白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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アイナがベルくんに対して興味津々になったとこへ、リヴェリア様が…。


第344話 側近(母)、謝罪。

そう思っていた私に気づいたのか、リヴェリア様は言った。

「私がどうのこうというより、お前たちが会ったほうが早いだろう。だが、私があえて言おう。彼はオラリオで…いや世界で一番純粋無垢な少年と言ってもいい。アイナ、お前が会えば一目で気に入るはずだ。私が保証しよう。」

「リヴェリア様がそこまで言うなんて…、ますます会いたくなったわ。」

「(!?)治ったらすぐに帰ってほしいんですけど…。」

あら…?

ふふふ、あのエイナがヤキモチ焼くのを初めて見たわ。

 

でも、駄目よ。

どうしても会わなければならないわ。

だって、ねえ?

「…へぇ~ふーん、なるほど。貴女がそこまで熱入っているんだ。義息子との対面は必要でしょ?」

「義息子だと!?」

「義息子!?」

「え?私のお義兄様?」

当然でしょう。

ここまでの有望株なら婿として申し分ないわ。

 

義息子と聞いて何かを妄想しているわね、この娘。

「えへへ……はっ!ま、まだ早いです!彼はまだ14歳です!」

「エイナ…、遅かれ早かれ会うことになるだろうが。諦めろ、このアイナに火が付いてしまった以上はな。」

「そ、そんな…。」

リヴェリア様はよくわかっているわね。

 

でも、リヴェリア様は私に向き直して厳しい顔をした。

「アイナ、まずは病を治せ。話はそれからだ。」

すっかり忘れていたわ…。

そういえば、飲んだ特効薬は義息子のよね?

…何か背徳感を感じるのは気のせいかしら?

 

イーナが興奮気味にアイナと話しているわ。

「姉様、姉様!私はお義兄様に会ってみたいです!」

「(お義兄様!?)駄目よ!…イーナ、貴女は母様と父様の面倒を見てほしいの。仕送りは今まで通り私がするから。ね?」

「ずるいです!」

「ずるくありません!」

まあ、私はイーナに賛成ね。

だって、半年過ぎでレベル6になったのはあの最強と最恐にもいなかったもの。

その子のアドバイザーだけでなく、同じファミリアとして側にいるから羨ましいわ!

……義母として同居もありね!

 

「ここでは静かに願います。さっきからずっと黙っていましたが、我慢の限界です。」

「「「申し訳ありませんでした!」」」

ここが治療院であることを忘れていました!

申し訳ありません!

 

あ、肝心なことを聞かないと。

「アミッドさん…、私はどのくらいで治るかしら?」

「(チラッ…)そうですね…。様子見も含めて一週間ほどすれば大丈夫でしょう。」

「…あっさりと治るのね。エイナ、この特効薬のお礼もしたいので会ってもいいでしょう?」

「私がしますから、不要です。」

…どうしても会わせたくないのね?

でも手遅れよ。

 

リヴェリア様を焚き付けて、森から出た私を舐めないでね!

「そう言われると会いたくなったわ。イーナ、そう思わない?」

「はい!母様!私も会いたいです!」

「と、父様!」

「お前も知ってるようにアイナとイーナが言った以上、今の俺には権限ないんだ…。許せ…。」

「お前………今もなのか。」

まぁ…ウイナの性格上はね。

 

「三人の一週間の宿泊費用は私が持とう。呼び出したのは私だからな。」

「あの…私が払いますが…。」

「エイナ、私は親友としてアイナを呼んだんだ。なら、そのぐらいはいいだろう?」

「ありがとうございます…。」

リヴェリア様…感謝しかありません。

 

「私、オラリオへどうしても来たかったんです!父様!」

「10年以上前だからなぁ…。当時と比べるとかなり変わっているからなあ。」

「じゃあ、姉様!」

「イーナ、私は今【ヘスティア・ファミリア】にいるの。大人しく宿にいて?」

「ぶー!」

そうね…かなり雰囲気が変わっちゃっているもの。

…暗黒期が終わったのはいいんだけど‥それが同胞の手によるものと聞いたら複雑ね。

リヴェリア様も悔しかったでしょうね。

 

ここにいたら退屈ね、と思っていたら。

「なら、ベル・クラネルの自伝でも見たらどうだ?」

「「「自伝!?」」」

「リ、リヴェリア様!待って下さい!」

…自伝?

まあ、半年過ぎでレベル6に至ったら物語が出てもおかしくはないわね。

 

それに…エイナのこの反応。

何かあるわね?

「ああ、そうだ。オラリオではベル・クラネルのファンクラブの店が多くあるぞ?ベル・クラネルのことを知りたかったらそっちへ行ったほうがいい。」

「わぁ…、行きたいです!」

「駄目ったら駄目!」

「ぶー!」

ファンクラブもあるのね…。

病が治ったら行ってみましょう。

義息子となるからにはね。

 

そうウズウズとしていたら、アミッドさんが教えてくれた。

「あの…ここには彼の自伝を貸し出していますので、いかがでしょうか?(ディアンケヒト様が彼の宣伝のため、数部買いすぎたのがあるだけですが。)」

「!?」

「あら、ちょうどいいわね。イーナ、よかったわね?」

「はい!」

ふふふ、レベル3になってからの二ヶ月半すごく気になっていたの。

丁度いいわね。

 

更にダメ押ししましょう。

「それに、エイナが世話になっているヘスティア様にも挨拶しておかなくてならないわ。」

「そ、それは!」

「あら?娘がお世話になっている主神様に、親が挨拶するのは当然でしょ?」

「ぐっ!」

よし、勝ったわ。

 

あ、肝心なことを聞いておかないと。

「リヴェリア様、神ヘスティアはどのようなお方でしょうか?」

「わかりやすく言えば、ロキと対極に位置するお方だな。」

「とりあえずは安心ね!」

「(ロキ様は変わらないということだな…。)」

ええ、そうね。

だから、ロキのようなセクハラ酔っ払い神のところに愛娘を行かせたくなかったのよ。

その対極…なら、非常に安心だわ!

 

「そろそろ、お薬の時間です。昼食を出しますので食後に飲んで下さい。」

「わかったわ。イーナ、あまりうろついては駄目よ?」

「はい、わかりました!ここでお義兄様の自伝を読みます!」

「…………。」

「あの…リヴェリア副団長、神ロキと団長たちに会いたいですが。」

「なら、丁度いいな。私は一旦戻るから一緒に来い。アイナ、お前は大人しく治すことに専念しろ。」

「はいはい、わかったわよ。」

そして、私は昼食を食べた跡に特効薬を飲んで寝た。

義息子の出会いを楽しみにしていながら…

 




もう、義息子認定しているアイナさんです。
先日まで死を目前にしたとは思えないほどはしゃいでますね!

そしてベルくんに興味津々となっている母と妹に焦っているエイナさんです。
その逃げ道を塞いでいっている母です。

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