白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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久々のライラ姐さんです!
メイからのベルくんへの試練に呆れています。


第353話 狡鼠、賭博。

あのメイド…。

何てことをバグ兎にさせんだよ。

あのガレスと力比べなんてよ。

「ふんぬぅぅぅ!」

「ぐぅぅぅぅ!」

「のこったー!のこったー!」

「「「うおぉぉぉぉ!すげえええ!」」」

……ロキもちゃっかり審判、いや行司と言ってたか?

かなり盛り上がっているな…。

 

まあ、ここんとこ刺激がないからちょうどいいけどさー。

…やるか。

 

「…ガレスが優勢としても。これは彼にとってはかなり不利だろう…。」

「あの爺の力に粘ってやがる…。」

「あたしはバグ兎に賭けるぜ?お前らは?」

「「「ガレスさん!」」」

「「「ベル・クラネル!」」」

「……いつの間に賭け事を。まあいい、私はベル・クラネルに賭けよう。」

へっ、このハイエルフさんはわかってんな。

 

……まさか、いやそんなことはないよな?

絶対にないとはあのバグ兎に限ってありえないからな。

 

それにしても…。

「ぬおおおおおっ!」

「うぐぅぅぅぅっ!」

「のこったー!のこったー!」

結構粘っているな…。

賭けは置いといて…どんだけ力を上げてんだよ!あのバグ兎は。

 

ん?フィンがいつの間にか起きているな。

呆れているな、まあ目の前の光景を見ればな。

「ライラ…。何でガレスが彼と組み合っているんだい?」

「起きたか?あのメイドが提案したとよ。あまりにもバグ兎が強いから、こっちが有利な面でやるとよ。」

「それほど圧倒的な差があるか…はぁ…。」

「今のところガレスが優勢な分、賭けもガレスが多いな。フィンはどっちへ賭ける?」

「ガレスには悪いけど、僕はベルに賭けるかな。」

「だろうな。」

妥当だな。

本当にバグってやがる…。

 

おっ、ガレスが勝負に出たか。

位置取りは…ありゃあガレスの勝ちか。

さすがのあいつも…。

「これで終わりじゃあああああ!」

「ここだ!」

「のこっ…?え?ば、バックドロップ!?」

「「「うおぉぉぉぉぉぉ!」」」

そんなことはなかったか…。

うわぁ…、ガレスがとんでもないことになっているぞ。

 

「やはりシノスさんとユーティスさんの稽古を見ていましたか。」

「【重傑】の半身が地面に埋まっているね…。」

「凄いわ…ベル様。」

「ガレスさんのあの姿…初めて見るぞ。」

「それ以前にガレスさんの力をねじ伏せるなんて…。エイナはすごい子…いえ、これ以上ない婿を捕まえたわね。」

稽古……?ユーティスってアストレア様だよな?

アストレア様は何やってんだよ!

あのアイナってエルフ、何か怖ぇ…。

 

ガレスの奴を引っ張り出さねえと、窒息死で死ぬぞ!

「おい!力のあるやつはガレスを……もう助け出したか。」

「……ライラ姐さんの言う通りバグっています。」

「だろうな。あ、だからと言って元金は返さねえからな。あのバグ兎に賭けたやつの勝ちだ。」

「「「やったー!」」」

「「「そんなー!」」」

 

やれやれ。

バグ兎がガレスを引っ張り出したが…、完全に気絶しているな。

あの【重傑】がな。

 

「うわー…すごいわ。ベルたん…。バックドロップを間近で見ると迫力あるわ…。」

「ちっ!おい、さっさとやるぞ!」

「あ、はい。服を着ますので待って下さい。」

「「「ああっ!」」」

「え?」

「いや、いい。着てくれ。全くお前達は…。」

……見惚れるのはいいんだが、競争相手を考えろよ?

 

ん?あのメイド、ベートんとこへ向かったか。

「待ちなさい、【凶狼】。」

「ああ!?邪魔すんじゃねえ!」

「このままでは貴方は勝てません。勝つ方法を知りたいですか?」

「…言ってみろ。」

へぇ、今のベートがあのバグ兎に勝つ方法ねぇ。

何であのメイドが教えんだ?

 

「彼女たちに聞きましたが、貴方は魔法を使えるようですね?」

「あのアバズレどもが!喋りやがって!」

「その魔法を使いなさい。いえ、使いこなしなさい。」

「………。」

魔法?あのベートに魔法なんかあったのか?

何で…使わないんだ?

 

「意地はっているようでは、また…失いますよ?(チラッ)」

「!!…………っ。」

「ああ、傷が足りないのですね。なら、こうしましょう。」

「ぐあああああああっ!」

「「「!?」」」

はぁ!?いきなり、ベートを隠しナイフで切り刻みやがった!

み、見えねえ…。

あっという間に血まみれになったぞ…。

 

それは置いといて…こいつらはどうするんだ?

「…ベートに【ハティ】を使わせる気か?」

「そうだね。それしか彼に勝てる可能性はない。」

「おい、お前ら。ティオネとガレスの身を心配しろよ。完全に気絶してるぜ?」

ティオネは脳を揺さぶられて気絶しているし。

ガレスは脳天直撃で気絶しているし。

死んでいないのが救いだけどな。

 

大丈夫か…あいつ。

あのバグ兎と戦うどころじゃねえぞ。

「が…あ…。」

「これぐらいでいいでしょう。今の坊ちゃまに勝てるのはそれしかありません。」

「こンの女が!やってやろうじゃねえか!」

 

【戒められし悪狼の王、一傷拘束、ニ傷痛叫、三傷打杭】

【飢えなる涎が唯一の希望、川を築き血潮と交ざり涙を洗え】

【癒せぬ傷よ忘れるな、この怒りとこの憎悪汝の惰弱と汝の烈火】

【世界を憎み摂理を認め涙を枯らせ、傷を牙に慟哭を猛叫に】

【喪いし血肉を力に、解き放たれる縛鎖、轟く天叫、怒りの系譜よ】

【この身に代わり月を喰らえ数多を飲み干せ、その炎牙をもって平らげろ】

 

【ハティ】

 

なっ!?

あいつにこの魔法があったのか!?

…傷が消えるごとに炎が大きくなっている?

損傷吸収魔法か!?

「付与魔法!?」

「いいえ、坊ちゃま。魔力吸収と損傷吸収魔法です。」

「なっ!?」

「ちょうど、月が出ています。坊ちゃま、目の前にいるのは【ロキ・ファミリア】の真の最強ですよ?」

「…行きます!ベートさん!」

「来やがれ!クラネル!」

ベートの獣化にあの魔法なら…あのバグ兎に対抗できるだろうな。

 

あのメイド、更にバグ兎を追い込んで強くさせるつもりか?

経験が足りないからって、そこまでするかよ…。

 

あのバグ兎を敵にしたら、命がいくつあっても足りねえぜ。




ベートの魔法に驚いているライラ姐さんですが、ベルくんの異常さに慣れているため屁でもありません。

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