私はお兄さんと一緒に歩いている。
うん…やはり心地良い。
「そうなんだ。お母さんの治療でオラリオへ来たんだ?」
「はい!母が危ないところでした!姉と母の友人の紹介がなければ死んでいたかもしれません。」
「それは危なかったね。…失礼だけど、助かりそう?」
嗚呼…やっぱり優しい。
やはりこの人かも。
仮面をとってくれないかな…。
でもさっきの女の人が言ってたから、何か訳ありだよね。
「はい!特効薬のおかげだそうです!」
「特効薬?どこかで聞いたことが…。」
「あ、ここです!」
「え?【ディアンケヒト・ファミリア】の治療院?」
「母もお礼したいと思います!さあ、こちらへ!」
「あ、あの…ちょっと。」
治療院の中なら、見せてくれるかも!
どんな顔でも…いい!
私の運命の人だから。
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「何やってるのよ!貴方は!」
「すまん……。」
「アミッドさんに言って、エイナを呼んでもらったわ。間に合えばいいけど…。」
「イーナ…。無事でいてくれ。」
「ただいまー!」
「「!?」」
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そこにはアイナ母様と父様がいた。
父様はあちこち探し回っていて、疲れている様子だった。
「イーナ!無事だったのね!」
「てめえ!何者だ!」
「父様、やめて!この方が私を助けてくれたの。」
「「え?」」
父様は武器を手にしようとしていたから慌てて止めた。
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そして、私は先程までのことを説明した。
「…ということなの。」
「すまない、ありがとう!助かった!」
「ありがとうございます!この体勢で失礼と思いますが。」
「いえ、無事でよかったです。」
「すまないが、名前とファミリアを教えてくれないだろうか?お礼に伺いたいが。」
「あ、はい。僕は…「父様!イーナは……ベルくん!?」え?」
「「「え?」」」
え?…姉様、今何て言ったの?
ベルくん…まさか、伝記に載っていた方…ベル・クラネル!?
えええええっ!
姉様はいつもの冷静な姉様でなく、慌てていた。
まるで、見られてはまずいものでも見つかったような…。
「ベ、ベルくん!どうしてここに!」
「あ、はい。こちらの女性が襲われかけていたので、助けてこちらに送ったんです。」
「そ、そうなの…。イーナ!気をつけなさい!」
「ご、ごめんなさい!姉様。」
「姉様!?」
その人は驚いた声を出していた。
そして姉様は私を叱った後、慌ててその人を連れて外へ行こうとした。
だ、駄目!
「それならいいのよ。じゃあ、私達はこれで「待ちなさい」…何でしょうか?アイナ母様?」
「母様!?」
「まだ、私達のお礼が済んでないわ。」
「私からお礼しますので、不要です。」
「あらあら、お礼って何かしら?お母さん、気になるわ。」
アイナ母様!
足止め、ナイスプレーです!
その人は気づいたように姉様と話していた。
「あの…エイナさん。こちらの方々はエイナさんのご家族でしょうか?」
「それは…「初めまして。エイナの母のアイナ・チュールと申します。この体勢で失礼だけど…。」母様…。」
うわぁ…母様。
アレは…逃がす気はないという顔だ。
父様はずっと仏頂面をしていた。
「というか、仮面とフードを何故かぶっている?」
「父様は口を出さないで下さい。」
「いや、どう見ても怪しいだろうが。何故わかるんだ?」
「私達がしたからです。」
「あの…エイナさん。失礼なので取ったほうが…「ダメ!」ええー…。」
「エイナ、彼氏を縛るのはよくないわ。「彼氏!?」」
「ま、まだ!彼氏じゃないです!」
「「「え?」」」
え?彼氏……じゃない?
母様は更に追い打ちかけた。
「彼氏じゃないなら、別にいいじゃない。」
「【ヘスティア・ファミリア】のトップシークレットなんです!」
「え?トップシークレット?」
「ベルくんは黙ってて!」
「ア、ハイ。」
「「………。」」
こんな姉様、初めて見る。
母様が父様に対して叱る時にそっくり。
……すごく気になる。どういう関係だろう?
「改めて…、うちの娘が大変お世話になっております。」
「あ、いえ。こちらもエイナさんには大変お世話になっています。」
「あらあら、でもイーナの恩人である貴方と主神のヘスティア様へお礼に伺いたいわ。」
「あ、はい…。え?どうして僕の神様がヘスティア様だとわかったのですか?」
「ベ、ベルくん!帰ろう、ね?」
「姉様、話を中断させるのは失礼ですよ?」
「ぐっ!」
逃しませんよ!
絶対に!
お兄さんはやはり、私が会いたかったベル・クラネルだった。
「ということは、貴方がベル・クラネルね?」
「あ、はい。【ヘスティア・ファミリア】団長のベル・クラネルです。…エイナさん、やはり失礼なので仮面とフードを取ったほうがいいのでは…。」
「ダメよ!」
「そうだ、取れ!」
「「父様は黙ってて!」」
「貴方は黙ってて!」
「ぐぅ…。」
ベル様に何て口を聞くのですか!
「やはり、取りますね。このままでは失礼ですよ。」
そしてベル様は、フードと仮面を外そうとした。
ど、どんな顔なんだろう…。
あ、髪の毛が雪のように白い…。
「ああっ!」
「あら、可愛らしいじゃない。」
「はわぁ…。」
「は?軟弱っぽいやつだな(((ギロリ!)))……何でもないです。」
どう見てもカッコいいじゃないですか!
父様……キライです!
姉様は慌てて仮面を元に戻そうとした。
「も、もういいでしょ!」
「改めて、【ヘスティア・ファミリア】団長のベル・クラネルです。エイナさんには大変お世話になっております。」
「……思ったより礼儀正しいわね、リヴェリア様の言う通りだったわ。ふふふ、気に入っちゃった。」
「「!?」」
よし!母様が太鼓判を押した!
リヴェリア様の言う通り、やはり母様のお目に叶った!
ここで攻めます!
「お兄さん、お兄さん、名前を言い忘れていました。イーナ・チュールと言います。姉のエイナ・チュールが大変お世話になっております。」
「あ、妹さんでしたか。お姉さんには大変お世話になっております。」
「いえいえ、これからもお願いします。…姉妹と共に。」
「………。」
姉様はかなり複雑そうな顔をしていた。
…やはり気づいているよね。
私がベル様に惚れたということを。
ベル様は父様にも挨拶しようとしたけど…。
「そちらはエイナさんのお父さんですね?」
「貴様にお父さんと呼ばれる筋合いはない!」
「えーっと…娘さんには大変お世話になっております。」
「……キミはうちの娘とはどういう関係だろうか?」
「あ、はい。最初はアドバイサーと冒険者でしたが、今は同じファミリアです。」
「「「え?(チラッ…)」」」
「うう…こんなに早くバレるなんて…。」
……彼氏でもない上に、深い関係でもない?
やった!私にもチャンスある!
『……エイナ、エイナ。ちょっと来なさい。』
『何でしょうか…。』
『貴女、あの方とお付き合いしているんじゃなかったの?』
『…まだです。』
『はぁ…何やっているのよ。それでも私の娘?ダメよ。』
『…はい。』
『私がヘスティア様に取りもってあげるわ!』
『それがその…ヘスティア様を含めてライバルが多いんです。』
『は?……でしょうね。彼なら何人いてもおかしくはないわ。ウイナがいなかったら彼に求婚したかもしれないわ。』
『だから、紹介したくなかったんです…。』
『でも、イーナを見なさい。』
『(チラッ)………はぁ。』
『あれはもう恋する乙女の目よ?』
『わかっています…毎日鏡の前で見ていますから。』
タイミングよく(幸運によって)、エイナさんがやってきました。
そして、助けてくれた人がベルくんだとバレました。
イーナさんは言うまでもなく、アイナさんはベルくんを認め気に入りましたね。
ウイナさんは家族からフルボッコですね。
エイナさんが見栄で言ったことがすぐバレてしまいました。
アイナさんから説教(?)されています。
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