白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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味方がいないことに愕然しているウイナさんです。
ですが、父の威厳を守るため奮い立っています。


第350話 側近(父)、対決。

ちくしょう!

古巣でも俺の味方がいねえ!

 

こいつの性格が悪くないのはわかっている!

こっちが恥ずかしくなるぐらいだ…。

だが、俺にも父親の意地というものがあるんだよ!

 

そういう俺を見て、団長はとんでもないことを言った。

「それで、ウイナと模擬戦かい?…ちょうどいい。僕ともやらないかい?」

「え?フィンさんと?」

「君はレベル6だろ?僕ともやり会えるはずだよ?」

「あ、はい。お願いします。」

「ずるいぞ!フィン!儂ともやろうぞ!」

「あ、はい。」

「ベルたん…人が良すぎるで…。ドチビの苦労がよくわかったわ…。」

同感です…。

何でもかんでも引き受けるんじゃない…。

実の息子じゃないのに、心配になってきたぞ…。

 

そして、久々の鍛錬場へ来た。

あいつと手合わせしたという希望者が何人か出た。

いずれもレベル6だ。

……有望な若者が入ってきて嬉しいは嬉しいが、相手があいつとはな。

「さて…かなりの希望者がいるね…。いいのかい?」

「あ、はい。大丈夫です。」

「そうか、まず。ウイナだ。…彼はレベル4だ。本気は出さないでくれよ?」

「あ、はい。僕はここを動きません。なので、ウイナさんから来てもいいです。」

「なっ…!…団長、始めて下さい!」

「…彼のそれは挑発じゃないよ?素で言っているはずだよ…。始め!」

糞っ!相手にならないってか!

だが、俺だって【ロキ・ファミリア】のレベル4なんだよ!

 

そう思っていた時があった…。

「はぁぁぁぁぁぁ!」

「…………。」

「やはり当たらないね。」

「当然じゃな。」

「時間の無駄だ!さっさと下げろ!」

「まあ、そうね。」

「あのバグ兎…何やってんだ。」

全部…見切られている!

足払いも…。

 

チラッ…。

「相手にならないわね…。」

「当然です。」

「ああ…ベル様。」

「「………。」」

家族でさえも…応援してくれねえ!

ただ…目の前のこいつだけが気遣ってくれるような目をしてくれている…。

舐められていないのはわかっている!

 

もう…観念しよう。

「ぜー…ぜー…、当たらねえ…。」

「あの…気はすみましたか?」

「……ああ。エイナを守れよ…何としてでもだ。」

「はい、もちろんです!」

「……さっきまでの非礼は詫びる。飯でも食い行こうぜ!今も続いている美味い飯屋を知っているんだ。」

「!はい!喜んで!」

………。

いい笑顔だ、こういう息子が欲しかったな…。

家族より癒されるのは何とも皮肉だ。

 

そして、あいつ…いやベルと手合わせするやつらでくじ引きしていた。

かなりの人気者だな…。

大丈夫なのか?レベル6にランクアップしたばかりだというのに。

「まずは僕からだね。」

「ちっ…くじで負けやがった。最後か。」

「私は二番目ね。」

「儂は三番目か。」

「あたいはやらないぜ?あんなバグ兎に勝てるかよ!」

「私もだ(アイズたちに何か言われるかわからんからな。わかっているのか?こいつらは。後で報復があっても知らんぞ)。」

バグ兎…。

それはまあ、そうかもしれんが何か腹立つな。

……俺もかなり惹かれているな。

 

「では、さっそく行かせてもらうよ?」

【魔槍よ、血を捧げし我が額を穿て】

【ヘル・フィネガス】

 

!?

団長…、本気だ!

 

「はああああああああっ!」

「!」

ベルも目の色を変えたな。

まあ、団長がああなったら…レベル7に匹敵するんじゃないか?

 

「「「!!!」」」

「フィンのやつ、早速飛ばしやがる!」

「でも…当たらないわ。」

「完全に見切ってるのう…。」

「しかもギリギリでな。」

マジかよ…。

本当に、レベル9に匹敵するのか…。

 

「レベル6の団長を相手に…余裕そうだ。」

「ベルくんなら、当然です。」

「お義兄様、すごい…。」

「たった半年で団長を手玉に…。」

……それであの性格?

普通なら傲慢になったりするんだが…。

 

団長の怒涛の連撃が一段落した。

それでもかすりはしなかったがな…。

「ふぅ…そちらから来ないのかい?」

「えっと…ウイナさんの気が済むまででは?」

「ああ…彼は別だよ。そうだね、ウイナ?」

「あ、はい!」

「ということで、遠慮なく来ていいよ。」

「では。」

「!?がっ…、ここまでと…は。」

へ?団長が…崩れ落ちた。

び、秒殺!?

 

「クラネルのやつ、瞬時にフィンの懐へ移動して鳩尾に肘入れやがった…。見えなかったぞ…。」

「あれでは、フィンの魔法も役立たないのう…。」

「あまりにも圧倒的すぎて、怒りさえも沸かないわよ…。」

「だから言ったんだ…アレはバグってるってな。」

「見事だな…。」

ここまで…圧倒的に強くなっているのか。

しかも本気になっていない…。

 

エイナがドヤ顔で言ってきた。

「わかりましたか?父様。」

「よくわかった…。父さんが悪かった。」

「ああ…ベル様。」

「困ったわね…、エイナだけでなくイーナもベルくんのところへ行くかもしれないわね(それはそれで一考の余地はあるわね)。」

「!?イーナ!イーナ!しっかりして!ダメよ!」

「ベル様…。」

「………逆に、俺はあいつのことが心配になってきたぞ。」

あの強さであの性格であの容姿?

エイナやイーナよりあいつの方が気がかりになってきたぞ。

 

………いずれ、義父となるかもしれないんだ。

せめて、俺だけは味方になってやらないとな。




ウイナの模擬戦に便乗して、何人かが手合わせ希望しました。
フィン、ティオネ、ガレス、ベートです。

ウイナの模擬戦で、家族はベルくんを応援してて対戦相手のベルくんが逆にウイナさんを気遣っています。
皮肉ですね。

そしてフィンとの模擬戦です。
ダンメモで猛威を振るった魔眼がベルくんを襲いますが…、レベル9に匹敵するベルくんの敵ではありません。
あっという間にフィンを瞬時に倒しました。
(フィンファンの皆さん、すみません!)

そしてウイナさんもベルくんにほだされました。
チュール家の関係は良好ですね!

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