」

「それだけではない、私が天界で唯一敬愛するヘスティアを侮辱したな?」

「け、敬愛って…あのグータラのどこが?」

グータラして火の番しているだけだろうが!

オリンポス十二神の座を蹴ったのは愚かといいようがない!

 

「グータラだが、貴様よりはマシだ。貴様は邪神そのものだ。大神の妻である私が保証しよう。」

「そ、それはひどすぎる!私は善神だ!」

「善神?オラリオを数百年に渡って、飽きもせずに攻めて国民を苦しませた神のどこが善神だ?」

……ハイ、ごもっともです。

イケロス!俺をフォローしてくれ!

 

「…………神友よ!助けてくれ!」

「(こっちへ振るなぁぁぁぁぁ!)」

「イケロス。」

(ビクッ!)

 

「貴様の子に私の義孫が大変世話になったな?」

「申し訳ありませんでした!」

「貴様の子はあの可愛い子に何と言ったと思う?」

「大変申し訳ありませんでした!」

「『偽善者』と。ふふふ、貴様の子に一番言われたくないな?そう思わないか?」

「はい!そう思います!」

イ、イケロス、ずるいぞ!

得点を稼いだな!

 

「そうか、貴様もそう思うか。…だが、許さん。私の義孫を貶し苦しませ追い込んだ貴様に、役目をやろう。」

「や、や、役目とは?」

「メッセンジャーだ。天界へのな。」

「天界ですか!?喜んで!」

「ああ、貴様の体に直接、徹底的に刻んでな。喜ぶがいい。」

「………。」

え?き、刻む?文字通り体に…。

ひぃっ!…ヤヴァイ。

 

天界へ…送還されるのはイヤだ…。

ラキアが…私の国が…。

「アレス。貴様は生かしてやろう。」

「ほ、本当か!」

「ああ、この国の王族から嘆願されたのでな。」

「それならこの縄を解いてくれ!」

「解くさ。私の気が済んだらな?」

「………。」

「さて…そろそろ私の我慢も限界だ。楽になれると思うなよ?」

「「ひぃぃぃぃぃぃっ!」」

助けてくれぇぇぇぇぇっ!

マリウスでもいい!ヘスティアでもいい!

イヤダァァァァァァァ!




はい、ヘラの逆鱗の中の逆鱗に触れました。
アレスらしいですね。

イケロスも原作にない、ツッコミ役をやっていますね。
意外と似合いますね。

アレスとイケロスについてどうなったのかは、しばらく先になります。
楽しみにしてくださいませ。

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