開店とは何のことでしょうか?
あのスキルと関係しているかもしれませんね!
よし…。メニューはあらかた決まったな。
準備は問題ないな。
「ザル坊、こちらへ来なさい。」
「何だ?メイ。」
俺は、メイの後をついていった。
そこには…女性が数人いた。
「おはようございます!店長!」
「……店長?」
「察しが悪いですね。店が出来たから店員を募集しました。」
「…毎回言っているが、事前に言ってくれ。それにこいつらは俺のこと知っているのか?」
「はい、知っています。彼女たちは坊ちゃまのファンから私が厳選して募集した方です。情報漏洩対策は問題ありません。」
「そ、そうか。」
……気のせいか?
こいつら…俺の好みに入っているんだが。
まさかメイのやつ、店だけでなく…。
いや、考えるのはやめよう。
ろくなことになりゃしない。
「ゴ、ゴホン!あー、メイから聞いていると思うが、よろしく頼む。」
「「「はい!」」」
「それではオープン開始ですね。」
「「「はい!」」」
「え?お、おい。まだ仕入れと仕込みが…「私がそれを見逃すと思いますか?」…そうか。いきなりですまないが、今日からよろしく頼む。」
「「「かしこまりました!店長!」」」
俺がメニューが決まった矢先に、これか。
少しは心の準備させろよ…。
といっても、メイには通じないだろうな。
そういや思ったんだが、元々俺は【ヘスティア・ファミリア】の料理長じゃなかったか?
「ああ、ザル坊。ホームでの昼食は私たちが請け負います。メイド親衛隊で料理の腕が上がっていた方々が何人かおられますのでやってもらいます。ただ、朝食と夕食は仕込みを終えて下さい。」
「今からやる…。少し待っていろ。」
「わかりました。彼女たちへ接客について教えますね。」
ちっ…お見通しかよ。
まあ、ここ数日あいつらに料理させてその都度指導していたからな。
これを見込んでいたのか?
いや、後にしよう。
先に仕込みを終えておかないと。
------------------------------------------
そして、俺たちは開くお店のところへ行った。
ふむ、場所は悪くない。
ただ、向かいがな…。
「店名は「暴喰麺」か。そのまんまだな。ただ…、向かいはいいのか?」
「問題ありません。ほっとけばいいのです。」
「奴の性格上、ここへ殴り込んでくるぞ?」
「おや、ビビっているのですか?」
「そんなことは言ってないだろ!」
「大丈夫です。あちらもそんなに器量が狭い方ではないでしょう。」
「まあ、そうだな。さて…店内を確認するか。」
いずれ、殴り込んでくるだろう。
その時は返り討ちするだけだ。
さて、俺の戦場を確認するか。
ふむ、想像通りだな。
「厨房での位置取りは悪くないな。ほぼカウンター式か。」
「ええ、回転も早くすませられるでしょう。」
「ふむ…いつでもはじめてもいいな。」
よし、仕込みはあるし店員もいるしな。
ずっと前から考えていたやり方も…問題ないな。
始めようと思った矢先に、メイが俺にあるものを渡してきた。
絶句した。
「では、これを被りなさい。」
「……こいつらの服装から見て何となく理解したが…何でベヒーモスなんだ?」
「貴方にはピッタリでしょう?」
「いや、待てよ。こいつらは可愛らしい角だけつけているじゃねえか!俺は何でベヒーモスの首丸ごとなんだよ!」
「お黙りなさい。これも異端児の方への布石です。」
「……くそっ!わかったよ!」
ちっ…嫌がらせだろ。これ。
異端児のやつらのためと言われたら、やるしかないだろ!
さて、店員へ指示するか。
「洗い場は頼むぞ。」
「「はい!店長!」」
店長…聞き慣れないな。
まあ、いいか。
厨房は狭いから俺一人でいいだろう。
「厨房は俺一人でいい。オーダーを手伝ってくれ。ああ、呼び込みは最初だけでいい。後は匂いで寄ってくるだろう。ちょっかい出してくる神々や冒険者がいたら俺に言え。ひねり潰してやる。」
「「はい!店長!(頼りになります!)」」
ちょっかい出す奴らは絶対にいるからな。
こいつらが怯えたら意味ないだろうし。
せっかくメイが雇ってくれたからな。
厨房は…いつの間にかホームでつくったのを持ってきているな。
ちっ、お見通しというわけかよ。
仕込みを今日から考えないとな。
「仕込みはホームで作ってあったのをそのまま持ってきたのか…。まあ、最初は種類が少なくてもいいだろう。今晩か明朝にダンジョンへ仕込みへ行ってこないとな。」
「それは不要ですよ。」
「何だと?」
どういう意味だ?
仕込みができねえと店を開けねえぞ!
「異端児の方々が持ってきてくれるそうです。」
「……メイ、お前。あいつらをパシリ使いするんじゃねえよ。」
「あちらの方々も乗り気だそうです。その代わり、文化等の提供やここの代金は無料にします。」
「まあ、そのぐらいはな。それではオープンするか。」
「ああ、そうですね。ただし、お客第一号は決まっています。」
「あ?誰だ?「ザルド叔父さん!」…ベルたちか。」
「はい、今からダンジョンへ潜るのでその前にということです。」
「…わかった。ベル、ここでは店長と言え。」
「え?あ、うん!わかった。店長!」
「よしよし、俺のオススメを食うか。」
「「「はい!」」」
さて、作るか。
よし、こんなものか。
「ベルは、こっちだな。『暴喰ちゃんぽん』だ。」
「わぁ、野菜がこんもりだ!いただきます!」
…好き嫌いが甘味以外ないだけ、マシだな。
あの馬鹿と嗜好が同じだからわかりやすい。
さて、エルフの奴らはこっちがいいだろう。
「ルゥはこっちだ、アルヴの聖水を素にした『暴喰塩ラーメン』だ。」
「ああ、それは美味そうです。」
口に合うかどうか確認しないとな。
こいつはいつもいつもじゃが丸くんだからな、それに合うスープはっと…。
「アイズはこれだな。『暴喰味噌ラーメン』のじゃが丸くんトッピング付きだ。」
「さすが…わかっている。」
醤油などもあるが、俺にとっては味噌がじゃが丸くんに合うと思うんだ。
こいつはこれだな。
ホームで辛いものをよく食べているのを見るからな。
「ティオナは、『ピリ辛暴喰醤油ラーメン』のチャーシュー2枚追加だ。」
「わかってるー!わー、美味しそー!」
ガツガツと食べているのを見ると、作りがいがあるな。
こいつはルゥと同じでいいか。
「レフィーヤは、ルゥと同じでいいな?」
「はい!問題ありません(本当はベルのと同じにしたいのですが、今度にしましょう!)。」
ん?何で食わないんだ?
ああ、そうか。
「伸びるからさっさと食え。」
「「「いただきます!」」」
はっ、礼儀正しい奴らだぜ。
----------------------------------------------
全員、完食したか。
スープ全部飲まなくてもいいのにな。
「どうだ?」
「「「めちゃくちゃ美味しかったです!」」」
そうか。
ほっとしたぜ。
よし、気合も入ったし。
「後は客が来れば……問題ないな。」
「ええ…ベルが入った時点で、人だかりが既に出来ていました(場所が本当にここでいいのですか?向かいが…。メイさんが手配したと知っているのですが、明らかにあちらへ喧嘩を売っているとしか思えません。…まあ彼なら大丈夫でしょう。)」
「そうか、おい!お前ら位置につけ!ベル、お前たちはダンジョンへさっさと行け。」
「かしこまりました!店長!」
「わかった!行ってきます!」
ベルたちは元気よく行ったか。
ふっ、俺も結構甘くなったものだ。
さて、戦いを始めるか。
「よし、開始だ!客を入れろ!」
「「「はい!いらっしゃいませー!」」」
はい、ザルド作の『暴喰麺』です。
回転が早く、うまくさっさとできて、やみつきになる食べ物は多くありますが、私はすぐにラーメンと思いつきました。
仕込みは異端児にお願いしていますので、持ちつ持たれつですね!
感想・評価をいただけますと、嬉しいです!