白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

398 / 439
ヘスティア回です!
命名式がない神会が終わって、帰宅中です。




第397回 処女神、説教。

神会が終わり、みんなはさっさと帰っていった。

ガッカリしている神もいれば、ホッとしている神もいた。

 

そして、ボクとヘラは帰路へついている。

ヘラはずっと考え込んでいるようだった。

…この子は思い詰めるととんでもないことをするから、今のうちに聞いておこう。

 

ボクは、考え込んでいるヘラに話しかけた。

「ヘラ、どうしたんだよ?あんなに、命名式を楽しみにしてたのに?」

「ヘスティア、妙だと思わんか?アンタレスだけでなく、デタイン砂漠、極東、オリンピア、闇派閥連合が同時発生していることを。」

「へ?」

同時発生?

たまたまじゃないの?

 

ヘラはかぶりを振って言った。

「私の時でもそんな異常なことはなかった。……これは危機なのか、好機なのか…。」

「好機?」

「ああ、オラリオ連合の名を私達と同じく高めるためのな。」

すごいなぁ…ヘラは。

さすが、1000年も最恐の座にいたことはあるね!

 

…確かにボクたち、今のオラリオ連合の力は弱い。

というか、【ヘスティア・ファミリア】は数ヶ月前に起ち上げたばかりだよ!

1000年も最強と最恐の座にいたキミたちと一緒にしないでくれよー!

 

でもヘラの言う通り、この同時発生を解決すれば確かに最強と最恐を超えられる。

…何でこんなことになったのかなぁ。

 

ボクは自信なさそうな顔で言った。

「…ヘラがいてよかったよ。」

「な、なんだ。いきなり。」

「ボクはね、ベルくんと一緒にふつーに暮らしてふつーに楽しめればよかったんだ。けど、今の【ヘスティア・ファミリア】はそれをする余裕がない。グータラのボクでは無理だよ。」

…ボクは数年前に降臨し、ファミリアも数ヶ月前に起ち上げたばかりだよ?

せめてベルくんとしばらくイチャイチャしながら過ごしたかったなぁ。

今となっては…もうオラリオ最強派閥だけどね!

 

ヘラは、いつになく優しそうな顔を見せて言った。

「ヘスティア、それは間違っているぞ。」

「ふぇ?」

「今の【ヘスティア・ファミリア】は確かにオラリオ最強だ。しかしな、あのファミリアにはヘスティアの司るあの『不滅の炎』と同じ温かみがある。みんな笑顔だろう?それはあの人のファミリアにも、私のファミリアにもなかったものだ。お前がいてこそのファミリアなのだ。自信を持ってくれ。」

「…ヘラ。ありがとう!うん!」

さすが、最恐の座に1000年もいた神の言う言葉は違うね!

…いつもそう優しい状態なら、みんなが恐れることはないのにね!

 

でも、アレだけは。

ボクたちが償わなければならないんだ。

ヘラはそれを察して、先んじて言った。

「…特にオリンピアにはお前を渡さん。」

「ヘラ…オリンピアは…天の炎はボクたちの罪だよ?それは、ボクの…「やめてくれ!それ以上言わないでくれ!」…ヘラ。」

「ヘスティア、お前はそれをあの子の前で言えるのか?」

うぐっ!

それを言われると弱いよ…。

 

あの子には…、言うのがつらいなあ。

「…言えないなぁ。最後まで言いそうもないよ。」

「あの子に再び家族を失うという悲しみを、傷を再び負わせるのか?」

「!」

「それは許さん…絶対に許さん!お前の神友としても、あの子の義祖母としても!」

「…ごめん、ヘラ。」

そうだね、ベルくんがここまで来れたのはあの悲痛な想いによるものだ。

だから、この短期間でオラリオ最強となったんだ。

それだけじゃない、ベルくんの家族や失われた英雄候補を過去から連れてきたんだ。

 

ヘラが青ざめた顔で言った。

ど、どうしたんだい?

「それに…それをやるとメーテリアがお前を…。」

「あっ…。うん、そうだね!それはダメだね!」

アレは恐い!アレはダメだ。

一緒にベルくんの自伝を読んだんだけど、その度ヘラ以上の凶々しいオーラを出していたんだ。

 

最初は、タケのとこの子が怪物進呈を行ったところ、そのオーラを出したんだ。

アレはビビったよ、何とか宥めて先を読ませたんだけどね。

漆黒のゴライアス戦で、タケのとこの桜花くんがベルくんを庇ったところで「まあ、それで許してもいいかしら?」と。

よかったよ…でないと、アルフィアくんと同じようにオハナシするところだったよ。

運がよかったね!タケ!

 

あの子は本当にベルくん第一主義だね…。

実母として行きすぎないかい?

まあ、ベルくんが赤ちゃんの時で亡くなったから仕方がないけどね。

 

その後、ベルくんが危ない目に合う毎に凶々しいオーラをしょっちゅう出すからもう慣れてしまったよ。

慣れって怖いね…。

 

おっと、ヘラとの話に戻らないと。

「だが…使節団がくるということは天の炎は限界寸前と言ってもいいだろう。」

「そうだね…。」

使節団がくるということは…、ボクを迎えに来たんだろうね。

ったく、プロメテウスったら少しは説明してほしいよ!

 

-----------------------------------

 

そしてボクらは【ヘスティア・ファミリア】ホームへ着いた。

早い帰りだったけどね。

「お帰りなさいませ。いかがでしたかな?」

「あら?早いわね?」

「命名式が長引くと思ったのですが…。」

「私達の二つ名はどうなった?」

キミたち…、第一発言がそれかい?

 

「あー、「ヘスティア、私から話す。」…あ、うん。任せるよ。」

「課題が多く出た。命名式どころじゃなくなった…アストレア、フレイヤ、アルテミス。今から女神緊急会議だ、出ろ。」

「「「!!!」」」

「セバス、メイ、お前も出席しろ。…ベルは?」

「まだダンジョンにおられます。」

「なら、都合がいいな。他の奴らは適当にしてろ。」

女神緊急会議かぁ…。

まさか、ボクのファミリアん中でそれをやるとは思わなかったよ。

 




ダンメモ4周年を見ている方々は察しの通りと思います。
ヘスティアのその気持ちをヘラが打ち砕きました。
仕方がありませんね!

メーテリアさんの怒りもありますから…。

そして、女神緊急会議が始まります…。

感想・評価をいただけますと、嬉しいです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。