メイからのベルくんへの試練に呆れています。
あのメイド…。
何てことをバグ兎にさせんだよ。
あのガレスと力比べなんてよ。
「ふんぬぅぅぅ!」
「ぐぅぅぅぅ!」
「のこったー!のこったー!」
「「「うおぉぉぉぉ!すげえええ!」」」
……ロキもちゃっかり審判、いや行司と言ってたか?
かなり盛り上がっているな…。
まあ、ここんとこ刺激がないからちょうどいいけどさー。
…やるか。
「…ガレスが優勢としても。これは彼にとってはかなり不利だろう…。」
「あの爺の力に粘ってやがる…。」
「あたしはバグ兎に賭けるぜ?お前らは?」
「「「ガレスさん!」」」
「「「ベル・クラネル!」」」
「……いつの間に賭け事を。まあいい、私はベル・クラネルに賭けよう。」
へっ、このハイエルフさんはわかってんな。
……まさか、いやそんなことはないよな?
絶対にないとはあのバグ兎に限ってありえないからな。
それにしても…。
「ぬおおおおおっ!」
「うぐぅぅぅぅっ!」
「のこったー!のこったー!」
結構粘っているな…。
賭けは置いといて…どんだけ力を上げてんだよ!あのバグ兎は。
ん?フィンがいつの間にか起きているな。
呆れているな、まあ目の前の光景を見ればな。
「ライラ…。何でガレスが彼と組み合っているんだい?」
「起きたか?あのメイドが提案したとよ。あまりにもバグ兎が強いから、こっちが有利な面でやるとよ。」
「それほど圧倒的な差があるか…はぁ…。」
「今のところガレスが優勢な分、賭けもガレスが多いな。フィンはどっちへ賭ける?」
「ガレスには悪いけど、僕はベルに賭けるかな。」
「だろうな。」
妥当だな。
本当にバグってやがる…。
おっ、ガレスが勝負に出たか。
位置取りは…ありゃあガレスの勝ちか。
さすがのあいつも…。
「これで終わりじゃあああああ!」
「ここだ!」
「のこっ…?え?ば、バックドロップ!?」
「「「うおぉぉぉぉぉぉ!」」」
そんなことはなかったか…。
うわぁ…、ガレスがとんでもないことになっているぞ。
「やはりシノスさんとユーティスさんの稽古を見ていましたか。」
「【重傑】の半身が地面に埋まっているね…。」
「凄いわ…ベル様。」
「ガレスさんのあの姿…初めて見るぞ。」
「それ以前にガレスさんの力をねじ伏せるなんて…。エイナはすごい子…いえ、これ以上ない婿を捕まえたわね。」
稽古……?ユーティスってアストレア様だよな?
アストレア様は何やってんだよ!
あのアイナってエルフ、何か怖ぇ…。
ガレスの奴を引っ張り出さねえと、窒息死で死ぬぞ!
「おい!力のあるやつはガレスを……もう助け出したか。」
「……ライラ姐さんの言う通りバグっています。」
「だろうな。あ、だからと言って元金は返さねえからな。あのバグ兎に賭けたやつの勝ちだ。」
「「「やったー!」」」
「「「そんなー!」」」
やれやれ。
バグ兎がガレスを引っ張り出したが…、完全に気絶しているな。
あの【重傑】がな。
「うわー…すごいわ。ベルたん…。バックドロップを間近で見ると迫力あるわ…。」
「ちっ!おい、さっさとやるぞ!」
「あ、はい。服を着ますので待って下さい。」
「「「ああっ!」」」
「え?」
「いや、いい。着てくれ。全くお前達は…。」
……見惚れるのはいいんだが、競争相手を考えろよ?
ん?あのメイド、ベートんとこへ向かったか。
「待ちなさい、【凶狼】。」
「ああ!?邪魔すんじゃねえ!」
「このままでは貴方は勝てません。勝つ方法を知りたいですか?」
「…言ってみろ。」
へぇ、今のベートがあのバグ兎に勝つ方法ねぇ。
何であのメイドが教えんだ?
「彼女たちに聞きましたが、貴方は魔法を使えるようですね?」
「あのアバズレどもが!喋りやがって!」
「その魔法を使いなさい。いえ、使いこなしなさい。」
「………。」
魔法?あのベートに魔法なんかあったのか?
何で…使わないんだ?
「意地はっているようでは、また…失いますよ?(チラッ)」
「!!…………っ。」
「ああ、傷が足りないのですね。なら、こうしましょう。」
「ぐあああああああっ!」
「「「!?」」」
はぁ!?いきなり、ベートを隠しナイフで切り刻みやがった!
み、見えねえ…。
あっという間に血まみれになったぞ…。
それは置いといて…こいつらはどうするんだ?
「…ベートに【ハティ】を使わせる気か?」
「そうだね。それしか彼に勝てる可能性はない。」
「おい、お前ら。ティオネとガレスの身を心配しろよ。完全に気絶してるぜ?」
ティオネは脳を揺さぶられて気絶しているし。
ガレスは脳天直撃で気絶しているし。
死んでいないのが救いだけどな。
大丈夫か…あいつ。
あのバグ兎と戦うどころじゃねえぞ。
「が…あ…。」
「これぐらいでいいでしょう。今の坊ちゃまに勝てるのはそれしかありません。」
「こンの女が!やってやろうじゃねえか!」
【戒められし悪狼の王、一傷拘束、ニ傷痛叫、三傷打杭】
【飢えなる涎が唯一の希望、川を築き血潮と交ざり涙を洗え】
【癒せぬ傷よ忘れるな、この怒りとこの憎悪汝の惰弱と汝の烈火】
【世界を憎み摂理を認め涙を枯らせ、傷を牙に慟哭を猛叫に】
【喪いし血肉を力に、解き放たれる縛鎖、轟く天叫、怒りの系譜よ】
【この身に代わり月を喰らえ数多を飲み干せ、その炎牙をもって平らげろ】
【ハティ】
なっ!?
あいつにこの魔法があったのか!?
…傷が消えるごとに炎が大きくなっている?
損傷吸収魔法か!?
「付与魔法!?」
「いいえ、坊ちゃま。魔力吸収と損傷吸収魔法です。」
「なっ!?」
「ちょうど、月が出ています。坊ちゃま、目の前にいるのは【ロキ・ファミリア】の真の最強ですよ?」
「…行きます!ベートさん!」
「来やがれ!クラネル!」
ベートの獣化にあの魔法なら…あのバグ兎に対抗できるだろうな。
あのメイド、更にバグ兎を追い込んで強くさせるつもりか?
経験が足りないからって、そこまでするかよ…。
あのバグ兎を敵にしたら、命がいくつあっても足りねえぜ。
ベートの魔法に驚いているライラ姐さんですが、ベルくんの異常さに慣れているため屁でもありません。
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