白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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アルテミスこと、エルピス回です。
指導とは、誰を指導するのでしょうか?



第357話 月女神、指導。

メイに呼ばれてきてみると、ヘスティアとエイナとメイ、そしてエイナによく似た半妖精がいる。

何事なのだ?

「それで…この子がキミの妹かい?」

「はい。すみません、そのようなことになってしまって。」

「いや、いいんだよ。ベルくんの帰りが遅いから気になってたけど、そのようなことがあったんだね。」

そうだな、オリオンの帰りが遅すぎるからオラリオ中を探そうとしたところだ。

まさか【ロキ・ファミリア】でそのようなことがあったとは…。

 

チュール家もオリオンによって救われたとはな。

それにその娘をみると…。

「ふむ…エイナと違い活発そうだな。それで、メイ。私を呼んだのは?」

「はい。エルピスさんたちにイーナさんの指導役になってもらいたいです。」

「……それはいいが、彼女は入ったばかりだろう?」

(キミもじゃないか。)

…?

ヘスティアからもの言いたげな視線を感じるのは気のせいだろうか?

 

「ええ、そうです。なので、都合がいいんです。余計な知識などがないため。」

「え?」

「…なるほど。彼女にパンクラチオンを教えろ、ということだな?」

「ええ、基本は体術ですからね。」

(うわー…。アルテミス直々の指導で?)

「え?え?」

なるほどな。

…それにその娘もオリオンに対して並々ならぬ想いを持っているな。

あのスキルも発現しているに違いない。

 

一応、確認してみるか。

「ふむ…君は何か体を動かすようなことは?」

「あ…特には。」

「なら変な癖がない分、好都合だな。いいだろう、彼女は私が預かった。」

「…エルピス、やりすぎないでくれよ?」

「ヘスティア、私を何だと思っているんだ。ああ、そうだ。イーナ、今まで好きになった人はいるか?」

「…ベ、ベル様だけです。」

(また増えたー!ストップ!ストップにして欲しいよー!)

「そうか、オリオンか。私もだ。お互い、頑張ろう。」

「あ、はい!(オリオンって誰?)」

レトゥーサやランテはアストレアの元眷属とダンジョンで経験を積んでいるな。

なら、私…いや私達が直々に指導するのも悪くない。

ヒューマンになってからの指導は初めてだな。

 

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そして私達はイーナを指導した。

「はぁ…はぁ…。」

「ふむ、このぐらいか。」

「ねえ、彼女入ったばかりでしょう?キツくない?」

「何を言っている?私達で話し合っただろう?ダンジョンに潜る以外に効率的な方法は、と。」

「それはわかりますが。私達は、元神ですよ?イーナさんはまだ若輩の半妖精ですよ?」

何を言っている?

私達も数週間前まではレベル1なりたてだろうが。

そこに神だろうがヒューマンだろうが、関係ない。

…ただ、経験が違うだけだ。

 

イーナはもうへばっているか。

…卑怯だが、ここで気合入れさせるか。

「私たちもステータスはほぼ変わらないだろう…。そこまでにするか?君のオリオンへの想いはその程度か?」

「!!いいえ!ま、まだやれます!」

「良い返事だ。いいか?オリオンのことを想い続けろ、いつでもだ。そうすれば君は強くなれる。まずはアビリティをある程度上げよう。」

「はい!」

うむ、レトゥーサやランテたちと違い吸収率が著しいな。

…メイが言ってたが、チュール家の血統が関係しているかもな。

 

そしてイーナがランニングしに行った後に、ユーティスが話しかけてきた。

「……そりゃ、そうだけど。まさか、彼女にも【白兎眷属】が出るなんて…。」

「何でベルさんは無意識にあちこち粉をかけてきたり、フラグを立ててくるんですか…。ベルさんにフードや仮面では足りないかもしれませんね。ホームとクノッソスとの直通通路を作ったほうがいいのでは?」

「それだと彼女がひどい目にあったわよ?」

「うーん…。ひどい目と言えば、【ラシャプ・ファミリア】ですか。どこかで聞いたことが…。」

ラシャプ…聞かない名だな。

オリンポスにもアースガルドにもいないなら、他のところだろう。

…邪神、滅すべし。

 

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特訓が終わり、イーナはヘスティアに更新してもらっている。

その時にメイがやってきた。

経過確認だが、マメなことだ。

それが【ゼウス・ファミリア】の強さの秘密だろうな。

「失礼します。どうですか?エルピスさん、イーナさんは?」

「先程、更新に行っている。なかなか筋は悪くない。」

「そうですか。」

「ねえ、メイ。イーナをどう育てるつもりなの?」

「パンクラチオンマスターになってもらいたいかと、格闘家エルフはロマンあると思いませんか?」

「…エイナさんが泣くと思います。」

そうか?悪くないと私は思うぞ。

前々から思っていたのだが、なぜエルフは魔法種族なのに遠距離攻撃だけなのだ?

近距離でやれば、一気に火力も強くなるだろうに。

 

「もちろん、パンクラチオンだけではありません。彼女にはエルフらしく、貞潔を叩き込んでほしいのです。」

「ふむ、なるほど。それは私の管轄だな。」

「あと、ユーティスさんにも。」

「え?私?」

「はい、彼女には凝り固まった視点を持ってほしくないのです。そこも指導していただければと、正義を司る貴女に。」

「そうね…。わかったわ。」

「シノスさんもお願いします。」

「私もですか?」

「女性としてのしたたかさや狡猾さ、そしてお洒落や程よい色気をお願いします。お手の物でしょう?」

「お任せ下さい!一流の女性にしてみせましょう!」

……私達、元神として司るものを教えるのはいいが、混乱しないだろうか?

 

聞いてみるか。

「メイ…、お前イーナをどうするつもりだ?」

「多様な視点を持ち、女性としての美と狡猾をもち、貞潔を守る格闘家エルフ?突っ込みどころが多すぎるわ…。」

「彼女は山奥の村で神々にも触れず生きてきました。いわば、真っ白の紙です。そしてチュール家の血統。それを生かさない手はないでしょう?」

「さすが【最強侍従】ですね…。」

全く、抜かりがないな。

ゼウスは放任主義だからメイに全て任せていただろうな。

【ゼウス・ファミリア】の影の支配者と言っても過言ではないな。

 

む?ヘスティアが戻ってきたか。

「どうだ?ヘスティア。」

「キミたちが考えた効率的な方法は確かにすごいよ…。今日だけでもう600オーバーだよ。」

「やはりね。」

「よし、その調子で続けるか。…イーナはどうした?」

「更新したままで寝てしまったので、エイナくんに頼んで運んでもらったよ。」

そうか。初日だから仕方がないだろう。

いや、あそこまで粘るのはイーナ以外にいなかったな。

ふふふ、先が楽しみだ。




はい、イーナさんの指導担当はエルピスとなりました。

ヘスティアは心からの叫びを上げています。
仕方がありませんね。


そして、女神たちで考えた効率的な特訓をイーナに課せています。
多様な視点を持ち、女性としての美と狡猾をもち、貞潔を守る格闘家エルフになって貰う予定です。
あくまでも予定です。

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