白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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今回はリヴェリア様です。
ちょっと新たな展開です!


第339話 九魔姫、衝撃。

エイナがこちらに訪ねてきた。

一息つこうと思ったから、ちょうどいい。

いいお茶の葉が手に入ったからな。

 

「リヴェリア様。数日ぶりです。」

「うむ、そちらはどうだ?大丈夫か?」

「はい、問題ありません。皆様によくしていただいています。アイズさんたちも元気です。」

「そうか、それならよかった。…で、用件は何だ?ああ、その前にお茶を飲もう。故郷の茶葉が手に入ったんだ。」

「リ、リヴェリア様にそのようなことは!」

「私もたまにはしたいんだ。座って待て。…そういえば、この茶葉もアイナは好きだったな。」

「………っ。」

む、どうしたのだ。

何か気に触るようなことでも言っただろうか?

 

その後、何事もなかった。

気のせいだったか。

「それで用件はどうした?…【静寂】の怒りに触れたとか?」

「え?アルフィアさんの?いいえ、よく話をしていただいています。」

「何だと?あの【静寂】がお前に?……そうか。いや、話をそらしてすまないな。それでどうした?」

「はい、…アイナ母様をこの地オラリオへ呼びたいと思います。」

アイナを?

そういえば、アイナにはずっと会ってないな…。

 

おっと、何故アイナをここへ呼ばなければならないのかを聞かないとな。

「…アイナはここの空気が合わないから、出たんじゃないのか?」

「ええ、私もそう思いました。ですが…空気が原因じゃなかったんです。」

「何…?」

「私もアイナ母様と同じ咳が出るようになりました。」

「咳…?」

そういえば、オラリオから去る時によく咳をしていたな。

単に空気が悪いだけではなかったのか…?

 

私がそう考え込むと、エイナから話しかけてきた。

「リヴェリア様、今のアイナ母様の状況をご存知でしょうか?」

「うん?いや、あまりな…。手紙が来ることは来るが、世間話ぐらいだな。」

「2年前に帰郷した時、アイナ母様は寝たきりになっていました。」

「何だと!?アイナはそんなことを…いやあいつはそれを言う奴じゃなかったな。…許可をもらって、アミッドを連れてアイナのところへ行くぞ。費用は私が払おう。」

あいつめ!私に黙っているとはどういう料簡だ!

寝たきりだと!?重病ではないか!

 

会ったら、久々に叱ってやらんといかん。

いつもあちらが小言言っていたから、今度はこっちだ。

そう考えていたら、

「あ、あの!それについてアイナ母様の病がわかったんです!」

「何…!?」

病がわかっただと?

今頃にか?

 

「戦争遊戯前に、セバスさんが私の咳をたまたま聞いてわかったんです。」

「セバス殿が…?」

「…死の病と言われました。」

「なっ…!?【静寂】と同じ…。」

「…はい。私も気づかない内に死の病の前兆が出ていました。」

「そんな…アイナとお前が。…大聖樹の枝が必要なんだな?私の命令でかき集めてくる!」

「いえ、その必要はないんです。治りましたから。」

「は…?」

いかん…あまりの衝撃で取り乱してしまった。

…エイナの話を最後まで聞こう。

アイズのことを悪くいえないな。

 

そして紅茶を入れて一服し、落ち着いた。

親友に死の病が出たのがここまで自分に衝撃を与えるとはな。

「すまん、取り乱した。」

「い、いいえ。」

「ふぅ…。落ち着いた。話を最後まで聞こう。」

「はい。今だから言いますが、ベルくんがアルフィアさんの甥と知ったのはその時なんです。」

「…続けてくれ。」

「死の病は遺伝します。それはアルフィアさんもメーテリアさんも受け継いでいます。」

「まさか…ベル・クラネルもか!?」

馬鹿な…!

それでは…彼女たちが…。

 

顔面蒼白している私に、すぐエイナは話してくれた。

「はい。しかし、セバスさんはベルくんの記憶を読み取れます。それはご存知ですよね?」

「ああ。」

「ベルくんは死の病の兆候がないんです。」

「なっ!?」

「ベルくんは死の病の抗体を持っているんです。その抗体を【ディアンケヒト・ファミリア】のアミッドさん、【ミアハ・ファミリア】のナァーザさんに渡し、大抗争の時に残った大聖樹の枝、カドモスの泉、ベルくんの血で、死の病の特効薬ができたんです。」

「………。」

そうだったのか…。

彼のおかげで…死の病の特効薬ができたのか。

 

はっ、だからエイナはそのことを言ってくれたのは…。

「そのため、私は先程言った特効薬で完全に治りました。アミッドさんのお墨付きです。」

「……そうか、あの時点でアイナは死の病にかかっていたのか。気づかない私が愚かだな。」

「リ、リヴェリア様のせいではありません!」

「エイナ、私はアイナの親友だ。あの時の私は余裕がなかったとしても気づくべきだったのだ。」

「リヴェリア様……。」

そうだ。

当時暗黒期やアイズのことで視野が狭くなっていた私が、アイナの体調まで気を配るべきだったのだ。

里を出た同志だというのにな。

親友失格だ…。

 

…そうか。先日会った【静寂】が妙に強く感じたのは死の病が治ったということなのか。

「…なるほど、今更だがわかった。今の【静寂】はその特効薬で完治したのだな?」

「はい、そうです。」

「そうか、【静寂】の双子の妹もその薬があればな…。」

「あの…その…。」

「ん?ああ、【静寂】には双子の妹がいたのだ。名前はメーテリア…。待て、お前は先程メーテリアと言ったな?」

「…先日ベルくんのスキルによって、この時代へ連れてきて復活して今は治療中です…。」

「…………。」

頭が痛くなってきた…。

そうか、彼の実の母もこの時代へ来たのか。

 

しかし、何故今頃なのだ?

条件が足りなかったのか?

「すみません。先に言うべきでした。」

「いや…何故今頃…。ああ、そうか。神ヘラと神ゼウスが帰ってきたからか。」

「はい、2日前です。」

「そうか、それはよかった。……話がかなり脱線したな。それでアイナをここへ連れてくるのはそれが理由なんだな?」

「はい、ただセバスさんに言うと、私よりアイナ母様と親しかったリヴェリア様が呼び寄せた方がいいとのことでした。利用するようで申し訳ありません!」

「いや、いい。よく言ってくれた。アイナの性格上、娘のお前よりアイナの上司でもあり親友でもある王族妖精の私の方が強制力があるだろう。早速文を作る。待ってくれ。」

「あの…そんなに急がなくても。」

いいや、急ぐ。

何故か知らんが、それを聞いたからには急がなければならない気がするんだ。

 

それに…先日の戦争遊戯によるオラリオ連合で、オラリオが1つにまとまったことにより余裕が出てきた。

アイズやレフィーヤが改宗したからかもしれんが、アイナのことがよく浮かぶようになった。

もっと早くするべきだった!

「今はオラリオ連合で、オラリオ全体がかなり安定している。それに…。」

「それに?」

「私が久々にアイナと会いたいからだ。」

「リヴェリア様…、ありがとうございます!」

「礼を言うのはこちらだ。…死んでからでは遅いからな。ああ、そうだ。家族ごと呼び寄せよう。その方がいいだろう?」

「…はい。妹もかかっている可能性が高いです。」

「では、尚更だ。早ければ早いほどいい。」

ああ、そうだ。

親友の死なんぞ遭いたくないからな。

お前の亡骸なんか、見たくもない。

空気のいいところへ行って、寝たきりになるなんて意味がないではないか!

 

オラリオへ戻ってきてもらうぞ。

【戦場の聖女】がいる上、死の病の特効薬があるからな。

「あの…ロキ様に許可はいいのでしょうか?」

「問題ない。アイナも夫であるウイナも【ロキ・ファミリア】だからな。」

「ありがとうございます!」

「先程言ったが、礼を言うのはこっちだ。…いや、セバス殿とベル・クラネルに言うべきだな。私の親友の病を見破り、救うきっかけをくれたのだからな。」

ああ、そうだ。

セバス殿を解放したのはあの少年だ。

本当に借りが多くできてしまったな。

 

いつかは返さなければならないが、今回は特に大きい。

私のかけがえのない親友なのだからな。

どう返すべきだろうか…。




はい、エイナさんの家族集合です!
そしてリヴェリアさん、衝撃を受けていますね。

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