白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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ベルの本当の家族の団らんを見て、感無量のセバスさん回です。



第322回 執事長、説明。

よかったですな、メーテリアお嬢様。

坊ちゃま…本当に、本当に感謝します。

 

メーテリアお嬢様のあのような元気な笑顔を。

アルフィアお嬢様のあの困ったような笑顔を。

坊ちゃまたちを見守る、あのヘラ様の慈愛に満ちた笑顔を。

このような光景を見れるとは、このセバス夢にも思いませんでしたぞ。

 

コンコン

 

む…?ザルド殿ですか?

ああ、三人分の夕食をお持ちいただいたのですな。

あのクソエロ爺の眷属にしては、非常に気の利いた方ですな。

「邪魔するぜ。」

「む、【暴喰】…ザルドか。久々だな。」

「(ひっ!ほ、本物だ…。)ヘ、ヘラ。久しぶりだな。」

おや?ああ、そうでしたな。

【ゼウス・ファミリア】の小童共はヘラ様を異様に怖がっていましたからな。

 

メーテリアお嬢様はお会いしたことがありませんでしたね。

病のため、ずっと自室にこもっていましたからな。

「あら…?どこかでお会いしたかしら?」

「メーテリア。狒々爺の【暴喰】のザルドだ。」

「そうなの?初めまして、ザルドさん。」

「お、おう…(アルフィアの言っていた通りの娘だな)。ほら、飯だ。体にいいのを作っておいたぞ。ヘラ、アルフィア、お前たちの分も持ってきてある。今日は【ヘラ・ファミリア】の身内だけで食ったほうがいいと思ってな。」

「そうか。そこに置いとけ。」

「うむ、ご苦労。」

「あら、ありがとう!…甘味もあるわね!」

「(【ヘラ・ファミリア】がお礼…だと!?ベルがいるから機嫌がいいかもな。)…じゃあ、俺は行くぜ。食器はセバスに持って来させろ。」

「承知しました。」

バタン

 

「坊ちゃま、そろそろ行かれませんと。」

「うん!マ、ママ…、明日ね。」

「ええ、ベル。また明日ね。」

さすがの坊ちゃまも「ママ」と呼ぶのは恥ずかしいでしょうな。

メーテリアお嬢様はかなり嬉しそうですね。

バタン

 

「……最恐の【ヘラ・ファミリア】もお前と私と二人だけとなったな。」

「団長たちは本当に死んだのね…。」

「ああ、そうだ(本来ならお前たちも死んでいて、セバスもずっと封印されたままのはずだが…ベルに感謝しなければならんな)。」

ええ、そうですね。

ヘラ様の思ってる通り、本来ならアルフィアお嬢様もメーテリアお嬢様もおられませんでしたからな。

坊ちゃまの想いが時空を超え、死者の国から引っ張り出したのです。

今頃、天界は本来あるべき魂がないことに大慌てでしょうな。

 

「では、いただきます。……モグモグ…おいしいわね!」

「うむ。」

「さすが【暴喰】のザルドだな。」

メーテリアお嬢様は病のため、あまり食事できませんでしたからな。

甘味以外は。

 

完食しましたか…。

【ヘラ・ファミリア】におられた時は毎食残していましたからな。

死の淵から中期あたりに戻されたので、多少は元気になられたのでしょう。

坊ちゃまの血の半分はメーテリアお嬢様のですから、アルフィアお嬢様より治るのは早くなるのでしょう。

食後に特効薬を飲んでいただきましょう。

「では、メーテリアお嬢様。こちらを飲んでくださいませ。」

「ええ、わかったわ。……ゴクゴクゴク。ふー…かなり楽になったわね。」

「私も飲んで、数日ぐらいで治った。お前は一週間もあれば治るだろう。」

「え?そうな‥の。……うーん…。眠くなったわ、ちょっと寝るわね。」

「はい、メーテリアお嬢様。ゆっくりとお眠りくださいませ。」

「じゃ…お休みー……すー。」

……穏やかな寝顔ですな。

 

「寝たか…。こんなに穏やかな寝顔のメーテリアを見るのは久々だな。…いや、再び見れるとは思わなかったと言ったほうが正しいな。」

「ああ…。さて、セバス。この特効薬は何故もっと早く作れなかったのだ?」

「では、アルフィアお嬢様の部屋で説明いたします。ここは静かにしたいと思います。」

「そうだな。あの様子では大丈夫だろう。」

「うむ。」

そして私たちはメーテリアお嬢様の部屋を出て、隣のアルフィアお嬢様の部屋へ移動しました。

 

「さて、説明しろ。セバス。」

「この特効薬は大聖樹の枝とカドモスの泉、そして坊ちゃまの血でございます。」

「何だと!?ベルの血だと!いや…そうか。メーテリアの病があの子へ遺伝している可能性が高かった…。ということはそれをかき消したのがあの雑魚の血か…。」

「ご明察でございます。坊ちゃまは産まれてすぐ、死の病の抗体ができていたのでございます。それを元にし、【ディアンケヒト・ファミリア】の【戦場の聖女】アミッド嬢と【ミアハ・ファミリア】の【医神の忠犬】ナァーザ嬢によって調合されたものです。」

「そうか。奴らにはお礼を言わなければならんな。」

「彼らにとって、死の病は倒さなければならない共通の敵ですから、それは願ったり叶ったりでしょう。」

「そうだな。ただし、あの雑魚には感謝したくない。メーテリアが企んだことであっても、メーテリアを孕ませたことは絶対に許さん。」

「同感だ。」

困った方々ですな。

せめて小指ほど感謝してもいいと思いますがな。

 

「ヘラ、更新しろ。セバス、用意してあるな?」

「はい、こちらに。」

「何だ?これは…水?」

「いいから、更新しろ。…ゴクゴクゴク…。」

数週間前に特効薬を飲んだとしても、いつまでも効き目があるかわかりませんからな。

 

「不遜な奴め。…15年ぶりか。」

「せめて改宗可能にしておきたかったぞ。」

「駄目だ。私のファミリアは私のものだ。だから、お前は誰も改宗させん。……本来ならベルもだが、私の不覚もあるし敬愛するヘスティアなら安心して託せる。」

「相も変わらず嫉妬深い奴だ。さっさとしろ。」

「やれやれ。……………は?それに何だ、このスキルは…?な!?き、消えている…病のスキルが…その後に出たこのスキルは…。」

やはり、驚くでしょうな。

前代未聞のスキルですから。

 

消えている?

まさか、死の病となっているスキルが消えたのですか!?

 

「終わったか?見せろ。」

「ま、待て…。何だ、このスキルは…。」

「……よし、発現しているな。ん?ランクアップしてるのか。そうかレベル8か…これであの子の力になれるな。…忌々しいスキルが消えているだと!?…何だ、このスキルは。」

「見てもよろしいですか?」

「ああ。」

ほう、レベル8ですか。

大抗争までの8年間にしては遅いほうですが、ダンジョンにも潜ってないのでまだマシな方ですね。

 

【義母献愛】

・対象を愛すれば愛するほどアビリティ高補正。

・対象にもアビリティ高補正と共に経験値増加。

・副次作用として無病息災。

・対象が死亡するとスキル消失。

 

これは…。

坊ちゃまを愛するあまり、死の病であったスキルが消失したということですか。

冗談抜きで、坊ちゃまは神と祀られてもいいかもしれませんな。

 

このスキルはメーテリアお嬢様にも発現しているかもしれませんな。

だとすると、皆様からの愛で強化されている坊ちゃまはお二方による母の愛で更に強化されるということですか?

私とメイで対抗できるかが不安になりましたな。

 

オラリオの第一級冒険者全員を坊ちゃまへぶつけましょうか。

いえ…ダンジョンのイレギュラーを利用して神殺しのモンスターと戦い合わせますか?

いけませんな、今は様子見としましょう。

 

「おい、待て。何だ!このスキルもそうだが、【白兎眷属】とは何だ!?」

「五月蝿い。セバス、説明しろ。」

「はっ。ヘラ様、見ての通りレアスキルでございます。」

「それはわかっている!ここにある白兎とは…ベル、なのか?」

「ご明察でございます。詳しくはヘスティア様と同席した上でお話します。」

そして、私はヘスティア様を連れてきてヘラ様に、坊ちゃまのスキルとアビリティについて説明しました。




アルフィアさんを更新して、新たに出たスキル2つと消えたスキルに驚いているヘラ様です。
新たなスキルは、原作者の「それは遥か彼方の静穏の夢」後、アルフィアにマザーパワーが発現して病を克服した、と原作者のTwitterにありました。
本作品では、そのマザーパワーが【義母献愛】とします。

更にベルくんがまた強化され、経験値も増えます。
ベルくんが知らない内に…。

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