白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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アレスとイケロスを折檻したヘラです。
一段落ついたあとは…。


第305回 義祖母、指示。

ふん、このぐらいにしておくか。

「このぐらいにしてやろう。仲間がこれから増えるから楽しみにしとけ。」

「「…………。」」

もう口もきけないか。

この程度で情けない奴らめ。

あの人は、この程度なら軽い口でも叩くというのに。

 

さて、奴らへ指示しておくか。

チリン チリン

 

「お呼びでしょうか?」

「ああ、これからの戦略だ。王族共はどこにいる?」

「はっ!王族のリビングにおります。」

「そうか、そこへ行く。」

「ご案内いたします。」

やれやれ、王族は面倒だな。

 

ここか。

「邪魔するぞ。」

「「「ヘ、ヘラ様!このようなところに!」」」

「気にするな。いちいち呼び出すのも面倒だから出向いてやった。」

「「「はっ!ありがとうございます!」」」

「さて…そこの若者は第一王子か?」

「あの…ヘラ様。どうか、息子には目こぼしを…。」

「わかっている。全てはあの馬鹿が悪い。そうだろう?」

「「「はい!」」」

本来なら厳罰だが、こいつらがあまりにも庇うからな。

それに下々の者にも上層部でも評判がいいしな。

アレスの尻拭いといったところか。

 

「マリウス・ウィクトリクス・ラキアと申します。ヘラ様、お初にお目にかかります。」

「ヘラだ。…ヘスティアを拉致したのは貴様か?」

「…アレス様と拉致したのは事実でございます。」

「奴の指示に従っただけだな?そうだな?」

「はい。」

「なら、貴様には罪はない。ところで…既に聞いていると思うが私の義孫について、どう思う?正直に答えろ。」

「…では、正直に申し上げます。異常です。半年過ぎでレベル5ではおかしくありませんか?いくら何でも早すぎます。それに…あの戦争遊戯は魂までも震えました。本当に14歳ですか?数倍はいってませんか?英雄という枠を超えているんじゃないかと思いました。」

「ふむ、まあそうだな。私もかつて【ヘラ・ファミリア】を率いていたから、それはすごく分かる。あの子は早すぎる。おそらくスキルだろうが…【ヘスティア・ファミリア】の守秘にかかわるから深くは踏み込むな。…英雄という枠というより【神工の英雄】からはみ出ていると言ったほうが正しいな。」

「そうですか…。」

オラリオの冒険者になりたいというのは嘘ではないようだな。

 

一応確認しておくか。

「貴様に王位継承権は既にない。私を恨むか?」

「父上に対して思うところはありますが、恨みはしません。念願の冒険者になれるのですから。」

「そうか。だが、その前にいくつか仕事をしてもらおう。そうすれば希望のファミリアへ斡旋してやる。」

「仕事、ですか?」

「ああ、そうだ。まずオラリオの周辺国占領だ。その国らの情報収集をしろ。」

「…その国々には間諜を忍び込ませていますから、すぐに済ませられるかと。」

手回しがいいな。

アレスも馬鹿だな。

こいつを有効的に使えばすればオラリオ以外支配できたものを。

 

なら、私が有効的に使ってやろう。

「ほう、あの馬鹿にはもったいない奴だな。なら、弱点を調べろ徹底的にな。」

「かしこまりました。」

「調べたら一斉に攻めろ、迅速にな。反撃の時間も与えるな。」

「かしこまりました。」

「後、手の空いている奴に命じろ。アポロンと愛する夫、ゼウスの居場所を探し出せ。」

「神アポロンと神ゼウスのですか?しかし…どう探したらいいのでしょうか?」

「お話の最中、失礼します。ヘラ様。ファンクラブの情報網でその神々の情報を報告したいのですが、いいでしょうか?」

「許す。」

「はっ!神アポロンは神アフロディーテにまとわりついて、オラリオへ向かっています。」

「…馬鹿なのか?アポロンは。【ヘスティア・ファミリア】の戦争遊戯で負けて、オラリオを永久追放されたはずだろう?」

「はっ!その通りですが、何故かオラリオへ向かっているようです。」

「…まあ、いい。どうせ、馬鹿象神のファミリアによって入ることはできないだろう。オラリオ近くに着いたら知らせろ。」

「はっ!神ゼウスですが、【ヘルメス・ファミリア】の主神ヘルメス宛に手紙が送られており、その宛先がオラリオ周辺国にあることが判明しました。」

「さすがのあの人も、可愛い義孫が気になるようだな。予想通り、オラリオからそう遠くないところにいるな。ふむ…周辺国を占領し虱潰しに探したほうが無難か。聞いたな?」

「はっ!今すぐ行動にかかります。」

「よし、行け。」

「では、失礼します。」

なるほど、なかなか優秀なやつだな。

ラキアで人気者というのもわかる。

まあ、私の義孫には及ばんがな。

 

ラキアをまともにするか。

面倒だが、義孫に歯向かわないようにせねばならん。

「さて、あの馬鹿のいいなりになっていた貴族は全員クビにしろ。文句言うなら斬れ。」

「はっ!」

「王妃、貴様が女王になってまとめろ。王太后は外交担当だ。第一王女は宰相をやれ、第二王女は第一王女のサポートをしろ。」

「「「かしこまりました!」」」

「これで少しはマシな国になるだろう。」

「あの…アレス様はどうなるのでしょうか?」

「心配するな、貴様らの嘆願で生かしてやる。ただし、廃神にはするがな。それでも飾り程度には役に立つだろう。」

「か、飾り程度ですか…。」

「不服か?あの馬鹿に好きなようにさせるから駄目なのだ。見た目だけはいいから、飾り程度が丁度いいのだ。」

「「「か、かしこまりました。」」」

「さて、私は奴らへの教育の続きをせねばならん。この国をまとめるよう急げよ?」

「「「はっ!」」」

うむ、思ったよりスムーズに進みそうだな。

 

そういえば…そろそろ数日経つがあの子はどうしているだろう?

戦争遊戯の影響で倒れてないだろうか?

聞いてみるか。

「おい、今のところあの子はどうなっている?」

「はっ!あの御方はレベル6になったとの知らせがありました!後、新刊9巻が発行されました。」

「ほう、もうレベル6か…。いや、戦争遊戯ではレベル5でレベル8の糞猪と互角だったから、実力的にはレベル9あたりか。もう私の子【女帝】に並んだか、ふふふ。」

「「「レ、レベル9…。すごいわ…ベル様。」」」

「新刊は後でじっくりと読もう。奴らへの教育がまだ済んでない上、私の怒りも収まっていないからな。」

「はっ!新刊はあとで部屋に持ち込みます。」

「ご苦労。あの子のことについて情報収集を怠るなよ?」

「心得ております!」

「さて、戻るか。おい、数日間でまとめろよ?」

「「「かしこまりました!全てはベル様のために!」」」

……セバスとメイめ。ファンクラブはやりすぎだろう…。

王族の全ての女性があの子の虜になっているぞ。

 

まあ、いい。あの子の敵は少ないほどいい。

敵は…私が取り除いてやる。

 

それが、あの子への14年間そばにいなかった、私のせめてものの償いだ。

自己満足だがな。




ラキアを完全に掌握したヘラです。
そして、ヘラによってマリウスが本領発揮しました。

ベルくんの成長に喜ぶ義祖母です。

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