白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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あのアルフィアが、吃驚とは何があったのでしょうか?


第380回 静寂、吃驚。

うむ、平和だな。

メーテリアも元気になり、義息子のベルもいて非常に充実している。

 

しかしメーテリアが元気になったのはいいが、その分五月蝿くなった。

ベルの方が大人だぞ…。

と、思っていたらメーテリアがあるお願いをしてきた。

「姉さん。」

「…何だ、メーテリア。」

「そろそろ、運動はいいと思うの。ダンジョンへ行きたいわ。」

「ダメだ。」

当然だろう、お前はレベル1なんだから。

お前というトロ子はダンジョンの第一層でゴブリン共にやられるのがオチだ。

やめておけ。

 

そしたらメーテリアが膨れ面でタダこねた。

…昔なら可愛いなと思ったが、今はベルのほうが数倍可愛い。

なので、それは通用せんぞ。

「なんでー?」

「危ない目にあうからだ。」

「ベルは行ってるじゃない!」

「お前はレベル1だろうが。」

「え?違うわよ?」

「何だと?」

レベル1ではなかったのか?

…確かに、先日私達を叱った時はどう考えてもレベル1ではなかった。

 

いぶがる私を見て、ヘラは言った。

「アルフィア、連れて行ってやれ。」

「大丈夫でございます。上層や中層程度なら問題ございません。」

「………。」

…こいつら、何か隠しているな?

まあ、私一人ならどうにかなるがダンジョンはダンジョンだ。

イレギュラーが起こらないとは限らないからな。

 

--------------------------------------

 

そして開店準備をしていたザルドを強引に引っ張ってきた。

「で、俺を連れてきたわけか?」

「そうだ。」

「あら?あれがゴブリンね。」

「下がれ、私がやる。」

ふん、雑魚共が。

 

【福…【凶音(ゴスペル)

【サタナス・ヴェーリオン】

 

「グギャ!?」

「ゲブパ!?」

 

「…は?私は魔法をまだ唱え終えていないぞ…。今のは…メーテリアか?」

「ゴブリンが…内部から破裂した?」

「あらあら、結構エグイわね。」

「待て。お前…魔法が使えたのか?」

「え?知らなかったの?」

知らんぞ!

それに…何だ?今の魔法は。

 

内部から…破裂した?

いや…内部の魔力…音を増幅させた?

 

ザルドが不思議そうな顔で私を見ながら言った。

「アルフィア…お前の妹、お前と同じぐらい強く感じるんだが?」

「お前の悪食でか?…待て、メーテリア。お前のレベルはいくつなんだ?」

「この前義母さんが更新してくれたから、8ね。」

「「は!?」」

8だと!?

そんな馬鹿な!

お前はダンジョンにさえ潜らなかっただろうが!

 

疑問で頭一杯の私をよそにメーテリアは先へ進んだ。

「さあ、サクサク行くわよー。」

「ま、待て!」

「俺、いらないんじゃねえか…。」

気持ちはわかる。

だが、あのメーテリアだぞ?

見てやらないといかん!

 

案の定、メーテリアはモンスターの群れへ散歩するかのように突っ込んだ。

「ま、待て!何も無防備に突っ込むな!」

「………。」

「ちっ!危ねえ!ウォーシャドウが後ろから…は?」

「攻撃が…遅くなっている?」

「なるほど、そういう感じなのね。ふふふ。」

……どうなっている?

モンスターも戸惑っているようだ。

 

よくよく見ると…。

「周りのモンスターがメーテリアへの攻撃が…鈍い?」

「違う…。メーテリアのまとっている魔法が…モンスターの攻撃を鈍らせているんだ!」

「何だと!?」

「じゃあ、お邪魔しましたー。」

は?お邪魔しました?

 

凶音(ゴスペル)

【サタナス・ヴェーリオン】

 

これはひどい……。

群がってきたモンスターを…たった一唱で絶命させた。

その血の海を悠々で笑顔で渡って来たメーテリアが…怖い。

 

ザルドが引きつった顔で言った。

「……モンスターが哀れに思えてきたぞ。」

「……どうなっているのだ!?」

「帰ったら説明するわね。」

……二つの魔法を持っているだと!?

聞いてないぞ!

 

-------------------------------

その調子で、中層の13階層まで来た。

当然モンスターにも遭遇したが、全匹悲惨な最後を迎えた。

 

「ブモモォォオオオオ!」

メーテリアがミノタウロスを発見した途端、怒りの表情を見せた。

「ミノタウロス…!よくも私のベルを…。」

「いや、あれはベルを傷つけたやつじゃ…。」

そう言ったが、メーテリアは聞かなかった。

 

凶音(ゴスペル)

【サタナス・ヴェーリオン】

 

「ブモォッ!?」

「え?」

「……股間を破裂させた。」

「ひぃっ!」

私の魔法はピンポイントで当てれるが…、メーテリアはそれ以上だ。

ピンポイントで…破裂させた。

 

これはひどい。

ザルドも内股になるぐらいだ。

それでもメーテリアは怒りの表情を崩さず、連発した。

 

凶音(ゴスペル)

【サタナス・ヴェーリオン】

 

「ブモォォォォッ!?」

「うわ…今度は右腕を…。」

「………。」

これはひどい。

明らかにいたぶる感じだぞ、あのメーテリアが。

それでも…表情を崩さないのか?

 

凶音(ゴスペル)

【サタナス・ヴェーリオン】

 

「ブモ……」

「……もう許してやれよ。」

「今度は目を…。」

「このぐらいにしてあげるわ。」

いや、十分すぎるだろうが!

こんなの…ベルには見せられんぞ!

 

凶音(ゴスペル)

【サタナス・ヴェーリオン】

「ブ……。」

 

「んー?まだ魔力のコントロールが微妙ね。さぁ、行くわよ!」

「……俺、帰っていいか?いろんな意味で。」

「……私もだ。」

十分すぎる。

魔力のコントロールが明らかに私よりも上だ。

一体、どうなっている!?




はい、メーテリアさんの初ダンジョンです。
セバス曰く、【ヘラ・ファミリア】の真の最恐の出撃です。

アルフィアさんもザルドさんも絶句ですね。

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