白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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ベルくんの【時駆白兎】が発動しました!
目的は…あの方です!


第314回 白兎、発動Ⅵ / 執事長、介抱。

「うわぁぁぁぁぁ!また、発動した!?」

セバスぅぅぅ!メイぃぃぃ!

事前に言ってよぉぉぉぉ!

 

『メーテリアを棺桶から取り出し、代わりのものを入れよ』

メ、メーテリア?

お義母さんがいつも言ってた…僕の本当のお母さん?

え?い、今がその時!?

いきなりすぎる!

心の準備させてよぉぉぉぉ!

 

ドーーーーーーン

 

「ここは…、小屋?」

あそこにぽつんとあるのは…棺桶?

…本当のお母さんが眠っている…棺桶。

 

スー…ゴトン。

「この女の人が…僕の本当のお母さん…。やっと…会えた。うううっ…。」

はっ!そうしちゃいられない!

早く取り出さないと…!

よいしょっと…うわっ軽い…。

……どこか懐かしい感じがする。

 

え、えーと…代わりとなるもの…。

あっ!女神様の木像がある!

うん…丁度同じ重さ。…ごめんなさい、女神様。

 

ゴトン…スー…バタン。

よし!本当のお母さんを担いで…

『ミッションコンプリート!』

やった!

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

とうとう、この時が来ました。

坊ちゃまのお母様…メーテリアお嬢様が復活なさいます。

「おい!どういうことだ!?何故、時空の穴が開くのだ!?」

「落ち着きなよ、ヘラ。」

「五月蝿い、黙れ。」

「(馬鹿な…あり得ん。天界でもない上クロノスもおらんのに、何故開くのだ!?)」

ヘラ様も、ゼウスも取り乱しているようですね。

あれほど取り乱しすのは初めてですね。

仕方がありません、目の前にしているのはそれほどあり得ない光景なのですから。

 

「目の前にすると驚くな…。」

「時空の穴を呼びだすとは規格外じゃぞ…。」

神ミアハと神ディアンケヒトは初見ですね。

 

「セバス!メイ!何故!あの時、あの子を救わなかったのだ!時空の穴に飲まれたら、最後だ!戻ってこれないんだぞ!」

「大丈夫でございます。」

「落ち着いてくださいませ。」

「貴様ら、何故そう落ち着いているのだ!…何故頭上を見上げている?……なっ!また時空の穴が開いただと!?」

「(!?どうなっておるんじゃああああ!?)」

後は…愚者と坊ちゃまの運次第ですね。

お願いします…!

 

ドドーーーーーン!

 

「!?…大丈夫…か?なっ…!…ど、どうしてメーテリアが…!?」

「(何じゃと!?メーテリアは儂らが看取って火葬までしたはずじゃぞ!?)」

「愚者さん!お願いします!」

(ああ!もちろんだ!)

【開け戒門、冥界の河を越えて。聞き入れよ、冥王よ。狂おしきこの冀求を。止まらぬ涙、散る慟哭。代償は既に支払った。光の道よ。定められた過去を生贄に、愚かな願望を照らしてほしい。嗚呼、私は振り返らない】

【ディア・オルフェウス】

 

「うまくいって!お願い!」

「頼む…。」

 

む…!これは。

「…!うまくいきましたよ。坊ちゃま。」

「本当!?」

「何だと?は?…何で恩恵が…?これは…メ、メーテリアの恩恵が、再接続…した!?ありえん!ありえないはずだ!」

「(な、何じゃとぉぉぉぉぉぉ!?)」

成功できましたな。

さすがのヘラ様もこれには驚くでしょうな。

 

ですが、最後まで気は抜けません。

まだ死から逃れたわけではありませんからな。

「う…うう。」

「アミッド嬢!例の特効薬を!」

 

特効薬を作って正解でしたな。

不謹慎ですが、エイナ嬢に感謝しなければなりませんな。

「はい!こちらです!私の魔法は必要でしょうか?」

「お待ち下さいませ。…メーテリアお嬢様、口を開けてくださいませ。」

「…セ…バス?」

久々に聞きますな…。

 

「はい、セバスです。メーテリアお嬢様、あーん、でございます。」

「あ…ん。ムグッ…ゴクゴクゴク…。」

「なっ!セバス!貴様、何を飲ませているのだ!」

「ヘラ、黙れ。見ればわかる。」

取り乱すのも仕方がありません。

メーテリアお嬢様が時を越えて来ただけでなく、生き返っているのですから。

 

「…あら?体がかなり楽になったわ…。セバス?ここは…天界?」

「なっ!?」

「メーテリア…。」

「メーテリアお嬢様、お久しぶりでございます。ここはまだ現世です。ただし、メーテリアお嬢様が死なれてから14年後ですが。」

「14年後?ええと…わからないわ。あら?姉さん?…義母さん?」

「!!メ、メーテリア!」

「ば、馬鹿な…。私は、夢でも…見ているのか?」

「(あ、ありえん…。だが、嘘は言っておらん…。)」

そう思うのも仕方がありません。

私でも…アルフィアお嬢様が時を越えてきた時でもフリーズしたくらいですから。

そして、ずっと寝たきりだったメーテリアお嬢様が少し元気になられていますから、夢と思われるのも当然です。

 

ですが、これは夢ではありません。

坊ちゃまが…坊ちゃまの想いが手繰り寄せた奇跡であり、現実なのです。

 

「きゃっ、姉さん痛いわ!…んー、温かいわね。まだ生きているのよね?私達。」

「ああ!ああ!ああ!」

…アルフィアお嬢様がああ泣くのは初めて見ました。

仕方がありません。

あれほど愛していた妹、メーテリアお嬢様がこうして復活なさっているのですからな。

 

「もう、姉さんたら…そんなに泣いて…。落ち着いてよ。ああ、そうだ。義母さん?」

「…メーテリアなのだな?本当に、あのポンコツのメーテリアなのだな?」

ヘラ様…ここでポンコツと言わないでくださいませ。

メーテリアお嬢様はそれを大層気になされていますから。

 

「もう!お義母さんたら!ポンコツと言わないでよ!でね義母さん…、あの子を、むぐっ!」

「……あああ…うああああああああ…」

「(馬鹿な…こんなことが起こるとは…。はっ!ザルドの奴の恩恵がいきなり復活し、再接続したのは…これか!)」

…メーテリアお嬢様は坊ちゃまをヘラ様へ託すつもりでしたでしょうな。

ですが、ヘラ様はあの娘たち…【女帝】たちを失ってから自失していましたからね。

止むを得ず、クソエロ爺…ゼウスへ預けるしかなかったでしょう。

 

ヘラ様のあのような姿、初めて見ます。

そして、ゼウス…。ザルド殿が復活したことと先程の現象と結びつき気づかれたようですな。

 

…再びお目にかかれて嬉しく思います。

坊ちゃま……、ありがとうございます!




はい、ベルくんの実の母であるメーテリアさんが復活しました!
ヘラとアルフィアは泣き、ゼウスはザルド復活のからくりに気づきました。
ベルくんは規格外ですね!

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