一段落ついたあとは…。
ふん、このぐらいにしておくか。
「このぐらいにしてやろう。仲間がこれから増えるから楽しみにしとけ。」
「「…………。」」
もう口もきけないか。
この程度で情けない奴らめ。
あの人は、この程度なら軽い口でも叩くというのに。
さて、奴らへ指示しておくか。
チリン チリン
「お呼びでしょうか?」
「ああ、これからの戦略だ。王族共はどこにいる?」
「はっ!王族のリビングにおります。」
「そうか、そこへ行く。」
「ご案内いたします。」
やれやれ、王族は面倒だな。
ここか。
「邪魔するぞ。」
「「「ヘ、ヘラ様!このようなところに!」」」
「気にするな。いちいち呼び出すのも面倒だから出向いてやった。」
「「「はっ!ありがとうございます!」」」
「さて…そこの若者は第一王子か?」
「あの…ヘラ様。どうか、息子には目こぼしを…。」
「わかっている。全てはあの馬鹿が悪い。そうだろう?」
「「「はい!」」」
本来なら厳罰だが、こいつらがあまりにも庇うからな。
それに下々の者にも上層部でも評判がいいしな。
アレスの尻拭いといったところか。
「マリウス・ウィクトリクス・ラキアと申します。ヘラ様、お初にお目にかかります。」
「ヘラだ。…ヘスティアを拉致したのは貴様か?」
「…アレス様と拉致したのは事実でございます。」
「奴の指示に従っただけだな?そうだな?」
「はい。」
「なら、貴様には罪はない。ところで…既に聞いていると思うが私の義孫について、どう思う?正直に答えろ。」
「…では、正直に申し上げます。異常です。半年過ぎでレベル5ではおかしくありませんか?いくら何でも早すぎます。それに…あの戦争遊戯は魂までも震えました。本当に14歳ですか?数倍はいってませんか?英雄という枠を超えているんじゃないかと思いました。」
「ふむ、まあそうだな。私もかつて【ヘラ・ファミリア】を率いていたから、それはすごく分かる。あの子は早すぎる。おそらくスキルだろうが…【ヘスティア・ファミリア】の守秘にかかわるから深くは踏み込むな。…英雄という枠というより【神工の英雄】からはみ出ていると言ったほうが正しいな。」
「そうですか…。」
オラリオの冒険者になりたいというのは嘘ではないようだな。
一応確認しておくか。
「貴様に王位継承権は既にない。私を恨むか?」
「父上に対して思うところはありますが、恨みはしません。念願の冒険者になれるのですから。」
「そうか。だが、その前にいくつか仕事をしてもらおう。そうすれば希望のファミリアへ斡旋してやる。」
「仕事、ですか?」
「ああ、そうだ。まずオラリオの周辺国占領だ。その国らの情報収集をしろ。」
「…その国々には間諜を忍び込ませていますから、すぐに済ませられるかと。」
手回しがいいな。
アレスも馬鹿だな。
こいつを有効的に使えばすればオラリオ以外支配できたものを。
なら、私が有効的に使ってやろう。
「ほう、あの馬鹿にはもったいない奴だな。なら、弱点を調べろ徹底的にな。」
「かしこまりました。」
「調べたら一斉に攻めろ、迅速にな。反撃の時間も与えるな。」
「かしこまりました。」
「後、手の空いている奴に命じろ。アポロンと愛する夫、ゼウスの居場所を探し出せ。」
「神アポロンと神ゼウスのですか?しかし…どう探したらいいのでしょうか?」
「お話の最中、失礼します。ヘラ様。ファンクラブの情報網でその神々の情報を報告したいのですが、いいでしょうか?」
「許す。」
「はっ!神アポロンは神アフロディーテにまとわりついて、オラリオへ向かっています。」
「…馬鹿なのか?アポロンは。【ヘスティア・ファミリア】の戦争遊戯で負けて、オラリオを永久追放されたはずだろう?」
「はっ!その通りですが、何故かオラリオへ向かっているようです。」
「…まあ、いい。どうせ、馬鹿象神のファミリアによって入ることはできないだろう。オラリオ近くに着いたら知らせろ。」
「はっ!神ゼウスですが、【ヘルメス・ファミリア】の主神ヘルメス宛に手紙が送られており、その宛先がオラリオ周辺国にあることが判明しました。」
「さすがのあの人も、可愛い義孫が気になるようだな。予想通り、オラリオからそう遠くないところにいるな。ふむ…周辺国を占領し虱潰しに探したほうが無難か。聞いたな?」
「はっ!今すぐ行動にかかります。」
「よし、行け。」
「では、失礼します。」
なるほど、なかなか優秀なやつだな。
ラキアで人気者というのもわかる。
まあ、私の義孫には及ばんがな。
ラキアをまともにするか。
面倒だが、義孫に歯向かわないようにせねばならん。
「さて、あの馬鹿のいいなりになっていた貴族は全員クビにしろ。文句言うなら斬れ。」
「はっ!」
「王妃、貴様が女王になってまとめろ。王太后は外交担当だ。第一王女は宰相をやれ、第二王女は第一王女のサポートをしろ。」
「「「かしこまりました!」」」
「これで少しはマシな国になるだろう。」
「あの…アレス様はどうなるのでしょうか?」
「心配するな、貴様らの嘆願で生かしてやる。ただし、廃神にはするがな。それでも飾り程度には役に立つだろう。」
「か、飾り程度ですか…。」
「不服か?あの馬鹿に好きなようにさせるから駄目なのだ。見た目だけはいいから、飾り程度が丁度いいのだ。」
「「「か、かしこまりました。」」」
「さて、私は奴らへの教育の続きをせねばならん。この国をまとめるよう急げよ?」
「「「はっ!」」」
うむ、思ったよりスムーズに進みそうだな。
そういえば…そろそろ数日経つがあの子はどうしているだろう?
戦争遊戯の影響で倒れてないだろうか?
聞いてみるか。
「おい、今のところあの子はどうなっている?」
「はっ!あの御方はレベル6になったとの知らせがありました!後、新刊9巻が発行されました。」
「ほう、もうレベル6か…。いや、戦争遊戯ではレベル5でレベル8の糞猪と互角だったから、実力的にはレベル9あたりか。もう私の子【女帝】に並んだか、ふふふ。」
「「「レ、レベル9…。すごいわ…ベル様。」」」
「新刊は後でじっくりと読もう。奴らへの教育がまだ済んでない上、私の怒りも収まっていないからな。」
「はっ!新刊はあとで部屋に持ち込みます。」
「ご苦労。あの子のことについて情報収集を怠るなよ?」
「心得ております!」
「さて、戻るか。おい、数日間でまとめろよ?」
「「「かしこまりました!全てはベル様のために!」」」
……セバスとメイめ。ファンクラブはやりすぎだろう…。
王族の全ての女性があの子の虜になっているぞ。
まあ、いい。あの子の敵は少ないほどいい。
敵は…私が取り除いてやる。
それが、あの子への14年間そばにいなかった、私のせめてものの償いだ。
自己満足だがな。
ラキアを完全に掌握したヘラです。
そして、ヘラによってマリウスが本領発揮しました。
ベルくんの成長に喜ぶ義祖母です。
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