いよいよ…来ました!
メーテリアはニコニコしているが、私にはわかる。
あれは…かなりブチキレている。
ザルドが何かメーテリアを怒らせたのか?
「今日のホールケーキはいちご生クリームのショートケーキだ。」
「あらあら、おいしそうね。その前にオハナシしましょう?」
「……メーテリア、何を怒っているんだ?」
「身に覚えないの?」
「いや…なくはないが。」
「じゃあ、これは?」
!?
ば、馬鹿な!
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~巨大なスクリーンのある部屋~
「あの本は若様の自伝0巻ですか?」
「あー…、やっぱりバレたじゃないか。」
「「「え?」」」
「アルフィアくんはね、メーテリアくんが読もうとした自伝からあの0巻を抜き取ったんだ。メーテリアくんから怒られたくないためにね。」
「えええっ!あのアルフィアが!?」
「こんな遠くからでもすごいプレッシャーを感じますが…、近距離だと想像したくありませんね。」
「…怖い。階層主と対峙した時の数百倍…ううん、それ以上。」
「アイズ、それを彼女へ言うなよ?一気に嫌われるぞ?」
「わかっている。」
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あ、あり得ない!
「……ば、馬鹿な!抜き取ったはずだ…。」
「何だ?それは…。ベルの自伝0巻?」
「あら、ザルドさんは読んでないの?」
「ああ、メイから口頭で聞いただけだからな。」
「読んでみてくれる?」
「…………(ガクガクブルブル)」
「アルフィア…何で震えてんだ?まあ、読んでみるか。」
…セバスとメイだな。
……こういう時が来るのは覚悟していたが、かつてのメーテリアよりプレッシャーが半端ない。
ヘラが隅へ行ったのも、あいつらがこの部屋を出たのもコレが理由か。
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~巨大なスクリーンのある部屋~
「「「終わったな…ザルド(さん)。」」」
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ザルドはベルの自伝を読み進めるごとに、青ざめているな。
私達が仕出かしたことはどんな理由でも、あの子を一人にさせ苦しませてしまったことだ。
「………………(ダラダラダラ)」
「ふふふ、わかったかしら?なら、二人とも座る場所を間違ってない?」
「………ああ。」
「………ハイ。」
とうとう、この時が来たか…。
プレッシャーが…どんどん膨らんでいる…。
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~巨大なスクリーンのある部屋~
「うわぁ…あのアルフィアが正座している…。」
「それだけではありません。先程のプレッシャーがどんどん膨らんでいますが?」
「やべえぞ…。バグ兎はどこへ行った!?あの女を止めろ!」
「坊やはどこだい!?洒落ならないよ!」
「坊ちゃまなら、お一人で異端児の方へ会いに行かれましたよ。」
「「「早く帰ってきてぇぇぇ!」」」
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~異端児の隠れ家~
「あれ?」
「どうしたの、ベル?」
「いや…、みんなから助けを求められているような気がするんだけど。」
「私ニハ、聞こえまセンガ…気のセイでハ?」
「我が好敵手よ。戦ろうぞ。」
「はい!アステリオスさん!」
「「「アステリオスが独り占めはズルーイ!」」」
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~巨大なスクリーンのある部屋~
「膝が笑ってきたけど…?これほどの恐怖は初めてだよ。」
「儂もじゃ。…ロキ、離れるんじゃ。暑苦しいぞ。」
「ウチ…もう立ってられへん。無理や…。」
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あの時のメーテリアよりプレッシャーが数百倍も凄まじいことになっている…。
そろそろ、来るな。
「さてっと…。どうして!どうしてなの!7年前に、ベルのところへ何で行ってやらなかったの!」
「…すまん。」
「…申し訳ない。」
「ベルは、その時まだ7歳なのよ!…何でよ!オラリオの有象無象より、ベルの方が何億倍も大切に決まっているでしょう!」
「「…………。」」
有象無象…。
まあ、メーテリアからすればベル以外は有象無象だろうな。
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~巨大なスクリーンのある部屋~
「やはり怒ったわね…。見てよ、ヘラも正座しているわよ。」
「うわぁ…ヘラのあの様子、初めて見るよ。」
「私もだ。」
「(私…フレイヤの時にベルへ色々としたことは知られているよね…?…送還、いえそれで済んだほうがまだマシかも…。どうしよう…。)」
「怖えぞ…。駄目だ…真っ直ぐに立てねえ。」
「私も立つことできません。春姫殿は…?」
「命ちゃん…もう最初から座っています。お義母様…怖いです(ぶるぶる)。」
「これが…メーテリアさんの怒り。ヘラ様もアルフィアさんも死の恐怖を感じたくらい…。」
「もうとっくに感じています!ベル様と似ても似つかないじゃないですか!」
「メイさんとセバスさん以外の全員、正座されていますね…。【女神の戦車】までも。」
「帰して!頼む!帰してくれ!」
「ヘ、ヘルメス様…?」
「アスフィ!マジで殺られる!間接的に!」
「そうだねえ…、遠征ん時のアンフィス・バエナと対峙した時より数百…いや数千倍の恐怖を感じているよ。」
「「「同感です!」」」
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その間もメーテリアは怒りの嵐を吹き荒ぶいていた。
キツい…まともに向き合えん。
あの時は竜の息吹のように思えたが、数百倍を超えているな。
天の怒りとはこのような感じかもしれんな。
「姉さんが病で余命いくばくもないのはわかっていた…。それも何もそんな人達に命を捧げることも、姉さんの名前を汚すこともなかったでしょう!」
「…………。」
私としてはどうでもよかったのだが、メーテリアからすれば許しがたいだろうな。
「ザルドさんもよ!…ザルドさんの料理はおいしかったわ。それを!どうして!ベルへ食べさせてあげなかったのよ!聞けば、かなり質素な料理ばかり食べていたじゃない!おじいちゃんのせいで!」
「…………。」
ザルドは下を向いて、何も言えないな。
仕方があるまい、メーテリアの怒りを受けたことがない奴はそうなっても同然だ。
私でも未だに慣れないのだから。
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~巨大なスクリーンのある部屋~
「「「怖すぎる…(ガクガクブルブル)。」」」
「「「逆らってはいけない…(ガクガクブルブル)。」」」
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怒りの嵐が十数分続いた。
かつてのメーテリアなら、数十秒だったがあの時はそれが数日のように感じたものだ。
これは数週間…いや数ヶ月ぐらいだな。
ザルドはもっとだろうな。
「はぁ…はぁ…。」
「すまない…メーテリア。私はあの子のために剣をとらない世界にしたかったんだ…。」
「言い訳はしない…。ただ…俺らが黒竜に敗れたため、あいつらはずっと停滞したままだったんだ。希望を託され失敗した俺らに、あいつらは自分自身に絶望したんだ。だから、俺らが責任を取らなければならなかったんだ。」
「その結果がこれ!?結局闇派閥は生き残り、姉さんが託した【アストレア・ファミリア】もリューちゃん、いえルゥちゃんを除いて全滅したじゃない!…そのおかげでベルはルゥちゃんに多く助けられたけど…他に手があったでしょう!【アストレア・ファミリア】を鍛えるとか!」
「………。」
…そうだな。あの小娘共との決戦の前に闇派閥を蹴散らすべきだったな。
まさか、生き残りがベルに危害を加えるとは思わないだろうに。
…いや、あの時の私はベルのことを微塵も思わなかった。
あの小娘共を鍛えるのは、決戦より骨が折れそうだ。
やるとしたら、そうだな…。
モンスターに凌辱させるまで疲労させるか?
または「巨蒼の滝」の滝壺でアダマンタイトを背負わせて沈ませるか?
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~巨大なスクリーンのある部屋~
「停滞か…否定せんのう。」
「自分自身に絶望か。そうだね、どこかで思っていたかもしれないね。」
「返す言葉もないな。」
「面目次第もない…。」
「え?アルフィアが…私達を鍛える?」
「大抗争の時よりひどい目に合う気がするのは、私だけでしょうか?」
「奇遇だな、あたしもそう思うぜ。」
「…私もです(生き残った私がベルを助けたのはいいのですが…そう言われると複雑です)。」
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はい、メーテリア激おこです。
そしてアルフィアとザルドさんは正座して至近距離でまともに受けています。
別室でも、全員その怒りにおびえて正座しています。
特に【ロキ・ファミリア】三首領と【フレイヤ・ファミリア】幹部、【アストレア・ファミリア】と神ヘルメスは自分たちが怒られたかのように萎縮しています。
彼らがレベル8,9まで行けたらベルくんが台頭しなかったかもしれない、とメーテリアさんは思っています。
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