ザルドさんが、アリィを連れて【ヘスティア・ファミリア】ホームへ来ました。
どうなるのでしょうか!?
ザル坊が定休日に、女性を連れてきたのは驚きました。
しかもまだ、小娘ではありませんか。
ザル坊の嗜好が変わったのでしょうか…?
折角集めたというのに。
聞けば、ソレではありませんでした。
一安心しました。
無駄にならなくてよかったです。
そしてザル坊がドロップアイテムの件から、デタイン砂漠の異常を知りました。
思ったより早いですね。
まあ、手間が省けたようで何よりです。
証拠と共に、女王陛下が来られましたので。
トントン拍子なのが怖いですね。
「なるほど。こちらの方がシャルザード王国の使者であり、女王ですか。」
「あ、ああ、アラム・ラザ・シャルザードだ。」
「これは失礼しました。【ヘスティア・ファミリア】団長ベル・クラネル専属メイド長のメイと申します。お見知りおきを。」
「う、うむ。」
まだまだ若輩者ですね。
女王になりたてですから、仕方がありませんね。
ザル坊は私に向かって言いました。
「メイ、俺はこの失態を拭わなきゃいけねえ。ベルを頼むぞ?」
「だが、断る!」
「おい!冗談じゃないんだぞ!」
言ってみただけです。
全く冗談の分からない子ですね。
冗談はさておき、本題に入る前にザル坊を落ち着かせましょうか。
この子は責任感が強いから、一人でも復活したベヒーモスを葬りに行こうとするはずです。
ですが、そんな勿体ないことはさせません。
「ザル坊、落ち着きなさい。それはこちらで把握しています。私はあの時何度も言いましたね?「ドロップアイテムは本当になかったのか?」を。」
「………。」
「まあ、仕方がありません。巨大が故で砂漠となったため、見つからないのは止むを得ません。それに、貴方も重傷だったのですから。」
「………。」
ようやく落ち着いたようですね。
痛いとこを突かれてしまったのですから。
さて、そろそろ本題へ入りますか。
「さて、アリィさん。いえ、アラム女王陛下。このミッション、オラリオ連合が引き受けましょう。」
「え?あ、ああ。お願いする。」
こちらの責任かもしれませんが、これでシャルザード王国に貸しができたと思うと上々ですね。
この女王が知っているかわかりませんが、情報はできるだけ集めておきたいですね。
「他に何か気づいたことありましたら、教えてください。」
「1つある。……兵士の世迷い言と皆は言っているのだが、私としては気になるのだ。」
「ほう、何でしょうか?」
「デタイン砂漠に斥候の兵士を向かわせたのだが、10人行かせて帰ってきたのは1人だけだった。その兵士が言うには…砂が喋った…と。」
「「!!」」
「あり得ないと思ったのだが…、その、私は女王になるまで色々とあったのでな。経験上、引っかかるんだ。」
ほう、興味深いですね。
あの子達からは、ベヒーモスが喋ったというのは聞いていません。
ザル坊も驚いていますからね。
異端児がダンジョン以外にいないという保証はありません。
ですが、一応確認しておきましょう。
坊ちゃまが討伐されたモス・ヒュージ強化種のような知性を持ったモンスターかもしれませんからね。
「砂が喋っただと…?」
「なるほど、貴重な意見をありがとうございます。ちなみにどのような事を喋ったかわかりますでしょうか?」
「こう言ってたらしい。『足りん、足りん、もっとよこせ。さらなる命を、さらなる魂を!』と…。」
「なるほど、なるほど。大変興味深いですね。さらなる貴重な意見をありがとうございます。ご安心を、この件はオラリオ連合が引き受けデタイン砂漠にいる元凶を討伐してみせましょう。」
ベヒーモス復活ですが、ザル坊たちが倒したベヒーモスではないかもしれません。
知性を持ち、砂を操り、わざわざ兵士を1人生かし逃したという狡猾さを持ったベヒーモスですか。
いずれにしろ、容易ならない相手なのは確かです。
ふふふ、その相手ならあのレベル6止まりには最適でしょうね。
「ああ…よろしく頼む。できることあれば言ってくれ、報酬は出す。」
ほう、なかなか強かな女王様ですね。
依頼をし、報酬を提示する…。
それによって私達【ヘスティア・ファミリア】と誼を深めようとしていますね。
例え、【フレイヤ・ファミリア】寄りでも国のことは忘れてませんね。
では、現状で不足していて前からほしかったものを要求しますか。
「では、早速。香辛料などの仕入れを直接こちらへお願いします。」
「え?…そんなことでいいのか?ヴァリスとか宝石とか…。」
「いりません。」
「あ、ああ。…あと1つお願いがあるのだが。」
「何でしょうか?」
女王の顔から只の娘の顔になりましたか。
さて、どんな要求なのでしょうか?
「フレイヤ…いや神フレイヤの居場所を教えて欲しい。」
「ふむ…いいでしょう。ただし」
「た、ただし?」
「この件は【ヘスティア・ファミリア】のトップシークレットです。もし漏らせばシャルザード王国は砂塵になると思いなさい。」
「ひぃぃっ!」
たかが背後を取って頸動脈にナイフを立てただけで、怖がらなくてもよいでしょうに。
ザル坊が気の毒そうな顔で私と女王へ話しかけてきました。
「おい、メイ…。怖がらせすぎだ。」
「いかがでしょうか?」
「わ、わかった。私一人の胸の内に秘めて墓場まで持っていく。」
「重畳です。今、出かけておられますのでお待ちくださいませ。」
「出かけている…?え?ここにいるのか!?」
「はい、そうです。」
戦争遊戯勝利での坊ちゃまの要求なのですから、ここにいて当たり前でしょう。
「そ、そうか…。なら、待たせてもらっても?あ、オラリオ名物の『暴喰ラーメン』を食べたいのだが。シャルザード王国まで噂が広まっているんだ。店を教えてくれないだろうか?」
「ほう、それはそれは。こちらがその店長です。」
「え!?て、店長!?」
「ああ。いいぜ、食わせてやるぞ?(この短期間でもう広まっているのか…)」
「よ、よろしく頼む!」
計画より広まっているようですね。
ですが、問題ありません。
そろそろ、支店でも出しましょうか。
ザル坊のいる本店で連日行列なのですから、広めないといけませんね。
そのために、やや高価な香辛料が必要なのです。
女王様は食堂の椅子に座って、ウキウキしていますね。
まさか、それが本命でオラリオへ来たのではないでしょうね?
まあ、どうでもいいことです。
国へのつなぎと共に手かがりを持ってきたのですから。
おや、ザル坊が話しかけてきましたね。
まだ、ベヒーモスに関して気にかけているようですね。
『おい…メイ。何のつもりだ?』
『経験値と偉業がやってきました。』
『……俺としては複雑だ。』
まあ、気持ちはわかります。
ですが、喋ったというのが気になりますね。
どのぐらいの知性を持っているのかが。
『当時のベヒーモスほどではないと思いますが、喋ったというのが気になりますね。』
『俺が出向いて『ダメです』…何故だ?』
『レベル8の貴方が行くより、下に譲りなさい。』
貴方が行って討伐しても、大した経験値や偉業にならないでしょう。
『…何か考えがあるのか?』
『ええ、安心しなさい。』
『俺としてはお前が言うと、ちっとも安心できねえぞ…。』
全く失礼な子ですね。
ザルドさんをおちょくっているメイさんです。
そして、砂が喋ったという新事実が出てきました。
ベヒーモスが進化したのでしょうか?
そして、フレイヤが【ヘスティア・ファミリア】にいることを驚いているアリィさんです。
更にザルドさんの【暴喰ラーメン】をウキウキとして待っています。
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