白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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手紙を出して数日後、手配した馬車がチュール家の人々を乗せてオラリオへやってきます。
オラリオの入口で、リヴェリアさんとエイナさんが待機しています。

本作品のチュール家の皆様(エイナさん以外)は、原作にはまだ出ていないため勝手に解釈させていただいています。



第341話 九魔姫、蒼白。

速達便で送ると同時に馬車を手配したからな。

さすがにあいつらでも拒否はできまい。

宿も念のため予約しておいた。

「そろそろ、着くと思いますが…。」

「そうだな。む、見えてきたな。」

「ええ。久しぶりです、みんなと会うのは。」

…そうか。エイナはギルド嬢で忙しい毎日だったな。

 

最初に出てきたのは、ウイナ・チュール。

アイナの夫であり、【ロキ・ファミリア】団員でもある。

私と並ぶぐらいの古株だ。

む、エイナに似ている子がいるな。

手紙だけだったが、確かイーナ・チュールだったか?

「エイナ!久しぶりだな!リヴェリア副団長もお久しぶりです。」

「父様もお久しぶりです。イーナも元気…そうね。」

「姉様も久しぶりです。初めまして!イーナ・チュールと言います。」

「うむ。ところで…アイナは?」

「ここよ…。」

!?

 

馬鹿な…死の病がここまでお前を蝕むとは…。

「お前…そこまで…そんなに、やつれて…。」

「ごめんなさい…。リヴェリア様、ずっと黙ってて…。」

「この…馬鹿者が!エイナ!」

「……っ!危険です!【ディアンケヒト・ファミリア】へそのまま運んでください!」

「エイナ?」

「わかった!御者!そのまま【ディアンケヒト・ファミリア】へ向かってくれ!至急だ!」

くそっ!もっと早く呼び寄せるべきだった!

 

【ディアンケヒト・ファミリア】治療院の前にはアミッドが待っててくれていた。

「お待ちしておりました。エイナさん、どうですか?」

「危険です!死の病(死期)になっています!」

「…っ!わかりました。こちらへ!」

なっ!(死期)だと!

 

ウイナとアイナ、そしてイーナはそんな私達を見て慌てていた。

「お、おい…エイナ。」

「父様は黙ってて!至急だから!」

「ちょっとエイナ…。」

悪いが、邪魔はさせん。

 

「黙れ、アイナ。霊薬実はどうした!送ったはずだろう!?」

「あの霊薬実のおかげで…ここまで命永らえたのです…。感謝しています…。」

「感謝するなら、治してから言え!こんなになるまで何故言わなかった!」

「申し訳ありません…。リヴェリア様の…足手まといには…なりたくありませんでした。」

「大馬鹿者が!親友に足手まといもあるものか!」

アイナにそう言っているが、私は自分が悔しい。

親友がこうなるまで、私は自分のことしか考えていなかったのだ。

不甲斐なさすぎる!

 

『エイナさん、ベルさんには会っていませんね?』

『はい、ベルくんは稽古にいるはずです。』

『なら、問題ありませんね。』

 

そして準備がようやく整った。

「さて、アイナ・チュールさん。これは死の病の特効薬です。」

「…えっ!」

「まずは飲んでください。」

「私が飲ませよう「あの…」黙れ、これは罰だ。」

アミッドから受け取った特効薬を無理矢理アイナに飲ませた。

 

どうせ、言い訳とか作って延ばす気だろう。

そうはさせん。

「ちょっ…ぐえっ…ゴクゴクゴク。」

「あ、あのリヴェリア副団長…?」

「待て。……どうだ?エイナ。」

「……死の病(末期)です。先程よりはマシになっているはずです。」

…エイナの魔法は有用すぎるな。

非常に惜しい。

…いや、彼がいなければ発現しなかっただろうな。

 

様子を見ると、アイナの血色が少しよくなった。

「ぷはっ…ちょっとリヴェリア様…。あら?…かなりマシになったわ。」

「危機は切り抜けたか…。すまないがアミッド、診察をお願いできないか?」

「わかりました。男性は外へ出てください。」

「え?あ、はい。」

そして、アイナはアミッドによって診察してもらった。

 

最初は険しい顔していたが、ホッとした顔になった。

…何とかなったか。

「エイナさんの見立ての通り、末期ですね。当分は特効薬を飲んだほうがいいですね。」

「ねえ…どうなっているの…?……っ、すごい眠気が…。」

「そのまま寝て下さい、アイナ母様。起きたら説明しますので。」

「わ…かった…わ。」

そしてアイナはすぐ眠りに落ちた。

 

安心したような、穏やかな寝顔だった。

…こっちが安心したぞ、馬鹿者め。

「寝たか…。危機一髪だったな。」

「ええ…もっと早く呼び寄せるべきでした。」

「いや、仕方がない。お前の手紙では来なかっただろう。私でなければならなかった。」

「あ、あの…姉様?一体、どうなっているのでしょうか?」

「そうね…どこから説明したらいいのかしら?」

そうだな…。

かなり紆余屈折した内容になりそうだ。

 

そしてウイナが様子見に来た。

「アイナは…無事なのか?」

「はい、父様。今はぐっすり寝ています。」

「寝ている?…本当だ、こんなに穏やかな寝顔は久しぶりだ。」

…今までは苦痛に耐えて寝ていたのか…。

あとでウイナにも叱らねばならんな。

 

エイナがウイナに向かって、怒ったような顔で話した。

「…死の病と知ったのはいつですか?」

「…二年前だ。お前がオラリオへ戻った後、病状がいきなり重くなってな。医者に診てもらったら死の病だった。」

「何故!その時に言わなかったのですか!」

「言おうと思った…。だが、アイナが反対した。お前の足手まといになりたくはないとな。」

「親友である私にも娘にも足手まといか。全く…起きたら、再び怒ってやらないとな。お前もだぞ。」

「ほ、程々にお願いします…。リヴェリア副団長。」

駄目だ。

私にも知らせず、こうなったのはお前の責任でもあるのだぞ。

 

「そういや、仕事はどうだ?」

「アイナ母様が起きたら、話します…。父様、今のオラリオがどうなっているのか知っていますか?」

「いや、情報が全く入らないからな。お前が帰郷した時しか知らない。あのアイズちゃんがレベル5になったぐらいだな。」

「そこで止まっているのか…。」

「へ?」

二年…。半年前までは大したことはあったが、ここ半年と比べると大したことはない。

ここ半年が非常に濃厚すぎるのだ。

どう説明したらいいだろうか…。




はい、死の病によって死にかけたアイナさんが特効薬によってとどまりました。

そして、半年間のことについて説明をどうまとめようかを考えているリヴェリア様です。

ウイナ・チュールは、婿入りする代わりに名前を改名しました。(前の名前は…想像に任せます。)
娘のイーナ・チュールは、単に(アイウエオ)を当てただけです。○イナ・チュールと。
弟さんがいたら、オイナ・チュールになってたと思います。


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