白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

394 / 439
はい、ラシャプの最終回です。
おや…ラシャプに手を差し伸べる方が?


第393回 疫病神、絶望。

物陰から見覚えのある神が覗き込んできた。

あっ!あいつは!

「何だ…。聞き覚えのある声が聞こえたと思ったら…。」

「あら?セト様とセティさん?」

「…シノスさんか。どうしたんだ?」

「ところで、セト。この神はどこの神かしらないか?」

「この神…?…お前、ラシャプか!」

「セ、セト!助けて!」

気に食わない神だけど、この際仕方がない!

 

自称神と言った茶髪の娘がセトへ話しかけた。

「あら、セトの知り合い?」

「ああ、同郷のどうしようもないやつだ。……周りのやつらが気絶しているようだが、こいつが何かしたのか?」

どうしようもないやつで悪かったな!

だから、こいつは嫌いなんだ!

 

「ああ、こいつらを使って私達を襲おうとしたぞ?」

「な!?お、お前は大馬鹿か!下界で…いや天界でも絶対にやってはいけないことを!何てことをしたんだ!」

「な、何だよ!セト、助けてくれよ!」

ど、どういうことだよ?

下界だけでなく天界までも…。

こいつらが自ら神と言ったことと関係があるのか?

 

セトは可哀想な子を見る目で僕を見つめた。

「……そうか、お前は知らなかったんだな。この人たちは…元神だ。何故か知らんがヒューマンとなっているんだ(オラリオの不思議がまた増えたんだ…どうなっているんだ…。)。」

「は?」

「ええ、そうですよ?ラシャプ様?いえ、ラシャプ……1年前はよくも私の持ち物を汚してくれたわね?」

「(あ、終わったな…。)」

は?1年前?

ふ、雰囲気が何か変わった?

まるで、神のように。

 

え?マジで神?

 

いやいや、そんなことより今の発言だよ。

確かその頃は、僕ら【ラシャプ・ファミリア】の最盛期だった頃だ。

「1年前…?その時はシャルザードを玩具にしてた時だから、お前なんか知ら………。ま、さ、か、フレイヤ…様じゃないよね?」

「ふふふ、当たりです。」

「ひ、ひぃぃぃぃっ!」

そ、そんな!

な、何でヒューマンになっているんだよぉぉぉぉ!

 

そしたらフレイヤ…様はニッコリと笑った。

「ですが、私は貴方を送還しませんよ?プロに任せます。」

「ほっ………プロ?」

「なっ!お、お前!知らないのか!今の【ヘスティア・ファミリア】には…」

「セト。」

「ハイ。」

「ちょっと黙りましょうね?」

「ハイ。」

(セト様…、何と不憫な。すみません…未熟な私では助けられません。)

プロって…何?

さっきから言ってたけど、どういう意味だい?

しかもあのセトが怯えるなんて…。

 

茶髪の娘が飽きたかのようにフレイヤ…様へ言っていた。

こいつは…まさかアストレア?

「シノス、ちゃちゃっとやって。早く帰ってベルに会いたいわ。」

「そうですね。セト様、私はコマンドサンボを習得しています。ラシャプ様はなにかを?」

「同郷ではクラヴマガがあるが。こいつは怠け者だから全然やっていないぞ?…おい、まさか。」

そんな面倒なことはしないよ!

だって神だから。

 

そう思っていた時があった。

そして学ぶべきだったと深く後悔した。

「そうですか。手加減はしないといけませんね。気をしっかり持って下さいね?」

「ひ…ま、待って…こ、来ないで…グハッ!ガハッ!ぎゃああああ!腕がぁ…・!」

そして、僕はボコボコにされ手足をへし折られた。

 

フレイヤ…様は一仕事したかのようだった。

「ふぅ…、スッキリしました。」

「……あ…う…。」

「セト様…。」

「セティ、言うな、何も言うな。」

セトは見ていられないと目を伏せていた。

 

そんな僕を無視するかのように、水色の髪の娘…いやアルテミスが言った。

「さて、あいつに引き渡すか。」

「そうね。」

「そうですね。」

「………セ…ト、た…すけて…。」

貶されてもいいから…、同郷のよしみで助けて…。

お願い…。

 

「あの……もう言ってもよろしいでしょうか?同郷として、せめてものの情けをかけたいんです…。」

「…仕方がないわね。」

「まあ、これだけやれば十分だろう。」

「いいですよ?ふふふ。」

何だよ…。

送還するならいっそやってくれよ…。

 

そしてセトは優しそうな声で言った。

絶望の事実を。

「ラシャプ…。今の【ヘスティア・ファミリア】には…天界最恐のヘラがいるぞ?」

「……ゑ?」

「そのヘラの義孫が…【ヘスティア・ファミリア】団長の【白兎の脚】だ。お前、この前の戦争遊戯を見てなかったのか?」

「………見てない。」

「ラシャプ…同郷として、せめて楽に逝けることを祈っているぞ。(ポンポン)じゃあな。行くぞ、セティ。」

「あ、ハイ!」

終わった……。

一年前の時に…【フレイヤ・ファミリア】に囚われて還るべきだったんだ。

 

あの戦争遊戯を、隅から隅まで見るべきだったんだ。

くだらないと無視して寝るんじゃなかった。

 

そうすれば、こんな痛い目にも…これからの地獄を味わうこともなかったのに…。

嗚呼…先へ逝ったシール、お前らが羨ましいよ…。

 

■■■■■■■■■■■■■■■■

「………。」

「あらあら、気絶したわ。」

「手応えのないやつだな。」

「引きずって帰りましょう。」

 

「…で?こいつか?何で私がお前の尻拭いをしなければいけないんだ?」

「神ラシャプは、義孫さんのベルさんのことをインチキ・ルーキーと言ってました。」

「よし、死刑だ。セバス、連れて行け。」

「かしこまりました。」

■■■■■■■■■■■■■■■■




ダンまちの皆さんは覚えておいででしょうか?
ベルくんの【未完の英雄】とつけられた神会での命名式のトップバッターを。
【セト・ファミリア】のセティ・セルティ【暁の聖竜騎士】です。

ラシャプはエジプト神話の神なので、セトと同郷と思いました。
なので、ここで出しました。

そして…ヘラ様へ引き渡されました。
合掌。


感想・評価をいただけますと、嬉しいです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。