白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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皆様、おまたせのメーテリアさん回です!



第319回 白兎母、起床。

……心地よいわ。

あの病気特有のだるさもない…。

もうちょっと寝ていたい……。

 

……?

だるさもない…?

 

!?

 

「ベル!?」

「起きたか、メーテリア。」

「む、起きたようだな。」

「おはようございます。メーテリアお嬢様。」

ここは…どこ?

それより、ベルよ!

さっきまでベルに抱きついていたのに!

 

あれは…夢?

ううん、まだ…あの子のぬくもりと匂いがある。

「義母さん…姉さん…セバス…。ベルはどこ!?」

「落ち着け。ほんの少し前にギルドへ行ったところだ。」

「心配するな、また会えるぞ。」

「大丈夫でございます。」

ほっ…。え?ギ、ギルド!?

ここは…オラリオなの!?

 

た、大変!確認しないと!

「姉さん…。ここは…オラリオなの?」

「そうだ。」

ベルが冒険者に!?と、止めないと!

「駄目よ!駄目!冒険者になっては駄目!」

「………。」

「……手遅れだ。メーテリア。」

…ナンデスッテ?

 

どういうこと?

「は?」

「「ひっ!」」

「落ち着いてくださいませ。メーテリアお嬢様。今までのことを説明いたします。」

「……セバス…いつ解放されたの?」

「数週間ほど前でございます。どうぞ、水でございます。」

「ゴクゴクゴク…ふぅ…少し取り乱したわ。ごめんね。義母さん、姉さん。」

「い、いや(メーテリアの怒りは全く衰えんな、いや前より強くなった気がする)。」

「う、うむ(甘味だけでなく、あの子のことも悪く言えなくなったな)。」

いけないわ…。

つい、感情的になってしまったわ。

 

ようやく落ち着いたわ。

「ふぅ……、どうなっているの?」

「それも含めて説明いたします。落ち着いて聞いてくださいませ。」

「ええ、わかったわ。」

そして、私はベルが14歳になったことと半年前にお爺ちゃん…神ゼウスによって育児放棄され、オラリオへ来たことを知った。

 

…許せない。

よくも私のベルを…。

託したのに…。

「……ふふふ。お爺ちゃんがベルを育児放棄したですって?」

「「ひっ!」」

「セバス…お爺ちゃんはどこかしら?おハナシしたいけど?ねえ?」

「メーテリアお嬢様。それについてはヘラ様へお任せくださいませ。」

「……そうね。義母さんはプロだもの。お願いね?」

「あ、ああ。任せておけ。」

義母さんは最強最悪の女神と言われたぐらいだもの。

あのお爺ちゃんを折檻できるぐらいだから。

生半可じゃ許さないわよ?

 

半年前…。なら、まだ間に合うわ。

ベルは冒険者になったら駄目!

あんな危険な職業に就かせてたまるものですか!

「半年前…ということはベルはまだレベル1ね。なら、まだ取り返しはできるわ!ダンジョンに潜らせずに私と一緒に住まないと!ふふふ。」

ギルド職員…いえ、駄目だわ。

あの豚ちゃんの狗になったベルは見たくないわ。

 

となると…酒場…いえ、駄目だわ。

私の可愛いベルが喰われるわ。

 

…花屋あたりかしら?

…無難ね。

 

うーーーん。

他にないかしら?

「……メーテリア。その…怒るなよ?」

「え?」

「今のベルは…レベル6だ。」

は?ナンデスッテ?

 

ダン!!!

 

「「ひっ!」」

「どういうこと…?たったの半年でレベル6?あり得ないわ!姉さんは何してたのよ!あの子の面倒をお願いしていたのに!」

「何だと?アルフィア…お前、ベルの面倒を頼まれていたのか?」

「ま、待て!わ、私は頼まれていないぞ!あの狒々爺に頼んだだろう!?」

「何言ってるのよ?言わなくても姉さんはベルの面倒を見てくれると信じていたもの。」

「い、言わなきゃわからんだろう!?」

言わなくてもわかるでしょ!

私達は双子だから言わなくてもわかってて当たり前だ、と言ったのは姉さんじゃない!

 

あら…今はあの時から14年後よね?

「…何で生きているの?姉さん?」

「今ごろ気づいたのか…。」

「それはまあ、後で説明してくれるんでしょう?」

「はい、メーテリアお嬢様。なので最後まで聞いてくれませんでしょうか?」

「わかったわ…。」

ベルのこの半年間をよく聞かないとね。

まあ、たったの半年だから大したことないでしょうね。

 

……何でレベル6になれるの?

オラリオへ来る前からレベル5はあったのかしら?

 

『おい、アルフィア。7年前のことを知ったらどうするのだ?』

『あっ…。』

『私は知らんぞ。間違いなく…キレるぞ?』

『……か、覚悟はできている(ザルドを巻き込もう)。』

『震えているぞ、お前。…まあ気持ちはわかるが、まだ冒頭だぞ…。』

あら?姉さんが珍しく震えているわ?

病気が発現したのかしら?

 

「まず、坊ちゃまは神ゼウスから育児放棄されたったの一人でオラリオへやってきました。」

「一人…?(チラッ)」(ビクッ!)

「アルフィアお嬢様についてはまた説明しますので、今は抑えてくださいませ。」

「わかったわ。」『ホッ…。』

何で、姉さんが一緒にいなかったのかしら?

何かありそうね…ゆっくりとじっくりと聞かないと。

 

「そして、坊ちゃまは神ヘスティアの眷属となり成長を促すスキルが発現しました。」

「神ヘスティア?義母さんが言っていた、ヘスティア様のこと?」

「ああ、そうだ。私が天界で唯一敬愛するやつだ。」

「そう…。それでも、会ってみないとわからないわね。ベルの母として。」

「大丈夫だ、メーテリア。私から見ても、慈愛がありベルを大事にしている女神だ。」

「姉さんがそういうのなら…。」

「メーテリアお嬢様、私から見ても善神中の善神でございます。」

「わかったわ。でも、やはり私が直接会って話したいの。」

神ヘスティアが、義母さんと姉さんとセバスが太鼓判を押すぐらいの女神?

 

どんな女神かしら?気になるわ…。

ベルは襲われてないかしら?




めちゃくちゃ親馬鹿になっているメーテリアさんです。
母親として、冒険者という危険な職業には就かせたくないでしょうね。
【ヘラ・ファミリア】に在籍したのですから。

そして、当然アルフィアがベルの側にいると思っていたようです。
双子だから言わなくてもわかると。
アルフィアなら言いそうですが。

大抗争のことを知ったメーテリアがどうなるかは、今後の展開をお待ちくださいませ。

ベルを愛するがあまり、ヘスティアでも疑心暗鬼になっています。

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