ずっと病で引きこもっていましたから、仕方がありませんね!
そして、20階層まで来てお腹が空いたと言ったため、引き返した。
本当は20階層にあるものでザルドが料理して食べれるが、私もザルドもそんな気になれなかった。
「ただいまー!」
「お帰りなさいませ。いかがでしたかな?」
「ダンジョンって楽しいのね!ずるいわ、みんなは。」
「そうですな。」
私は疲れたぞ。
ザルドは疲れた体に鞭打って、外へ出ようとした。
「俺は店を開いてくる…。」
すまん…、本当にすまん。
そして私は本題へ入ろうとした。
「…セバス、貴様ら何故、黙っていた?」
「こちらへどうぞ。説明いたします。」
…そんな簡単に明かせない内容なのか?
ヘラが読書していた。
「帰ったか。」
「ええ!あー、スッキリしたわ!」
「…そうか。」
「さて…、説明しろ!メーテリアがレベル8の上に、あんな魔法があるとは聞いてないぞ!何故、姉である私に言わなかったのだ!」
「…これを見ろ。」
ヘラは、メーテリアのステータスが書いてある羊皮紙を私へ渡した。
その羊皮紙を奪い取るかのように見た。
そこには…。
「何だと?…本当にレベル8だな。アビリティが私と全く同じ?いや、魔法とスキルが違うな。…魔法はさっきの2つに、最後は詠唱こそ違うが、私の魔法と同じか。スキルが3つ?【白兎眷属】…【実母溺愛】これは私の【義母献愛】と同じか。もう1つは【双子同期】…?これは!?」
「お前に見せたくなかったのは、それが理由だ。」
……馬鹿な、このスキルは。
・双子の一方が強化すれば、同時に強化される。
・ただし病の進行速度が数倍早くなる上、痛みも数倍となる。
「………まさか。メーテリアが姉である私より苦しんでいたのは…私が強くなったからなのか…。」
「残念ながら、そうでございます。」
「私の…せいだったのか。」
私は罪悪感がこれまでないほど、のしかかった。
メーテリアは笑顔で私へ話しかけた。
「違うわ、姉さん。私の病は元々姉さんよりひどかったの。」
「…私がランクアップするごとにお前がより苦しんでいたのは、事実だろうが!」
「ええ、そうね。けど、それを言ったら姉さんは強くなるのをやめたでしょう?」
「当たり前だろう!」
当然だ!
当時、お前は私のただ一人の肉親だったのだぞ!
激昂する私を見て、メーテリアは冷静に言った。
「…姉さんは私と違って才能が豊富。姉さんは私から才能を奪ったと言っているけど、それは違うわ。私が姉さんに才能を与えたのよ?母さんの胎内でうっすらと記憶があるもの。」
「な!?」
「だから才能を腐らせてほしくなかったの。義母さんとセバスにオハナシして黙ってもらったの。」
驚愕した私はヘラとセバスを睨みつけたが…。
そこには目を背けたヘラとため息ついたセバスがいた。
「………(あの時は怖かった。)」
「………はい、そうでございます。」
「…そ、そうか。」
……想像したくないが、かなり脅されたようだな。
「私は、まあみんなが知っているようにちょっとドジっ子だけど。」
(((ちょっと?)))
ちょっとどころじゃないだろうが。
かなりだ、かなり!
ヘラもセバスもそう思っているはずだ!
私達が心中からそう言っている間に、メーテリアは言った。
「そんな私が強くなったとしてもたかがしれている。だから姉さんには強くなってほしかった。」
「そのせいでお前は!」
「でも、私は強くなっていく姉さんが何よりも誇らしかった。」
「!」
「まあ、姉さんが強くなればなるほど私も強くなる、というのはズルいかもしれないけどね。」
「……。」
「でもね、姉さんがランクアップしたり強いモンスターや冒険者を倒したりしたのが、あの時病で苦しんでいた私にとっては、一番の楽しみだったのよ?」
「メーテリアっ……。」
…メーテリア。
私もだ、いかなる強敵と戦っても満たされたなかったが、帰って笑顔で迎えてくれたお前を見ただけでそれで満たされたんだ。
私にとってはそれが一番の楽しみだったんだ。
今はベルだがな。
それはメーテリアも同様だろう。
そしてメーテリアは胸を張って言った。
「今は大丈夫。ベルの血による【白兎眷属】に、ベルへの愛による【実母溺愛】によって病は完全に克服できたわ。これで姉さんと正真正銘、並び立てるわね!」
「それはまだ無理ですな。メーテリアお嬢様は坊ちゃまより戦闘経験が圧倒的に不足しております。」
「えー。」
そうだな、いくらメーテリアが強力な魔法を持っていても経験豊富な冒険者に翻弄されるのがオチだ。
…いや、それでも捕捉して殺るだろうな。
間違いなく。
だが、これ以上ない戦力だ。
私と同じレベル8であれば、足を引っ張らないだろう。
とりあえずは一安心だ……安心か?
「…そうだな。ここを守ってほしい。」
「むー、わかったわ。でも時々でもいいからダンジョンへ行きたいわ。」
「……程々にしろ。」
「何があったのだ…。」
「それはだな…。」
私は、ダンジョンでのメーテリアの活躍を全て言った。
聞いたヘラとセバスは…。
「ね?大したことないでしょ?」
「メーテリアお嬢様も【ヘラ・ファミリア】の一員ですな。安心いたしました。」
セバスは嬉しそうに言いやがった。
全然安心できん!
【ヘラ・ファミリア】で唯一、一般と同じ普通の子だったメーテリアが【ヘラ・ファミリア】最恐だと安心できるわけがなかろう!
「嬉しいようで嬉しくないんだが…。」
ヘラはかなり複雑な表情をしていた。
それはそうだろう。
たよやかなメーテリアが笑顔でモンスターを虐殺する子だったとは思えなかっただろう。
……犠牲者を増やすわけにはいかない。
奴らへ警告しておこう。
はい、メーテリアさんのスキルが出ました!
姉であるアルフィアさんよりひどかったのは、おそらくスキルではないかと思いました。
死の病で14年前まで生きてていたのは、メーテリアさんも同時に強くなっていたのではないでしょうか?
ベルを産んだことでより悪化したと思います。
産まなかったら、アルフィアさんと同じ年齢まで生きていたでしょう。
メーテリアさんの魔法です。
・【サタナス・ヴェーリオン】
詠唱式:【凶音】(ゴスペル)
・内部の魔力や音を増幅させる。
・魔力のコントロールによって一部のみに絞ることが可能
・【休養の園】(レクィエス・エデン)
詠唱式:【魂の休息】(アタラクシア)
・付与魔法
・物理攻撃の無効
・解除しない限り、永続使用可能
・ただしこちらからの物理攻撃不可
・ジェノス・アンジェラス
詠唱式
【祝福の譲渡、生誕の祝い、半身与えし我が身の祝福】
【禊(みそぎ)はあり。浄化もあり。救いもあり。鳴り響く天の音色こそ私の誉(ほまれ)】
【神々の喇叭(らっぱ)、精霊の竪琴(たてごと)、光の旋律、すなわち祝福の証明】
【箱庭に愛されし我が運命よ感謝している。私は貴方を愛している】
【代償はここに。祝福の証をもって万物(すべて)を消しましょう】
【啼いて、聖鐘楼】
・【サタナス・ヴェーリオン】の数百倍の威力
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