一方、ウイナさんとイーナさんは…。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「はい、かなり治っていますね。」
「ありがとうございます。すごいですね、この特効薬は。」
「ええ。ですが、数に限りあるのでそう簡単ではないのですが。」
「す、すみません!そのような貴重品を!」
「いえ、大聖樹の枝についてはリヴェリア様の仲介やベルさんのこともあり、あちらから提供がありました。また、カドモスの泉もオラリオ連合により定期的にとってきてくれています(主に異端児の方ですが)。後はエイナさんがちょくちょく手伝ってくれているのもあります。」
「そうですか…。エイナと義息子には感謝しなければならないですね。」
「(もう認めている…。早くないですか?)ところで、もう一人の娘さんは?」
「ウイナと一緒に観光に行っていますね。迷子にならなきゃいいけど…。あの娘、エイナと違い好奇心旺盛だから…。」
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
私は迷子になった。
興味あって、あちこち動き回ったのが駄目だった。
いつの間にか、暗い路地道に入ってしまっていた。
「ど、どこなの…ここは。父様…。」
「おやおや?どうしたのかな?お嬢ちゃん?」
「ひっ!」
こ、怖い人たち…。
世間知らずの私でも分かる、この人達はよくない人達だと。
「へー、半妖精か。ひひひ、高く売れそうだぜ?」
「おい、さっさとずらかるぞ。オラリオ連合のせいでやりづらくなってんだからよ。」
「ちっ…半年上がりのインチキ・ルーキーめ…。」
…インチキ・ルーキー?
そ、それよりここから逃げ出さないと…。
痛っ!捕まえられた…。
「うちの主神サマも歯噛みしているらしいぜ?その内、奴らへ襲撃かけるってよ。」
「おい、聞かれてるじゃねえか。わりぃな、嬢ちゃん。聞かれた以上、帰すわけにはいかねえぜ?運が悪かったな?」
「安心しろよ?殺しはしねえよ。俺らが楽しんだ後に、大事な大事な金に変えてやっからよ?」
「「「ギャハハハハ!」」」
「あ、あ、あ…。」
私は絶望した…。
父様の言うことに従って行けばよかった…。
誰か…助けて!
「何をしているんですか?」
え?
い、いつの間に…。
さっきまで誰もいなかったのに。
「何だぁ?仮面にフード被りやがって…どっかへ行きな。邪魔だ。」
「でなきゃあ、死ぬぜ?【ラシャプ・ファミリア】の俺らによってな?」
「【ラシャプ・ファミリア】?知らないですね…。」
「おおっと、言っちゃいけねえことを言っちまったなあ。生かして帰すわけにはいかねえぜ?」
「あばよ、運が悪かった…ゲフゥッ!」
「え?」
気がつくと、私を捕まえた人を気絶させその人の腕の中にいた。
温かい…。
その人はフードを被っている上に、白い仮面をしていた。
仮面には…鈴と炎のマークがついていた。
その人達から離れて大通りに近いところへ下ろしてくれた。
「大丈夫?」
「あ…。は、はい。」
「い、いつの間に!?て、てめえらやっちまえ!」
「ここで待ってて?動かないでね?」
「は、はい。」
そして、1つの瞬きで数人いた怖い人を気絶させていた。
つ、強い…。
父様より…遥かに。
最後の一人となった人があんなに強気に出ていたのに、今はすごく怯えている。
「て、てめえは何もんだ…。レベル3の俺らが…。」
「【ガネーシャ・ファミリア】の人が来るまで寝て下さい。」
「あがっ…。」
「はぁ…凄い…。」
「…こういう人たちがまだいるんだ。みんなにも知らせないと…。あ、ちょっと待っててね?」
その人は大通りに出て、変な仮面をしていた人を見つけ話しかけていた。
変な仮面をしていた人はその人から聞いて、慌ててどっかへ行ったみたいだけど…。
いけない!お礼を言わないと!
母様から礼儀を叩きこまれているんだから。
「あ、あの!ありがとうございました!」
「ごめんね。オラリオにはああいう人ばかりじゃないんだ。」
「い、いえ。昨日オラリオへ来たばかりなんです!」
「あ、そうなんだ。ええと、宿まで…いや【ガネーシャ・ファミリア】の人が来てからにした方がいいね。」
「?」
「あ、【ガネーシャ・ファミリア】はオラリオの治安を収めているファミリアのことなんだよ。僕が君のいる宿まで送ってもいいけど…【ガネーシャ・ファミリア】の人に送ってもらったほうがいいかもしれない。」
え…嫌だ。
今は、もう周りの人が怖い…。
目の前の人しか頼れない…。
礼儀を欠くのはわかっているけど…失礼を承知でお願いしよう!
「お、お兄さんに送ってもらいたいです!母と父がいますから。」
「お母さんとお父さんに?それはまずいね、かなり心配されていると思うよ。」
「お、お兄さんのことを聞きたいです!」
「僕?僕はね…「すまん!待たせた!」あ、シャクティさん。」
わ…凛々そうな女の人。
何かと親しげだけど、どういう関係かな?
そう思っていたら、その女の人がお兄さんの背にいる私に気づいた。
「む…その娘は?」
「あ、はい。こちらの方々に襲われかけたそうです。そうだよね?」
「は、はい!すごく怖かったです!お兄さんに助けてもらわなかったら、どうなっていたことか…。」
本当に怖かった…。
お兄さんが気づいてくれなければ、どうなっていたことか。
ぶるっ…。
シャクティさんという人は、お兄さんが気絶させた人の顔を一人一人覗き込んだ。
「…こいつらは見ない顔だな?」
「【ラシャプ・ファミリア】とか言ってました。」
「聞かぬファミリアだな…。クノッソスの鍵を利用されて入り込んできたか…。ガネーシャたちに確認しよう。」
「あの、シャクティさん。こちらの女性に聞かせるのはちょっと…。」
……お兄さん、優しい。
あ、何かときめいたかも。
シャクティさんは私を見て、気まずく思い周りの人へ話しかけようとしていた。
「む、すまん。宿まで送ろう。おい、お前たち「お、お兄さんに送ってもらいたいです!」…。」
「え、えーと。」
「……わかっていると思うが?」
「わかってます!送ったらすぐに帰ります!」
「それならいい。お前たち、こいつらを捕らえて牢へ連れて行け!」
「「「はっ!」」」
…やはり、どういう関係だろう?
シャクティさんがお兄さんを見る目が、仕事だけではないような気がする。
ううん、何かある!
「一つ聞くが、何故フードと仮面をしている?」
「みんながどうしてもしろ、と…。何故だかわかりません。」
「妥当だな。」
「どうして!?」
「いいから、この娘をさっさと送っていけ。この件で何かわかったら連絡しよう。」
「あ、はい。お願いします。じゃあ、行こうか?」
「はい!」
■■■■■■■■■■■■■■■
「また、増えたか…いい加減にしてくれ…と言っても、私も人のことは言えんな。」
■■■■■■■■■■■■■■■
ベルくんの幸運の導きが、エイナさんの妹のイーナさんの危機を救いました。
フレイヤ外伝に出てきた傭兵派閥【ラシャプ・ファミリア】がここへ出てきました。
外伝ではラシャプは逃げ切りましたが、オラリオで空白となった闇派閥に入りました。
現状の【ヘスティア・ファミリア】(戦争遊戯終了時点)のことを知らずに…。
案の定、イーナさんはベルくんと知らずに助けてくれた人に対してすがりついています。
シャクティさんは「あっ……」と察しました。
シャクティさんもまさか……。
感想・評価をいただけますと、嬉しいです!