よかった…本当に。
まさか…死の病(死期)があるなんて。
危なかった…。リヴェリア様に感謝しないと。
あ、いけない。
やっておかないと。
「ああ、そうだわ。イーナ、貴女も飲みなさい。」
「え?な、何で?」
「死の病は遺伝するの。私もかかったから。」
「な、何だと!?」
「そしてイーナ、貴女にも死の病(前兆)が出ている。」
「何で…そんなことがわかるの?」
「視えるから。」
「「え?」」
「詳しいことは後で説明します。」
私の魔法だから、と言うのは簡単だけど。
問題は発現したきっかけなのよね…。
ギルドを辞めて、【ヘスティア・ファミリア】に入団して、ベルくんの血を飲んで発現しました…なんて、簡単に言えるわけじゃない!
特にウイナ父様は…。
アミッドさんから特効薬を受け取った。
本当は希少なんだけど、私の魔法で色々とお手伝いしているからとのこと。
ベルくんにはあらゆる意味で感謝しないといけないよね!
「はい、こちらです。」
「…グビ、ゴクゴクゴク…。」
「…。ほっ…消えました。」
「では、確認します。」
よかった…。
これで家族全員助かった…。
死の病に苦しんでいる他の方には悪いけど…。
アミッドさんにもう一度診察してもらった。
「はい、確かにかかっていませんね。まずは一安心ですね。」
「はい。」
「……何がどうなっているんだ?せめて状況ぐらいは説明してくれ…。」
「…アイナが起きたら説明しよう。旅で疲れただろう?宿を用意しておいたからそこへ泊まってくれ」
「あの…私が説明しますが…。」
「アイナの性格上、お前が説明すると激昂するのは間違いない。私がした方がいい。」
「…お手数をおかけします。」
「何があったんだ…。」
ウイナ父様。本当に色々とあったんです。
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そして翌日。
母様はあの数時間後に起きて、すぐ夕食を食べて薬を飲んでまた寝たらしい。
そして朝食を食べて薬を飲んで寝て、今起きたばかり。
ものすごく血色がよくなっている。
すごいね…この特効薬。
「おはよう!かなり楽になったわ!」
「…確かに死の病(中期)になっています。」
「そうか、昨日は昼、夜、そして今朝に飲んだからな。…何とか越えたか。」
「それより、どうなっているの?エイナ、説明して頂戴。」
「私がする。」
「え?リヴェリア様に説明していただかなくても…。」
「いいから、聞け。お前たちもだ。」
「「は、はい。」」
まだ怒っているわ…。
そして、リヴェリア様は半年前までのことを話してくれた。
「…と、それが半年前の話だ。」
「なるほどー!でも、それが今とどうつながるの?何で、この半年間のことを省いているの?」
「……この半年間は、私の人生でもかなり濃かった。お前と里を出た時より数百倍ほどな。」
「ええっ!?そんなに!?」
まあ、そうだよね。
濃すぎるのも限度あるよね。
リヴェリア様は一旦考えた後、意を決して話してくれた。
「結論から言おう。今のオラリオ最強は【ヘスティア・ファミリア】の一強だ。私達【ロキ・ファミリア】は敗北し、【ヘスティア・ファミリア】を中心としたオラリオ連合に組み込まれた。かつて敵対した【フレイヤ・ファミリア】は解散した。」
「「は?」」
うん、まあそう反応するよね。
「今、エイナはギルドを辞めて【ヘスティア・ファミリア】にいる。」
「「はぁ!?」」
…あのギルド長が悪いもん。
まあ、今となっては感謝しているけどね。
今のギルド長を知ったら、どう思うんだろう…。
「お前たちが飲んだ特効薬はオラリオ連合で作られたものだ。特に【ヘスティア・ファミリア】団長のベル・クラネルによってな。」
「「誰!?」」
…ちょっとムカッと来ちゃった。
あー私、もうベルくんに身も心も落ちているわ…。
やはり、父様も母様もパニクっているわね。
「突っ込みどころが多すぎるわ!【ヘスティア・ファミリア】って聞いたことないわよ!オラリオ連合って何!?【ロキ・ファミリア】が何で傘下に入ったの!?あのレベル7の【猛者】がいる【フレイヤ・ファミリア】が解散した!?ありえないわ!」
「……そんな…団長たちが…、あの【猛者】が負けた?」
「お前たちがそう思うのも無理もない。だが、事実だ。」
まあ、そうだよね。
当時二大最強ファミリアが両方とも陥落したからね。
誰も予想できないよね、私達以外は。
そしたら、イーナがとんでもないことを言った。
「あの…ベル・クラネルって…【白兎の脚】ですか?」
「!?イーナ!何で知っているの!」
「え?う、うん。その…村のお祭りで吟遊詩人が語ってくれたの。」
「おい、イーナ。あの詩人の言ってたことか?フカシ話だろ?」
「…父様、フカシではありません。」
「ひっ!」
フカシですって!?
ベルくんの立ててきた苦労や痛みを何だと思っているんですか!
落ち着いて…それよりイーナがどこまで知っているかだわ。
「イーナ、それはどこまで聞いているの?」
「えっと…冒険者になったばかりのレベル1がミノタウロス強化種を倒してレベル2になって、レベル3の強い人を一対一で倒してレベル3になったり、ぐらいかな?時間がそんなにないからそれしか聞けなかったから…。」
「ははは、ありえないでしょ?レベル1の駆け出しがミノタウロス強化種を倒すって、そんなの記録をごまかしているとしか思えないわ。」
「アイナ母様、それは私を侮辱しているのですか?」
「ひっ!な、何で貴女が怒るの?」
アイナ母様に対して、こう怒るのは初めてかもしれない。
でもそれだけは譲れない。
もう明かしてもいいよね?
「…ベルくん、いいえ【白兎の脚】…【ヘスティア・ファミリア】団長ベル・クラネルのアドバイザーが私だからです。」
「「「えええっ!」」」
うん…まあ、驚くよね。
…イーナまでも。
ベルくんの血を元にした特効薬はすごいですね!
そして現状を知ったエイナさんのご家族は驚愕していますね。
そりゃ、そうですね。
ベルくんの偉業をフカシと言われて、半ギレしているエイナさんです。
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